令和2(2020)年度のアトム情報

このページは「広報かしわざき」に掲載した記事をもとに作成しています。

 

毎月第2木曜の午後6時から、広報かしわざきのアトム情報の内容を中心としたラジオ番組を放送中です。ぜひお聴きください。

防災ガイドブック原子力災害編が新しくなりました(2021年3月号)

このガイドブックは、万が一原子力災害が発生した場合でも、冷静な対応と適切な行動を取るために必要な、放射線や原子力防災の知識と情報を掲載しています。

もしもの時に持ち出せるよう、バインダー「かしわざき暮らしのガイド」につづって保管してください。また、日頃から目を通し、家庭での防災対策にご活用ください。

2021年2月に発行した防災ガイドブック・原子力災害編の表紙

主な変更点

  • PAZ・UPZ区域ごとの原子力災害時の行動をすぐに調べられるように、巻頭ページに見開きで掲載
  • 安定ヨウ素剤の説明を現状の内容に更新

(注釈)PAZは、発電所からおおむね5キロメートル圏内の高浜・荒浜・松波・南部・二田・中通・西中通の7地区。UPZは、発電所からおおむね5〜30キロメートル圏内のPAZ7地区を除く市内全ての地区。

主な追加点

  • スクリーニング(避難退域時検査)の説明、スクリーニングポイント候補地の位置・名称
  • 児童・生徒・園児の保護者への引き渡しなど学校・保育園などの対応
  • 高齢者など、迅速な行動が取りにくく被害を受けやすいとされる要配慮者の行動
  • 複合災害時の行動、避難所での過ごし方

原子力防災用語「安定ヨウ素剤」(2021年2月号)

安定ヨウ素剤とは

原子力災害時に放出される放射性物質(放射性ヨウ素)による甲状腺の内部被ばくを予防・低減する効果のある薬です。

放射性ヨウ素を体内に取り込むと甲状腺に溜まり、内部被ばくによる甲状腺がんを発症する恐れがあります。

事前に服用することで甲状腺の内部被ばくを抑えることができます。

(注意)放射性ヨウ素以外の放射性物質には効果はありません。

服用のタイミング

原子力災害時に、国の指示に基づき、市が防災行政無線などでお知らせしてから速やかに服用します。指示があるまで服用しないでください。

安定ヨウ素剤の効果は、服用後24時間とされていて、服用が早すぎると十分な効果が得られません。

安定ヨウ素剤の配布

原子力災害時に、安定ヨウ素剤を市内各所で緊急配布します。

また、原子力発電所に近いPAZ区域内にお住まいの方には、放射性物質放出前の避難に合わせて速やかに服用できるよう、定期的に事前配布しています。

(注意)安定ヨウ素剤の成分やヨウ素に対して過敏症の既往歴がある方は服用できません。

事前配布対象

PAZ区域内在住の40歳未満の方、40歳以上の妊婦・授乳中の方・妊娠を希望する女性

(注意)40歳以上でも希望される方には配布します。

安定ヨウ素剤の服用量

写真:安定ヨウ素剤(左がゼリー状剤、右が錠剤)
  • 13歳以上:錠剤2錠
  • 3歳以上13歳未満:錠剤1錠
  • 生後1カ月以上3歳未満:32.5ミリグラムゼリー状剤1包
  • 生後1カ月未満:16.3ミリグラムゼリー状剤1包

原子力防災用語「環境放射線モニタリング」(2021年1月号)

写真:フェンスに囲まれ、屋外に設置された放射線監視装置

県は、原子力発電所から30キロメートル圏内に、環境放射線測定局(常設型モニタリングポスト)29局と緊急時により細やかな観測網で測定を行うための緊急時用モニタリングポスト126局を設置しています。
これは、平常時の環境放射線モニタリング・緊急時モニタリングを実施するためです。

また、環境放射線監視テレメータシステムで、柏崎刈羽原子力発電所周辺の空間放射線量や気象観測値を、24時間監視しています。

県内空間放射線量の通常の測定値範囲は、観測地点の地質条件や気象により変動しますが、0.016〜0.16マイクロシーベルト毎時です。
私たちは、日頃から自然界、食物、医療などから放射線を受けていて、1年間の日本人1人当たりの平均被ばく線量は約6ミリシーベルト、そのうち約2.1ミリシーベルトは自然放射線から受けているとされています。

