【2019年9月号特集】今、事業所に注目してもらいたい 輝くシニアたち

近年、全国的にも、柏崎市内でも、企業の人手不足は深刻になっています。一方で、ワークライフバランスへの理解が進み、働き方改革関連法が施行されるなど、一人の人が多くの仕事を担うこれまでの働き方は、徐々に変わろうとしています。

こうした中で、重要なのは働き手の確保・拡大です。今回の特集では、その新たな担い手と言われるシニア世代の働き手にスポットを当て、3人の輝くシニアと、事業所の方にインタビューをしました。

(注意)このページは、広報かしわざき令和元(2019)年9月号(ナンバー1206)の特集記事をもとに作成しています。

シニア世代の働き手にインタビュー

シルバー人材センターから派遣の場合

株式会社品銀鉄工所 下條文夫さん(71歳)

黒縁の眼鏡をかけた笑顔の下條文夫さんの写真

市内の事業所で梱包の仕事をしていた。64歳で退職後、65歳でシルバー人材センター(以下、シルバー)に登録。シルバーからの紹介で、66歳から株式会社品銀鉄工所に勤務。

質問:仕事内容は?
回答:商品の塗装や塗装の下処理、出来上がった商品の梱包・運搬の仕事をしています。勤務時間は、月〜金曜の午後0時45分〜4時55分です。塗装の下処理では、塗装をしやすいように、溶接でできた粒子(スパッタ)を取り、下地を作ります。ペンキでの塗装は、物によっては2〜3度重ね塗りをします。また、商品の梱包作業は、前職の梱包の仕事の経験が生かせていると思います。どの作業でも、きちっとした仕事をすることを心掛けています。

質問:株式会社品銀鉄工所で働くことになった経緯は?
回答:退職後、まずシルバーに登録しました。先に登録し、児童クラブの補助員やヘルパーの仕事をしていた妻から「お父さんもどう?」と誘われたことがきっかけです。シルバーで草刈りや駐車場整理の仕事を経験した後、株式会社品銀鉄工所を紹介してもらいました。仕事現場を見て、自分にもできそうだと感じました。それに、若い従業員が多い中で仕事をしていれば、自分も若くいられると思い、働くことを決めました。

質問:仕事の無い午前中や、休日の過ごし方は?
回答:畑仕事をしています。場所が限られているので多くは作れませんが、楽しいです。家のことや、町内会のこともします。

質問:仕事で大変なことは?
回答:あまりありません。重たい物を運んだり、ひっくり返したりするときは、若い従業員にお願いします。快くすぐにやってくれるので、助かります。

質問:仕事をしていてよかったことは?
回答:気持ちに張りが出ます。この年になっても体を動かせるのはいいことですし、家でダラダラと過ごすよりいいと思います。今後も体が動くだけ働きたいですね。

商品に塗装しているところ仕事中の下條さんの写真
部品の仕上げをしているところの下條さんの写真
現場の声:代表取締役 品田孝行さん
品銀鉄工所代表の品田さんの顔写真

株式会社品銀鉄工所は、お客さんから主に一点物の機械やプラント製品を受注し、製作から取り付けまでを一貫して行っています。従業員は13人です。それぞれの資格や経験に応じて業務を分担しています。

お互いの仕事内容や納期を把握するため、朝昼のミーティングを行っています。ジョーさん(下條さん)の仕事は、朝のミーティングで、全体の動きを把握した上で決めています。昼のミーティングはジョーさんにも参加してもらい、その日何をするか伝えます。

また、ジョーさんも全体の動きを把握しているので、自分で段取りをして仕事に臨んでいるようです。おかげで手が足りないところや、納期が近い仕事の効率が上がっています。

ジョーさんは、シルバーからの派遣という形で採用しています。以前から、同様の仕事をシルバーの会員の方にお願いしていますが、人柄が良く、経験豊富な方が多いところがいいですね。自分たちが気付かない細かいところに気付いて仕事をしてくれます。シルバーもこちらの要望を聞いて、会員の方のスキルや人柄などを考慮し、マッチングしてくれているのだと思います。本当に感謝しています。

ジョーさんも、ポジティブで人柄がよく、真面目です。仕事が無いときでも自分で仕事を見つけ「手が空くけど、これしようか?」と提案してくれます。休憩時には若い従業員とお茶を飲みながら歓談しているし、従業員もジョーさんと呼んで親しんでいます。これからも健康に気を付けて、ぜひ一緒に働いてもらいたいですね。

児童クラブ補助員 石川惠子さん(66歳)

髪が肩までの長さの石川惠子さんの写真

介護職として働いていたが、家族の介護のため退職。その後、介護を終えて、もう一度仕事を始めようと思い60歳でシルバーに登録。シルバーからの紹介で、61歳から児童クラブ補助員として働く。現在、新道・柏崎の2カ所を担当。

質問:仕事内容は?
回答:放課後児童支援員の先生の補助をしています。子どもたちの見守りの他、おやつの準備や掃除もあります。基本は週2回、午後1時30分〜6時30分の勤務です。夏休み期間や土曜日は午前7時30分からクラブを開けるので、午前中の勤務になることもあります。

