【2019年11月号特集】教えて! 柏崎のおさかなくん 漁師さんのお仕事

柏崎の漁獲量や主な漁法を紹介!柏崎のおさかなくん

柏崎のおさかなくんこと、農林水産課の大橋主事。学生時代日本で初めて「カチドキダルマガレイ」を発見するなど、魚に詳しい。

柏崎は海のまちとして有名で、市民の皆さんも海を身近に感じているはず。

では、その海で働く漁師さんはどのような仕事をしているか知っていますか?

柏崎のおさかなくんと一緒に、子どもから大人まで、みんなで漁師さんのお仕事を勉強してみよう!

(注意)このページは、広報かしわざき令和元(2019)年11月号(ナンバー1208)の特集記事をもとに作成しました。

柏崎の漁獲量と主な漁法

柏崎の漁獲量

柏崎の漁獲量は、年総計143魚類173トン(引用:新潟県統計年鑑(2018)第6章農林水産業)です。

頭に赤い魚の帽子をかぶり、白衣姿の柏崎のおさかなくんの写真
  • タイ類:31トン
  • ヒラメ・カレイ類:28トン
  • 貝類:21トン
  • タラ類:15トン
  • サケ・マス類:6トン
  • タコ類:4トン
  • イカ類:3トン
  • ブリ類、海藻類:各2トン
  • アジ類、サワラ類、スズキ類、アマダイ類、フグ類、カニ類:各1トン
  • その他魚類:55トン

柏崎の主な漁法

桶流し一本釣り【柏崎オリジナル漁法】

仕掛けを取り付けた桶を潮の流れに乗せて流しながら魚を釣る漁法。桶を流しながら釣ることで、広範囲の漁場を探りつつ、魚に違和感を与えないように釣ることができます。

  • 主な漁獲物:アラ

桶の下にエサのついた仕掛けとおもりがぶら下がっているイラスト 

刺網

海中に網を張り、魚を待ち構えて獲る漁法。群れをなして泳ぐ魚や体にトゲがある甲殻類、大きくて力のある魚を絡めるのに好都合な漁法です。

  • 主な漁獲物:タラ、ヒラメ、カレイ、ノドグロ、ハチメ、アマダイ、キス

水中に張った網の中に魚が泳いで入るイラスト 

ごち網

網の両端に付けた長いひき網によって魚群を集め、集まった魚群を船の巻き取り機を使ってすくい上げるように獲る漁法。マダイ以外にもさまざまな魚種が漁獲されます。

  • 主な漁獲物:マダイ

船から垂らした網に魚がすくいあげられるイラスト 

竿釣り

船竿と電動リールを使い、20~30本の針にイカの切身などのエサを付けて魚を釣る漁法。遊漁船による船釣りとほぼ同じですが、仕掛けの針の本数が多いことが異なります。

  • 主な漁獲物:ハチメ、タラ

船の上から漁師が釣竿を垂らすイラスト 

籠漁

エサを入れた籠を沈め、さそい込んで獲る漁法。海底にいるエビやイカ、バイなどをさそい込みます。1回の漁でロープに数十個の籠をつけて沈めます。

  • 主な漁獲物:バイ、コウイカ

海底に籠をいくつも沈めてあるイラスト 

タコ漁

数十個のタコ箱を海底に沈めて、タコが入るのを待つ漁法。タコが物陰や穴に入る習性をうまく利用した漁法です。

  • 主な漁獲物:ミズダコ、マダコ

海底に箱を沈めてあるイラスト 

採貝採藻漁業

貝類や海藻類を獲る漁法の総称です。シンプルな漁法ですが、獲る前に良質なものを選別できる利点があります。

  • 主な漁獲物:サザエ、アワビ、モズク、ワカメ、エゴ

船の上や海中に入り、貝類や海藻類を採るイラスト 

日本初のヒゲソリダイ養殖

採る漁業だけでなく育てる漁業も大切だよ

質問:ヒゲソリダイってどんな魚?
柏崎では「カヤカリ」と呼ばれる魚で、イサキの仲間です。白身のおいしい魚です。養殖ものはまだ市場で出回っていませんが、天然ものは、たまにスーパーに並ぶことがあります。

質問:これまでの経緯は?
荒浜にある海洋生物環境研究所で研究が進み、平成30(2018)年10月に日本で初めて、天然の卵や稚魚に頼らずに世代サイクルを完成させる完全養殖を達成しました。漁師さんたちが日替わりでエサをあげて大切に育てています。

質問:ヒゲソリダイ養殖のメリットは?

  • 高水温でも飼える
  • 魚がケンカしない
  • 食用サイズまで育つのが早い
  • いろいろな食べ方ができる

漁船に同乗 ―仕事内容を紹介!