測定結果は、県ホームページやスマートフォンアプリなどで常時確認できます。
また、市役所・西山町事務所のロビーにある専用モニターでもご覧いただけます。

(注意)マイクロシーベルトの1,000倍がミリシーベルト。

スマートフォンアプリ「新潟県放射線監視情報」ダウンロード用の二次元コード

原子力防災用語「外部被ばく」「内部被ばく」(2020年12月号)

放射線を受けることを被ばくと言います。

受ける放射線量が同じでも、どのように被ばくしたかによって、健康への影響が異なることがあります。

体の外にある物質から人体に向かって複数の矢印が出ているイラスト

外部被ばく

放射性物質など、放射線の発生源が体の外にあり、体外から放射線を受けることです。

宇宙から降り注いでいる放射線や地表・建物からの放射線、空気中や飲食物に含まれる放射性物質からの放射線による被ばくがあります。

外部被ばく線量を減らすには、放射線源から離れる、被ばくする時間を短くする、放射線を遮へいすることが重要です。

体の内部にある物質から外に向かって複数の矢印が出ているイラスト

内部被ばく

飲食や呼吸により体内に入った放射性物質から放射線を受けることです。

主に放射性物質が飲食物と一緒に取り込まれる「経口摂取」、呼吸によって取り込まれる「吸入摂取」、皮膚から吸収される「経皮吸収」、傷口から入る「創傷侵入」、注射などによる放射線医薬品の摂取があります。

体内に取り込まれた放射性物質は、排出されるまでの間、人体に影響を与え、種類によっては特定の臓器に蓄積することがあります。

このため、原子力災害の場合には、マスクの着用や汚染された飲食物の摂取制限、安定ヨウ素剤の服用などによって体内に取り込まない、蓄積させないように対策を講じることが重要です。

「原子力立地給付金」が支給されます(2020年11月号)

「電源立地地域対策交付金制度」に基づき、国から「原子力立地給付金」が交付されます。

この給付金の交付対象は、市内の家庭や企業などです。
10月1日を基準日に、電気事業者と契約をしていることが条件で、年1回、電気事業者などを通じて交付されます。

給付金は、契約している電気事業者により支払われる時期が異なります。
東北電力株式会社の場合は年内中に、その他電気事業者と契約している場合は、3月末までに支払われます。

給付金額(年額)

給付金の額
区分 一般家庭
(電灯契約1口当たり)
企業など
(契約電力1キロワット当たり)
旧柏崎市 18,912円 9,456円

旧西山町

旧高柳町

14,184円 7,092円

問い合わせ先

電気の契約に関すること

各電気事業者にお問い合わせください。

(注意)東北電力株式会社の場合は、月曜~金曜の午前9時~午後5時に料金事務センター(電話:0120-17-5227))へ。

給付金制度に関すること

新潟県産業労働部産業立地課(電話:025-280-5164)

原子力防災用語「放射線の種類」(2020年10月号)

今回も基本的な原子力防災用語を解説します。

放射線の種類

放射線は、主に放射性物質を構成する原子の中心にある「原子核」から放出されます。

代表的な放射線とその特徴を紹介します。

放射線が発生する様子を表したイラスト。

アルファ(α)線

陽子2個と中性子2個からなる粒子線です。

他の放射線に比べてエネルギーと質量が大きいので、近くのものに与えるエネルギーは大きいですが、物質との相互作用が大きく、空気中では数センチ程度しか飛びません。
また、透過力も弱く紙一枚で遮蔽することができます。

アルファ線は、ラドンやウラン、プルトニウムから放出されます。

ベータ(β)線

原子核から高速で放出される電子の粒子線です。

透過する能力はアルファ線より高いですが、薄い金属板などで遮蔽できます。

トリチウムやストロンチウム90などから放出されます。

ガンマ(γ )線・エックス(X)線

電磁波の一種で、物質を透過する能力が非常に高い特徴があります。

遮蔽するには分厚い鉛の板やコンクリートの壁が必要です。ガンマ線は原子核から発生するもので、コバルト60やセシウム137などから放出されます。

エックス線は原子核以外から発生するものです。透過能力の高さから、医療分野などでも広く利用されています。

中性子線

その名の通り中性子の粒子線です。

ガンマ線・エックス線以上に物質を透過する能力が高いですが、水素原子とよく相互作用するため、水素原子を多く含む水やコンクリートで遮蔽できます。

主にウランやプルトニウムの核分裂時に放出されます。

原子力防災用語「緊急事態区分」「緊急時活動レベル」(2020年9月号)

