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更新日:2015年1月20日

福島第一原子力発電所事故の概要

事故の概要

地震発生時は、1号機は定格電気出力運転、2・3号機は定格熱出力運転を行っており、4・5・6号機は定期検査中であった。このうち、4号機については、大規模修繕工事を実施中であり、原子炉圧力容器にあった燃料は全て使用済み燃料プールに移送された状態であった。また、共用の使用済燃料プールには6,375体の使用済燃料を貯蔵中であった。

福島第一原子力発電所では、運転中の1号機から3号機は、同日の午後2時46分に地震の発生を受けて自動停止した。同時に地震によって計6回線の全ての外部電源が失われた。そのため非常用ディーゼル発電機が起動したが、襲来した津波の影響を受けて冷却用海水ポンプ、非常用ディーゼル発電機や配電盤が冠水したため、6号機の1台を除く全ての非常用ディーゼル発電機が停止し、6号機を除いて全交流電源喪失の状態となった。6号機では、非常用ディーゼル発電機1台(空冷式)と配電盤が冠水を免れ、運転を継続した。また、津波による冷却用海水ポンプの冠水のため、原子炉内部の残留熱を海水へ逃すための残留熱除去系や多数の機器の熱を海水に逃すための補機冷却系が機能を失い「最終ヒートシンク」喪失となった。

さらに、1・2・4号機では、津波の襲来により直流電源機能や中央作業室における計測機器等が全て機能喪失し、プラントの状態監視や電動弁の制御等ができなくなった。また、直流電源機能が残った3号機においても、最終的にはバッテリーが枯渇し、1~4号機において交流電源および直流電源の両方を長時間にわたって喪失する「完全電源喪失」の状態となった。

東京電力の運転員は同社の過酷事故手順書に従い、自動起動した炉心冷却設備や炉心への注水設備の継続運転中に、多数の原子炉安全系の機器を回復するために、政府とも協力しつつ緊急に電源を確保する試みを行ったが、結局、電源を確保することはできなかった。

こうした完全電源喪失などのため、炉心冷却システムが停止したことにより、原子炉水位が低下し、炉心の露出から最終的には炉心溶融に至った。その過程で、燃料の被覆管中のジルコニウムと水が反応することにより大量の水素が発生し、揮発性の放射性物質とともに格納容器を経て原子炉建屋に漏えい、1・3・4号機の原子炉建屋で水素爆発が発生した。これらによって、環境中に大量の放射性物質が拡散された。

図:福島第一原子力発電所事故の概要

各号機の状況

1号機

津波到達により、非常用復水器(IC)、高圧炉心注水系(HPCI)の起動に失敗し冷却機能が喪失。原子力安全・保安院の推定では、3月11日午後5時頃に原子炉水位低下により燃料が露出し、午後8時頃に炉心溶融したとみられる。また、午後6時頃には水素発生が始まったとみられる。

12日午前5時46分に消防ポンプを用いて淡水注入を開始し、8万リットルの注入を完了したが、その後停止。同日午後7時4分に海水注入を開始した。海水注入を巡っては政府と東京電力本店との間で、連絡・指揮系統の混乱がみられたが、福島第一原子力発電所所長の判断で海水注入は継続された。

12日午後2時30分には、格納容器ウェットウェルベント(放射性物質を圧力抑制プールで一部除去して放出)を実施した。その後、同日午後3時36分に原子炉建屋で爆発が発生した。この爆発は、水素を含む気体が格納容器からの漏えい等により原子炉建屋上部に滞留して水素爆発を起こしたとみられる。

2号機

津波到達による全交流電源喪失後に原子炉隔離時冷却系(RCIC)を手動起動したが、3月14日午後1時25分に停止し、原子炉水位が急低下した。原子力安全・保安院の推定では同日午後6時頃に燃料が露出し、午後11時頃には炉心溶融したとみられる。

13日午前11時頃から小弁も含めて格納容器ウェットウェルベントを実施した。

建屋爆発には至っていないが、15日午前6時頃に格納容器サプレッションチェンバー付近において爆発音が発生した。この爆発音については、原子炉圧力容器の水素を含む気体が主蒸気逃し安全弁の開放などを通じサプレッションチェンバーに流入、水素爆発が発生し、格納容器が破損したと推定されている。