新潟漁業協同組合柏崎支部荒浜分会長の柴野一志さん(56歳)の漁船に乗せてもらいました。

かしわざきのおさかなくんのイラスト

刺網と桶流し一本釣りの2つのやり方で漁を行いました。

笑顔の柴野さんの写真

新潟漁業協同組合柏崎支部荒浜分会長の柴野一志さん

夜の海に出向する一台の漁船の写真

午前11時30分、柏崎港出港

仕掛けが入った3つのカゴが並んでいる写真

刺し網の入ったカゴ

海の中に仕掛けを入れる柴野さんの写真

午前0時30分、刺網を海に入れていく

仕掛けの最後に目印となる浮きを投げ入れる様子の写真

目印の浮きを入れる

エサにするイカを切る柴野さんの写真

午前2時、桶流し用のエサを準備

船の通路におけが一列に並んでいる写真

桶流しの桶が並ぶ

おけの中にライトが仕込んである写真

桶には光る仕掛けが!

一つ一つの仕掛けにエサをつける柴野さんの写真

エサをつける作業中

仕掛けを海の中に入れる柴野さんの写真

桶流しの仕掛けを海に入れる

仕掛けの最後についたおけを海の中に入れる柴野さんの写真

午前2時30分、桶を海に入れる

夜が明けるころ、桶流しの仕掛けを回収する柴野さんの写真

午前5時、桶と桶流しの仕掛けを回収

仕掛けにかかったアラを手に持つ柴野さんの写真

高級魚のアラをゲット!

魚の頭に金具を差し込んでいるところの写真

魚の死後硬直を遅らせ、鮮度を長持ちさせる「神経締め」の作業をその場で行います。

網を大きな機械に巻き付けて刺網を回収しているところの写真

午前7時、刺網の回収

ノドグロをもっている写真

ノドグロをゲット!

入港する漁船の写真

午前10時30分、柏崎港へ

一人の女性が船を港につけるため、ロープを引っ張っているところの写真

到着後の作業は夫婦で行います。

釣った魚を発砲スチロールに入れ重さをはかっているところの写真

タグをつけ、重さを計る。

白い発泡スチロールの箱に魚を詰めている写真

箱詰め作業

刺網を片付ける柴野さんと奥さんの写真

午前11時30分、刺網の片付け

笑顔の柴野さんの写真

作業終了!

漁師さんにインタビュー

マイクを持ったおさかなくんのイラスト

漁師さんに、漁師になったきっかけや柏崎の海の魅力など聞きました。

新潟漁業協同組合柏崎支部 茂田井光平さん(46歳)

しま模様のポロシャツを着た茂田井さんの顔写真

プロフィル

  • 柏崎市出身
  • 祖父、父も漁師
  • 専門学校卒業後23歳のとき漁師となる
  • 父親と一緒に漁に出ている

質問:漁師になったきっかけは?
回答:海が身近にあったからですね。物心付いたときから、友達と海で泳いでいました。それに保育園のときから親に付いて漁船に乗っていました。漁で何か獲ると褒めてもらえてうれしかった思い出があります。

質問:漁師になる前と後で、海の印象は変わった?
回答:漁師になる前は、海は遊び場で楽しい場所でしたが、漁に出ると一歩間違えれば命を落とす危険を伴う場所だと思うようになりました。命懸けで漁をしているので、市民の方には地物の魚に興味を持ってもらえるとうれしいですね。

質問:柏崎の海の魅力は?
回答:モズクがおいしいことですね。岩の質が違うからなのか、全国的に見ても柏崎のモズクは価値が高くおいしい。塩漬けしたモズクは、他の地域の物と違って何年経っても品質が良いです。

質問:これからやりたいことは?
回答:高校2年生の子どもがいるのですが、本気かは分かりませんが「漁師になろうかな」と言っていたので、いずれ一緒に漁に行けたらと考えています。今から楽しみです。

質問:おすすめの漁獲物は?
回答:モズク、タイ、カレイ

質問:漁師になって最初の漁獲物は?
回答:サクラマスです。獲れたときは、とてもうれしかったです。

新潟漁業協同組合柏崎支部 澤田輝雄さん(46歳)

黒いポロシャツを着た澤田さんの顔写真

プロフィル

  • 山形県出身
  • 高校までは山形県で過ごし、就職を機に母親の実家がある柏崎へ。スキーは国体にも出場するほどの腕前。42歳までは柏崎市役所に勤務
  • 5年前、叔父の船の跡継ぎとして漁師となる

質問:漁師になったきっかけは?
回答:祖父が漁師だったので漁師は身近な存在でした。それに叔父が漁師で、叔父が元気なうちに、一緒に船に乗って教えてもらおうと漁師の道に進みました。

質問:海は身近な存在?
回答:高校までは山形県で過ごし、海ではなく川で遊んでいました。結婚し子どもが生まれてから柏崎の海で海水浴をして遊ぶようになり、海が身近になりました。

質問:若手ならではの工夫は?
回答:神経締めですね。手間のかかる作業だけど、魚の鮮度が良いまま出荷できるので行っています。

質問:ご家族の支えもある?
回答:妻も漁業組合に勤めています。漁から帰ってきたとき、箱詰め作業や網の整理などもしてくれています。妻と一緒に船に乗りヒラメを取りに行くこともあります。いずれ夫婦船かな?!

