柏崎市名所案内「貞心尼(ていしんに)の墓(はか)」
良寛晩年の弟子・貞心尼
貞心尼(ていしんに)の墓は、洞雲寺(どううんじ)にあります。
貞心尼は寛政10年(1798年)に長岡藩士の娘として生まれ、23歳の時、柏崎で仏門に入り、1872年75歳でその生涯を閉じました。
文政9年(1826)年29歳の時に良寛を知り、和歌を通じて細やかな師弟の交際を続けた貞心尼は、良寛没後も山田静里や極楽寺の静誉上人などと親しく交わり、多くの歌を残しました。
遺稿に「蓮の露」「焼野の一草」「もしほぐさ」などがあります。
この墓は、弟子の尼僧によって建立されたもので、碑面には辞世の句が刻まれています。
くるににて
かえるに似たりおきつなみ
居は風の吹くにまかせて
貞心尼の墓
貞心尼の墓がある洞雲寺の山門
柏崎市指定文化財(記念物・史跡)
名称
貞心尼の墓
指定年月日
昭和48(1973)年8月1日
所在地
柏崎市常盤台5-1
貞心尼の自筆本「蓮の露(はちすのつゆ)」
貞心尼の墓につづく石段と案内板
「蓮の露」は良寛の略伝から始まり、良寛と貞心尼が詠んだ短歌・施頭歌(せどうか)・長歌をのせた貞心尼の自筆本です。
貞心尼のために不求庵を建立に尽力した山田静里がこの自筆本に「蓮の露」と名付けた経緯や良寛の戒語などが収められています。
末尾には「天保むつのとし五月ついたちの日に貞心しるす」とあることから、天保6年(1835年)5月1日に完成したことがわかります。
柏崎市指定文化財(有形文化財・書跡)
名称
蓮の露
指定年月日
昭和50(1975)年7月1日
所有者
柏崎市立図書館(ソフィアセンター)・中村文庫所蔵
(注意)原本は非公開です。複製本などがご覧になれます。
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更新日:2020年10月21日