市長臨時記者会見での質疑応答(令和2(2020)年11月16日)

令和2(2020)年11月16日(月曜日)の市長臨時記者会見での報道機関の質問と、市長の回答です。

主な内容

  • 原子力発電所に関する質問
  • 豊かな高齢化社会の実現に関する質問
  • 今回の選挙戦に関する質問

原子力発電所に関する質問

記者:市長はこれまでも、これからは市民の代表である議会の意見を踏まえて判断すると発言してこられた。次の任期の間には東京電力ホールディングス株式会社から、再稼働の可否を問われる状況になると思うが、その際にアンケート調査や市民説明会の開催といった形で意見集約を図る考えはあるか。それとも今回の選挙結果によって、既に市民の意見は集約されたと考えているか。

市長:市民の皆さんの意見集約の方法ですが、報道機関各社の言葉を使わせていただくならば条件付き再稼働容認派というかたちで前回、今回の選挙で位置づけられ当選をさせていただいています。住民投票といったものも行うつもりはありませんが、この原子力発電所の問題に関しては、エネルギーに関する意識調査、総合計画後期基本計画策定のための市民アンケートの2回に渡って市民の皆さんを対象としたアンケートを行ったところです。そしてその結果は皆さんにお伝えしているところです。今後は、12月議会または2月議会の中で市議会の方々からどのような意見が出されてくるのかということを見極めていきたいと考えています。

記者:確かに報道各社も、再稼働の是非が焦点と書いていたが、2回の市民アンケート調査も、市民全員ではなく抽出調査だと思う。また選挙結果と言っても先程、再稼働の是非を1番目あるいは2番目の問題に上げて問うたものではないと市長は発言している中で、今回の選挙結果をもって再稼働を、条件付きで容認ということを市民の大多数が認めたとみなしていいのかというのは若干疑問に思うが、そこはどう考えているか。

市長:これまでも何度も申し上げていますように、私は再稼働の是非というのはプラスマイナスとか、マルかバツかで判断される時代ではないと考えています。原発が良いのか悪いのか、選挙中にも申し上げてきたように原子力発電所にも良い点もあれば悪い点もあります。火力発電所にも良い点、悪い点があります。そういったことを組み合わせながら市民の皆さんに私はお伝えをしてきたつもりですので、総合的に市民の皆さんには判断していただける知見が、できてきたと判断していますので、報道各社の皆さんの立場は理解できるところですが、市民の皆さんはマルかバツかということを求めていないと私は考えています。

記者: 3万2千票は過去20年で最多の得票数だと思うが、これだけの数をとったことをどう受け止めているか。新潟日報の今日の朝刊にも出ているが、再稼働に賛成する人は半分に迫っている一方で、一定程度反対の声もあるのでそういう方々にどういう配慮や説明をされていくのかを伺いたい。
また、今回の選挙戦は相手候補と対立選挙になったということもあり、双方の溝が深まった面があった。1期目の時に融和を掲げていたが、これからどういう路線を進んでいくのか。

市長:一定の方が反対されていることはもちろん承知しています。今回の選挙のみならず、過去51年の原子力発電所をめぐる問題の中で一定程度反対の方はいました。私は原子力発電所の問題に関しては、相手に歩み寄っています。反対の方々との対話も拒否したことはありませんし、話は承っています。相手方にも歩み寄りを示していただきたいと思います。

今日の段階での私の気持ちを申し上げるならば、溝は深くありました。この4年間、できる限り反対の方々とも意見交換をして、東京電力の社長が廃炉計画という言葉を使いました。原発問題以外の部分でも、議員の方々の意見を伺いながらできるところは実現してきたつもりです。

記者:市長はエネルギーに関する調査の結果を受けて、原発を限定的に利活用し、徐々に減らしていくという方向性に多くの賛同を得たと話されていた。今回の選挙結果を受けて、さらに市民からも賛同を得ていると感じるか。

市長:はい。エネルギーに関する調査では柏崎市地域エネルギービジョンについて「大いに賛成する」「おおむね賛成する」が71.5%でした。それと同じようなことを申し上げて今回当選させていただきました。投票の割合も7割を超え、アンケート調査の時と同じような数字が出ているということなので、今回の結果に自信を持っています。

記者:今回の結果に自信を持っているということで、あらためて条件付き再稼働容認に確信を持ったという考えなのか。また、エネルギーに関する調査のようなアンケートをさらに行う考えはあるか。

市長:私共が行った2回のアンケート調査や市長選挙の結果を考えて、さらにアンケートを行うつもりはありません。今回の結果は重ねて民意を把握させていただけたと考えていますし、議会の方々からの意見を市民の皆さんからの意見の集約として伺いながら、県の判断なども見ながら取り組んでいきたいと考えています。