質問:子どもたちに接するとき、心掛けていることは?
回答:特定の子どもとだけ関わることがないよう、みんなと平等に楽しく過ごせるように努めています。また、大切なお子さんをお預かりする仕事なので、安全性を第一に考え、けがをさせないよう気を付けています。その上で、子どもたちをあまり締め付けないようにしたいと思っているので、危険でないことは見守るようにしています。

質問:仕事をしていてよかったことは?
回答:子どもたちが帰ってくると「ただいま」とあいさつしてくれて「石川先生、今日来てたんだ!」とうれしい言葉を掛けてくれます。子どもたちはとてもかわいく、成長が見えるとき、とても幸せに感じます。クラブだけでなく、学校行事に顔を出したときも声を掛けてくれます。

質問:仕事で大変なことは?
回答:子どものけんかの仲裁に入ることです。けんかを止めるときも、子どもを傷つけないように注意し、言い分をしっかり聞いてあげます。そのときに、子どもの目線に合わせて声掛けをするように心掛けています。

質問:仕事の無い午前中や、休日の過ごし方は?
回答:今は、家のことが落ち着き、自分の時間が取れるようになりました。午前はガーデニングや押し花といった趣味の時間、午後は仕事と生活リズムができています。また、シルバーは自分が休みたいときに休みを取ることができ、計画が立てやすいです。休みを取って家族と旅行に行ったり、定期的に習い事に通ったりと、充実した生活を送れています。自分のやりたいことができるように、人生設計を組めることがありがたいですね。趣味と仕事を両立できています。

質問:今後はどう過ごしていきたい?
回答:健康第一で、いつまでも楽しい生活が続くように働いていきたいです。

児童クラブの子どもたちを見守る石川さんの写真
現場の声
社会福祉協議会 赤澤雄二さん

社会福祉協議会が運営する児童クラブは、市内に22カ所あり、有資格者である放課後児童支援員は約40人、補助員は150人程に携わってもらっています。児童クラブの勤務時間は、子育て世代や、親の介護がある50代には難しい時間帯です。また、土曜日や夏休みは勤務時間が増し、約2倍の人数を集めなければなりません。その点、シルバーの会員の方は時間の都合がつきやすい方が多く、調整も任せられます。シルバーがあってこそ、できる事業だと思っています。

新道児童クラブ 放課後児童支援員 戸田よし江さん

石川さんをはじめ、シニアの皆さんは私たちが思っている以上のことをしてくれるので、とても助かります。今までの経験から「次はこれをしようか?」と声を掛けてくれるのがいいですね。

継続雇用の場合

鯨波松島温泉 メトロポリタン松島 中村良子さん(64歳)

会社の制服を着ている中村さんの写真

民宿をしていた実家の影響で、メトロポリタン松島に就職し、現在38年目。長く正社員として勤務していたが、今年4月からパートに。

質問:仕事内容は?
回答:布団の片付けや部屋の掃除、お客さんの案内などです。パートとして働いていて、勤務時間は5時間半です。また、鯛茶漬けのイベント出店の手伝いをすることもあります。1日に千食以上が出ることもあり、イベントはとても忙しいですが「おいしかった」と言われるとうれしいです。

質問:仕事をしていてよかったことは?
回答:一人暮らしのため、家で過ごしがちなので、仕事に出て人と接することが自分のためになっていると思います。全国からいらっしゃるお客さんと話ができるのがいいですね。お客さんに喜んでいただくと、うれしいし、やりがいがあります。それに、若い人と一緒に仕事をしていると、いろいろな話ができ、家にいるより楽しいです。

質問:仕事で大変なことは?
回答:接客は楽しい反面、大変です。お客さんの求めることに応えられなかったのかなと思うときもあります。お客さんによって受け取り方が違うので、難しいところです。

質問:休日の過ごし方は?
回答:家の草取りや、ガーデニングをしています。時間があれば、出雲崎に住んでいる息子家族のところに行きます。孫が野球をしているので、応援に行くこともあります。

質問:今後はどう過ごしていきたい?
回答:もう少し今のまま働かせてもらい、その後はアルバイトでもいいので、働けたら働きたいです。家にいるよりはいいかなと思います。

現場の声:大女将 佐藤春美さん

中村さんの仕事内容は、昔から変わりません。長く勤めているので仕事に慣れていて、いろいろなことに気が付いてくれますし、気が利くので安心して仕事をお願いできます。掃除なども、細かいところまで気配りできています。経験を生かして、これからも働いてもらいたいです。

シニアパワーを活用 シルバー人材センター

「シニアパワーを活用した新たな仕組み作り」公益社団法人柏崎市シルバー人材センター事務局長 青木健さん

シルバー人材センターの現状は?

青木健さんの顔写真

全国にシルバーは約1300カ所あり、会員は約72万人います。高齢者の数は増えているにも関わらず、会員数は全国・新潟県とも年々減ってきています。

そんな中、柏崎の会員数は1278(平成31(2019)年3月31日現在)人で、増えています。

これは、特別なことをしたからではなく、やるべきことを行ってきたからだと思います。

シルバーに入会すると健康に!?