3号機

津波到達による全交流電源喪失後、原子炉隔離時冷却系(RCIC)を手動起動したが、3月12日午前11時36分に停止。同日午後0時35分に高圧注水系(HPCI)が自動起動したものの、13日午前2時42分に停止し、原子炉水位が低下。原子力安全・保安院の推定では、同日午前8時頃に燃料が露出し、午前10時頃水素発生、午後10時頃には炉心溶融したとみられる。

14日午前5時20分に格納容器ウェットウェルベントを実施した。その後、同日午前11時1分に原子炉建屋で1号機と同様水素が原因と考えられる爆発が発生した。

4号機

原子炉は定期検査のため停止しており、原子炉内の全燃料は使用済燃料プールに移送されていた。津波襲来により全直流・交流電源が喪失し、使用済燃料プールの冷却機能と補給水機能が喪失したが、自衛隊・消防の放水車およびコンクリートポンプ車による放水の結果、燃料の露出、溶融は免れた。

3月15日午前6時14分、原子炉建屋の爆発が発生し、その後、複数の火災が発生したが自然鎮火した。4号機では燃料の露出、損傷がなく水素は発生していない。この爆発の原因について、東京電力の事故最終報告書では、3号機で発生した水素が非常用ガス処理系配管を通じて4号機内に流入し、爆発したものと推定されている。

5号機

原子炉は定期検査のため停止していた。

津波到達により全交流電源が喪失し、3月12日午前6時6分に原子炉圧力容器の減圧操作を実施したが、その後も崩壊熱の影響により原子炉圧力は緩やかに上昇した。13日に6号機の非常用ディーゼル発電機から電源融通を受け、5号機の復水移送ポンプを使用して炉内への注水冷却が可能となった。また、19日に残留熱除去系による冷却を行うため仮設の海水ポンプを設置・起動させ、原子炉と使用済燃料プールの冷却を交互に行うことにより、20日午後2時30分に原子炉が冷温停止状態となった。

6号機

原子炉は定期検査のため停止していた。

11日14午後2時46分の地震により外部電源が喪失し、非常用ディーゼル発電機3台が起動した。その後の津波により非常用ディーゼル発電機2台が停止したが、残り1台から電源の供給は続けられた。

崩壊熱の影響により原子炉圧力は緩やかに上昇した。13日に非常用ディーゼル発電機からの電源により復水移送ポンプを使用して炉内への注水冷却が可能となった。また、19日に残留熱除去系による冷却を行うため仮設の海水ポンプを設置・起動させ、原子炉と使用済燃料プールの冷却を交互に行うことにより、20日午後7時27分に原子炉が冷温停止状態となった。

表:福島第一原子力発電所の事故進展状況

 

事故により放出された放射性物質総量の評価

原子力安全・保安院は、地震直後のプラントデータなどを用いて原子炉からの放射性物質の放出量はヨウ素131について約1.6×100000000000000000ベクレル、セシウム137について約1.5×10000000000000000ベクレルと推定した。また、原子力安全委員会は、環境モニタリングデータなどからの逆推定として総放出量(3月11日から4月5日までの分)はヨウ素131について約1.3×100000000000000000ベクレル、セシウム137について約1.2×10000000000000000ベクレルと推定した。

このほか、津波による大量の海水流入および原子炉冷却のための注水等により、放射性物質を含む大量の汚染水が発生した。高濃度汚染水の一部が漏えいした(約4.7×1000000000000000ベクレルと推定)ほか、低濃度汚染水の一部は緊急避難的に放出する(約1.5×100000000000ベクレルと推定)結果となった。また、大気からの降雨や雨水流れ込みなどの経路でも海洋に流入した。

福島第一原子力発電所の事態および対応の推移

東京電力は、3月11日午後3時42分に、1号機から5号機までが全交流電源喪失に陥った旨を政府に通報(原災法第10条通報)、同日午後4時45分、1号機および2号機において非常用炉心冷却装置による注水が不能になったと判断し、緊急事態に至った旨を政府に通報(原災法第15条通報)した。