記者:東京電力の廃炉計画の話があったが、具体的ではないという話もあった。あらためて市から具体的な計画を出すよう求めるか。また、再稼働の条件として何か新しいものは考えているか。

市長:廃炉計画を出すと断言されているわけではないので、再稼働後に廃炉計画が出てこないということがないように市長としてしっかり見定めたいと思っていますし、出されないということはないと思います。

さらに条件を加えるつもりはありません。国に対してはあらためて実効性のある避難計画の進捗を確認させていただき、要望活動を続けていきたいと思います。

豊かな高齢化社会の実現に関する質問

記者:市長が掲げた公約のうち、3点の重点事項の中の1つ、豊かな高齢化社会の実現には特別養護老人ホームの建設という考えも含まれているのか。特別養護老人ホームを建設するとなると介護保険料が上がるのではないかという課題もあるがどうか。

また、今回の選挙に関連して市民の声を掲載するためにある市民からお声を頂戴した。その方は市長を応援している方ですが、これからは市長と共に知恵とアイデアを出しあって共に柏崎を良いまちにしていきたいと言っていました。1期目もそうでしたが、2期目はより一層そういう考えをお持ちか。

市長:結論を申し上げると特別養護老人ホームを建設する計画はありません。理由は、今現在、柏崎市にある特別養護老人ホームには空床があるためです。人材が足りないという実情がありますので、まずは選挙中も申し上げたように介護に携わる方を確保するということを一番の目標に掲げるところです。そのためにどうすればいいのか、待遇を上げればいいのか、それとも介護に携わる方々の仕事に対するプライドを持っていただけるような施策を展開するのかということを含めて、まずは介護に携わる従事者を確保していきたいと考えています。若い方が良いですが、若い方のみならずアクティブシニアの方々にお願いしたり、外国の方にもお願いしたりという可能性も含めて、人材を確保することを第一の目標にしたいと思っています。現役で働いている方々の介護離職は絶対に避けなければならない、そのための対応をしていきたいと思っています。

市民からのお声に関しては、もう少し市民の声やアイデアを聞いてもらいたいということなのかもしれませんが、もちろん市民の皆さんからアイデアが出てくればどんどん採用します。例えばセントラルビーチは、議会からも市民の皆さんからも中央海岸の使い道についてお話がありました。今回の選挙もそうですが、移動期日前投票所も市職員のアイデアを採用しました。また、消防職員のアイデアで使い終わったホースなどを使って担架を作り、その担架を各町内会に使っていただくということもしていますので、市民の皆さんからいろいろなアイデアをいただき、コストを含めて行政として出来ることならば積極的に採用させていただきたいと考えています。

今回の選挙戦に関する質問

記者:先ほど市長は2万5千票ほどで、相手は取っても1万9千ほどだろうと考えたと話されたが、結果は市長が前回より伸ばし、相手はさらに落とした。この結果をどう分析するか。

市長:私も驚いたというのが正直なところです。徐々に確実に原発は減らすべきだと約10年前の3月11日の地震から変わらず言い続けていることが、原発反対の方の中にも、私の主張に耳を傾けていただく方が多かったのではないかと思います。一言で申し上げると、理想を掲げ、現実的な解を具体的に提示している候補者である私にご支持をたくさんいただいたのではないのかと考えています。

記者:この結果は原発の再稼働の是非だけが得票に反映されたわけではないということか。

市長:そうです。市民の皆さんは極論を求めていないということをあらためて確信しました。

記者:今回の選挙であらためて地域を回って気付いたことや、取り組まなければならないと思ったことなどはあるか。

市長:どの地域も高齢者が多いことにあらためて気付きました。豊かな高齢化社会の実現のことを申し上げたときにうなずく方が非常に多かったです。高齢者が地域に多くなり、自分たちの地域をどうやって支えていくのかということに対して深刻な思いを抱いていることはよくわかりました。

記者:市長は「強くやさしい柏崎」をキャッチフレーズにしていたが、「やさしい」というのはいろいろな価値観を持った人を包み込むというような意味だと思う。一方で、市長の最低限の条件として柏崎に住み続けることと言ったり、市長は使わなかったと思うが相手候補をよそ者という表現で批判された方がいたりして、考え方の矛盾を感じたが、その辺りはどう考えるか。

市長:移住者はIターンもUターンも歓迎します。市民の皆さんも心から歓迎しています。しかし、選挙の立候補者となると違うと思います。私は「強くやさしい柏崎」をキャッチフレーズにしましたが「強い」に関しては、柏崎に対する思いの強さが大前提になるべきだと思っています。相手候補は柏崎に対する思いが原子力発電所以外の部分でそれほど大きなものがあったと思えませんでしたので、市民の皆さんもそれを感じ取ったのではないかと思っています。

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更新日:2020年11月25日