質問:おすすめの漁獲物は?
回答:アマダイ、ノドグロ、バイ

質問:漁師になって最初の漁獲物は?
回答:サザエです。素潜りから始めました

新潟漁業協同組合柏崎支所支部長 津畑和義さん(75歳)

白いワイシャツを着た津畑さんの写真

プロフィル

  • 柏崎市出身
  • 祖父、父も漁師
  • 25歳のとき漁師となる

質問:柏崎の海の魅力は?
回答:魚は、砂しかないところより、岩(岩礁地帯)があるところに集まってきます。柏崎は椎谷から米山まで海岸線が長く、岩礁地帯が多いので、魚の種類も多く魚の宝庫。そこが魅力ですね。

質問:どのような方が漁師に向いている?
回答:一言でいうのは難しいけど、海が好きで、やる気のある人が向いていると思います。会社勤めと違って、船や道具を買って初期投資もするから、途中でやめることはできないからね。でも今は設備の補助があるし、漁師を引退する方の船を譲り受けて始める人もいますよ。

質問:柏崎の漁業をどのようにしていきたい?
回答:漁師が減っているので、少しでも増えるようにして、現状を維持していきたいです。漁師の仕事は、体験してもらえば魅力が伝わると思うので、漁船に乗船して漁師の仕事をじかに体感してもらいたい。それに昔よりも補償も多く、休みもきちんと取れて働きやすいこともアピールしたいです。柏崎の海は、魚の宝庫なので、他の地域から漁に来る人もいます。柏崎の漁場を荒らされないように守るのも漁師の仕事。みんなに柏崎のおいしい魚を食べてもらえるように、柏崎の海を守る活動を続けていきたいです。

質問:おすすめの魚は?
回答:ハチメは年中おいしいよ

質問:獲った巨大な魚は?
回答:イシナギ(オヨ)(1.5メートル、80キログラム)、ヒラメ(15キログラム)

質問:獲った珍しい魚は?
回答:リュウグウノツカイ(4メートル)

かしわざきのおさかなくんのイラスト

おいしいお魚をみんなに届けるために、真夜中から漁に出たり、神経締めなどの工夫をしたりと漁師さんは、たくさんの努力をされていることが分かったね!

最近、魚料理を食べていないな…という方、お肉だけでなく地魚にも、ぜひ興味を持って欲しいな!

猟師を目指すには

漁師さんになりたいと思ったら、情報収集からはじめてみてね!

STEP1 情報を集めましょう

新潟県漁連の漁業者募集サイト「新潟 漁師への道」で、漁業の魅力やインタビュー、新潟の漁獲物などを詳しく紹介しています。

新潟 漁師への道(新潟漁業協同組合連合会の漁業者募集サイト)

メモとペンを持ってアンテナを張り巡らせているイメージのイラスト

STEP2 体験研修&長期研修

面談会などに参加して受入機関と相談し、実際に漁業を体験し、適正を確認しましょう。受入機関の受講資格に適合した場合は、長期研修を行い漁業技術を習得します。この時にその地域での生活の準備をします。

網にかかった魚を引き上げている様子のイラスト

STEP3 漁師になる

受入機関の乗組員として漁師生活を始めます。将来、独立して自分の船を持つか考えの整理が必要です。

両手に魚を持って笑顔の漁師のイラスト

STEP4 漁業協同組合の組合員になる

組合員になると漁業を行うための権利や免許の取得などができるようになります。

STEP5 資格を取得してキャリアアップ

「船舶免許」「無線免許」などの資格を取得しましょう。

船舶免許の試験の様子のイラスト

STEP6 独立する(独立を希望する場合)

自分の船を持って独立します。

(注意1)漁船や漁具の購入資金を蓄えましょう。

(注意2)地域や漁業種類により許可が必要な場合があります。

魚を両手に持って笑顔の漁師が船に乗っている様子のイラスト

関連リンク

この記事に関するお問い合わせ先

総合企画部 元気発信課 情報発信係

〒945-8511
新潟県柏崎市日石町2番1号 市役所 本館2階
電話:0257-21-2311/ファクス:0257-23-5112
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更新日:2020年05月12日