今年1月、シルバーの会員を対象に、就業と健康に関するアンケートを行いました。その中で、シルバーに入会し「健康維持増進に役立った」「地域・社会とのつながりができた」と思う方は、ややそう思う方も含めると8〜9割にのぼりました。

このようなメリットがある一方で、せっかく会員になっていただいても、仕事が無ければシルバーを退会してしまいます。仕事も増やすことが大きな課題です。

仕事をつくる・つなげる 提案型の営業

「従業員が一人辞めたので、代わりの人を紹介してほしい」といったことに応えるのが、今までの一般的なやり方でした。しかし、若い人と同じような働き方ができるシニアは、体力・能力を考慮するとそれほど多くありません。

そこで「こういった働き方ができる方がいますよ」というシルバーの持っている情報をお見せしながら、事業所に仕事の見直しを提案しています。例えば、一人が抱えている仕事のうち、他の人でもできる部分を切り出して、シルバーにあててもらいます。そうすることで、仕事が減った分、若い人はより付加価値の高い仕事に集中できたり、残業しなくて済むので自分の時間ができたりと、知的生産性が上がるという考え方です。

人材が不足している事業所、仕事量が必要なシルバー、働きたいシニアの方、すべてにメリットがあると思っており、今後はこの取り組みをさらに掘り下げたいと思っています。

コーディネーターにご相談ください

このような「働き方の見直し」を行うにあたっては、シルバーのコーディネートが大事になってきます。他の事業所での事例や、フルタイムでは働けないけど、事業所に応じたスキルを持っている会員さんを紹介できます。ぜひお気軽にコーディネーターにご相談ください。ご連絡をいただければ、いつでも事業所に伺います。

社会保険労務士に聞く 人材活用方法

「少子高齢化社会を勝ち抜く人材活用」 特定社会保険労務士 中村一穗さん

柏崎の若年労働者の不足は深刻で、市内の企業では若者の奪い合いとなっていると言っても過言ではありません。企業経営者の方からは「仕事量はそれなりにあるが、求人しても応募が無いため受注ができない」という声もよく聞きます。

このような状況で、若者の確保にばかり目を向けていると、貴重な即戦力とも言えるシニアの働き手を活かし切れず、仕事も人材も流失させてしまうことになりかねません。

柏崎地域を含め地方の労働市場は、人口減少と共に今後も厳しい状況が続くことが予想されます。こうした中で少しでも企業が成長、存続していくためには、企業の特性に応じて、貴重な人材であるシニアの働き手を十分に活かす仕組みを整えることが必要です。例えば、定年の引き上げもしくは廃止、シニアの働き手が生涯現役を含めた多様な働き方を選択できるメニューの提供などがあります。

私たち社会保険労務士は、経営者の皆さんに、シニアが無理なく働くためのアドバイスや、就業規則などの変更、助成金申請の代行などを行っています。ぜひお近くの社会保険労務士へご相談ください。

市内の社会保険労務士を知りたい方は、新潟県社会保険労務士会ホームページをご覧ください。 (注意)柏崎市は上越支部の所属です。

シニア雇用 事業所向けの助成金

特定求職者雇用開発助成金

対象

60歳以上の離職者などをハローワークなどの紹介により、雇い入れる事業所 ※雇用保険の加入、継続雇用などの条件があります。

支給額

1人あたり合計30〜70万円(対象労働者の年齢、企業規模、所定労働時間により異なる)
(注意)対象労働者の年齢が60〜64歳の場合は「特定就職困難者コース」、65歳以上は「生涯現役コース」です。

詳しくは、以下のリンクをご覧ください。

問い合わせ

ハローワーク柏崎

  • 電話番号:0257-23-2140
  • ファクス:0257-22-9932

65歳超雇用推進助成金 65歳超継続雇用促進コース

対象

就業規則などの変更により、65歳以上への定年引き上げ、定年の廃止または66歳以上の希望者全員を継続雇用する事業所

主な支給要件

  1. 就業規則などの改正に伴い、専門家への委託費の経費支出があること。また、改正後の就業規則を労働基準監督署へ届け出ること
  2. 1年以上継続して雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者が1人以上いることなど

支給額

5〜160万円(引き上げ年齢、対象被保険者数により異なる)

詳しくは、以下のリンクをご覧ください。

問い合わせ

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構新潟支部高齢・障害者業務課

  • 電話番号:025-226-6011
  • ファクス:025-226-6013

編集後記

人は生きている限り、誰でも年を取り、いずれシニアに差し掛かります。その時に、年齢で一区切りをつける働き方もありますが、今回取材した3人のように、積み重ねたものを生かし、希望に応じた働き方で、意欲を持って働くシニアの方もいらっしゃいます。

柏崎市は他市と比べ、働いているシニアの割合が少ないというデータもあります。

ぜひ、あなたの職場でも、シニアが働きやすい環境づくりを進めてみませんか。

関連リンク

この記事に関するお問い合わせ先

総合企画部 元気発信課 情報発信係

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新潟県柏崎市中央町5番50号 市役所 本館1階
電話:0257-21-2311/ファクス:0257-23-5112
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更新日:2020年05月12日