今回も基本的な原子力防災用語を解説します。

緊急事態区分と緊急時活動レベル

緊急事態区分

原子力災害時は、迅速に事態を把握し、原子力発電所の状況や距離などに応じて、防護措置の準備や実施を適切に進めることが重要です。そこで、原子力発電所の状況に応じて「警戒事態」「施設敷地緊急事態」「全面緊急事態」の3つの緊急事態区分が設けられています。その区分ごとに、すべき役割を明らかにし、共通の認識に基づいて原子力災害対策を計画・実施します。

緊急時活動レベル(EAL)

原子力発電所で発生している事象や故障の状況などを表し、起こっている事象がどの緊急事態区分に該当するかを判断するための基準です。

緊急事態区分と緊急時活動レベル(EAL)の関係

緊急事態区分・緊急時活動レベル(EAL)の詳細
緊急事態区分 緊急時活動レベル 内容(EALの例)・ ⇒防護措置の概要
警戒事態 EAL1

発電所施設内で事故などの異常事象が起こる恐れがあるとき
(新潟県内で震度6弱以上の地震が発生した場合など)

情報を収集し住民に注意喚起

施設敷地緊急事態 EAL2

発電所施設内で住民に放射線の影響をもたらす可能性がある異常事象が起きたとき
(全ての交流電源を喪失した状態が5分以上継続した場合など)

PAZ(即時避難区域)は避難準備、配慮を要する方・施設は避難実施

全面緊急事態 EAL3

発電所施設内で住民に放射線の影響をもたらす可能性が高い異常事象が起きたとき
(全ての交流電源を喪失した状態が30分以上継続した場合など)

PAZは避難実施、UPZ(避難準備区域)は屋内退避しながら避難準備

 

防災原子力用語「放射線」「放射能の単位」(2020年8月号)

今回も基本的な原子力防災用語を解説します。

放射線・放射能の単位

降ってくる雨と雨に濡れている女の子のイラスト

放射線・放射能の単位を雨に例えると、「ベクレル(Bq)は1秒間に降る雨粒の数」「グレイ(Gy)は人にあたってぬらした水の量」「シーベルト(Sv)は人にあたった影響」となります。

(参考)「知っておきたい放射線の正しい知識」

ベクレル(Bq)

放射能(放射線を出す能力)の強さを示す単位です。
放射線をどのくらい出すかを表します。

グレイ( Gy)

放射線のエネルギーが物質や人体にどれだけ吸収されたか(吸収線量)を表します。

シーベルト(Sv)

放射線が人体に与えた影響の大きさを表す単位です。
がんや遺伝性の影響の度合い(リスク)を表します。

等価線量と実効線量

等価線量も実効線量もシーベルトで表します。

等価線量

吸収線量が同じでも、放射線の種類やエネルギーによって影響が異なります。
その影響に応じて決められた係数を吸収線量に掛けたものが等価線量です。

実効線量

各組織・臓器は等価線量が同じでも、部位によって影響の現れ方(感受性)が異なります。
等価線量に各組織・臓器の影響の現れ方の違いを加味して、足し合わせたものが実効線量です。

原子力防災用語「放射性物質に関する用語」(2020年7月)