内閣総理大臣は、同日午後7時3分、原子力緊急事態宣言を発し、原子力災害対策本部および原子力災害現地対策本部を設置した。これ以降、下図に示すように、原子力災害対策本部長である内閣総理大臣は、発電所の事故状況に対応し、避難区域および屋内退避区域を定めて、関係自治体に指示した。また、地域住民保護のため、4月には警戒区域や計画的避難区域等を設定した。

 

福島原子力発電所の事態および対応の推移(1F:福島第一原子力発電所、2F:福島第二原子力発電所)

日時 (経過時間) 原子力発電所の事態 避難等の対応

3月11日(金曜)午後2時46分

0分

地震発生
原子炉の自動停止(1F 1~3号機、2F 1~4号機)

 

3月11日(金曜)午後3時42分

56分

全交流電源喪失(1F)→10条通報

 

3月11日(金曜)午後4時45分

1時間59分

非常用冷却装置注水不能→15条通報

 

3月11日(金曜)午後7時3分

4時間17分

国:緊急事態宣言(1F)
国:原子力災害対策本部・現地対策本部設置

 

3月11日(金曜)午後8時50分

6時間04分

 

福島県:2キロメートル圏に避難指示(1F)

3月11日(金曜)午後9時23分

6時間37分  

国:3キロメートル圏に避難指示(1F)、10キロメートル圏に屋内退避指示(1F)

3月12日(土曜)午前5時44分

14時間58分

 

国:10キロメートル圏に避難指示(1F)

3月12日(土曜)午前6時50分

16時間04分

国:格納容器内の圧力抑制命令(1Fの1・2号機)

 

3月12日(土曜)午前7時45分

16時間59分

国:緊急事態宣言(2F)

国:3キロメートル圏に避難指示(2F)、10キロメートル圏に屋内退避指示(2F)

3月12日(土曜)午前10時17分

19時間31分

ベント開始(1F)

 

3月12日(土曜)午後3時36分

24時間50分

水素爆発(1Fの1号機原子炉建屋)

 

3月12日(土曜)午後5時39分

26時間53分

 

国:10キロメートル圏に避難指示(2F)

3月12日(土曜)午後6時25分

27時間39分

 

国:20キロメートル圏に避難指示(1F)

3月14日(月曜)午前11時01分

68時間15分

水素爆発(1Fの3号機原子炉建屋)

3月15日(火曜)午前10時59分

4日目

 

国:オフサイトセンターに退避命令

3月15日(火曜)午前11時00分

4日目

 

国:20~30キロメートル圏に屋内退避指示(1F)

3月15日(火曜)午前11時26分

4日目

 

国:オフサイトセンターの退避完了(福島県庁へ)

3月25日(金曜)

14日目

 

国:20~30キロメートル圏の自主避難の促進(1F)

4月15日(金曜)

35日目

 

国:計画的避難区域(1年間あたり20ミリシーベルト)および緊急時避難準備区域について発表

4月22日(金曜)

42日目

 

国:20キロメートル圏に警戒区域設定(1F)
国:計画的避難区域(1年間あたり20ミリシーベルト)および緊急時避難準備区域を設定

計画的避難区域に該当する地区:飯舘村、川俣町(一部)、葛尾村、浪江町、南相馬市(一部)
緊急時避難準備区域に該当する地区:広野町、楢葉町、川内村、田村市(一部)、南相馬市(一部)

 

事故の評価

原子力安全・保安院は平成23年3月18日、国際原子力事象評価尺度(INES)の適用について発表し、いずれも暫定値として1~3号機についてはレベル5、4号機についてはレベル3と評価したが、4月12日、あらためて1~3号機について暫定評価を行ったところ、大気中への放射性物質放出量の推定を受け、レベル7(暫定)とした。最終評価は4号機とともに、原因究明と再発防止対策の確定後、原子力規制委員会であらためて行われる。

(出典:原子力安全・保安院資料、東京電力株式会社資料、新潟県資料、原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書等より作成)

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市民生活部防災・原子力課原子力安全係

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