今回も基本的な原子力防災用語を解説します。

放射性物質に関する用語

放射線

主に放射性物質から出る粒子・電磁波などの総称です。

放射能

「放射線を出す能力」のことです。

放射性物質

「放射線を出す能力」(放射能)を持つ物質のことです。

放射線の単位

放射線はエネルギーです。放射線を「出す側」と「受ける側」のそれぞれにエネルギーの大きさを表す単位があります。

例えば、放射線を出す側の単位には「ベクレル(Bq)」があります。これは、放射線をどのくらい出すか、つまり「放射能の強さ」を表します。

なお、単位については次号で詳しく説明します。

放射能と放射線

放射能と放射線の関係を下図のように懐中電灯に例えると「懐中電灯は放射性物質」「懐中電灯から出る光は放射線」「懐中電灯の光の強さは放射能の強さ」となります。

懐中電灯と光を、放射性物質や放射能に例えたイラスト

懐中電灯に例えたイメージ図(出典:日本原子力文化財団)

原子力防災用語「原子力災害対策重点区域」(2020年6月)

原子力防災用語はアルファベットの専門用語が多いことから、今回から数回に分けて原子力防災用語を解説します。

原子力災害対策重点区域

柏崎市は全域を原子力災害対策重点区域としており、原子力発電所からの距離に応じて、2つの区域に区分しています。

即時避難区域を黄色で、避難準備区域を緑色で表示した市全域図

区域のイメージ

PAZ(即時避難区域)

原子力発電所がある一定の緊急状態になった場合、放射性物質が放出される前の段階で、市からの指示により予防的に避難をする区域です。

具体的には、高浜、荒浜、松波、南部、二田、中通、西中通の7地区です(原子力発電所からおおむね5キロメートル圏内)。

UPZ(避難準備区域)

万が一の際、まずは屋内退避を基本として避難に備える区域です。放射性物質の放出後に、空気中の放射線量などを基に、必要に応じて避難や飲食物の摂取制限などを実施します。

地区は先ほどの7地区を除く市内全ての地区(原子力発電所からおおむね5〜30キロメートル圏内)です。

原子力災害とその特殊性(2020年5月)

原子力災害とは

原子力発電所の事故などにより放射性物質が大量に放出され、周囲の環境に影響を及ぼすことを言います。

原子力発電所では、放射性物質を外に出さないため「止める・冷やす・閉じ込める」という考え方で安全確保を行っています。「止める・冷やす・閉じ込める」ができなくなると、放射性物質が大気へ放出されることとなり、原子力災害に至ります。

原子力災害の特殊性

原子力災害には、次のような特殊性があります。

  1. 放射線は目に見えず、臭いもなく、その影響をすぐに五感で感じることができない。
  2. ただし、測定器により検知可能
  3. 被ばくから長時間経過後に健康へ影響が現れる可能性がある
  4. 被ばくや汚染により復旧・復興作業が極めて困難
  5. 放射線についての基本的な知識と理解が必要
  6. 専門的知識を有する機関の役割、指示、助言などが重要

これらの特殊性を考慮しつつ、一般的な防災対策の知見を活用し対応します。

原子力災害が発生したときの環境や人体への影響を示したイラスト

原子力災害のイメージ(出展:新潟県原子力防災のしおり)

原子力発電の仕組み(2020年4月)

原子力発電所の発電原理は、火力発電と同じです。
火力発電の基本的な仕組みは、石油、石炭や天然ガスなどを燃やしてボイラーで水を沸かします。その蒸気の力で蒸気タービンを回して発電機で電気を作ります。

原子力発電では、ボイラーにあたるものが原子炉となります。原子炉の中で燃料(ウラン)を核分裂させ、その際に発生する熱エネルギーを使って水を蒸気に変えます。

原子力発電は、少ない燃料で大きな熱を生み出すことができます。発電の過程では温室効果ガスの排出が無いといった特徴もありますが、核分裂の際に、核分裂生成物と呼ばれる放射性物質が生成されます。
そのため、放射線や放射性物質が周囲の環境に影響を与えないように安全に管理する必要があります。
また、発電後に発生する使用済燃料の処理・処分が進んでいない事も重要な問題となっています。

詳しくは、FMピッカラ「ピッカララジオ講座 教えて原子力防災」で放送します。

原子力発電の仕組みをイラストで表したもの

原子力発電の仕組み(出典:東京電力ホールディングス株式会社)

この記事に関するお問い合わせ先

危機管理部 防災・原子力課 原子力安全係

〒945-8511
新潟県柏崎市日石町2番1号 市役所 本館3階
電話:0257-21-2323/ファクス:0257-21-5980
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更新日:2021年03月05日