博物館のゆく年くる年
新年を前に八丁紙を飾る(令和3年度冬季収蔵資料展)
大掃除ですっきりしたら、新しい年がよい年であるようにとの願いを込めて、鏡餅やしめ縄などを飾る方も多いのではないでしょうか?
博物館でも展示を通して、新年を迎えるための心づくしを紹介しています。
吉祥柄に願いをこめて
新しい年がよい年であるようにとの願いを込めて、神棚や鏡餅の下に「八丁紙」を飾ります。垂れ下げるように飾るため「下げ紙」と呼ぶこともあります。
この八丁紙は、おめでたい図案を切り抜いた紙を、赤奉書という紙に重ねて飾るもので、魔除けの意味をもつ赤色が目に鮮やかです。
図柄は鶴亀や松竹梅、宝船といった万能の吉祥柄のほか、その年の干支などバラエティに富んでいます。中には「日本海の初日の出」のように見える、大胆な図柄もあります。本来、日本海で見ることができるのは夕日であり、こんなに波が荒れている日に太陽を見ることは難しいことを考えると、新年への願いを込めて実際には存在しない事象を図案化したかもしれません。
新しい年に何を望むのか。それを考えながら八丁紙の図柄を選ぶのも、楽しいですね。

吉祥柄の定番「鶴と亀」

荒れ狂う冬の日本海と初日の出のコラボレーション?

スタイリッシュに「宝」一文字
年神様は天神さん
柏崎の一部では年末から1月25日まで、新しい年を迎えるため年神さまとして「天神様」をお祀りする風習があります。
座敷に天神様の像や掛け軸を飾り、鏡餅や果物などのお正月らしい品々を三方に乗せてお供えします。それぞれの家で心づくしのおもてなしをするのです。
ほぼひと月の間お祀りするからか、柏崎では親しみを込めて「天神さん」と呼んでいます。
この「天神さん」とは、北野天満宮の祭神として有名な菅原道真。
学問の神様としてお祀りしている「天神講」は、子どもたちが書や学業の向上をお願いする行事もありました。
新しいよき年を祈りつつ、学力向上のお願いもできる柏崎の天神さんに博物館でも会うことができます。
博物館の天神さん(令和2年度の様子)
大きな天神さんと、とても小さな天神さんがいます。
この記事に関するお問い合わせ先
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新潟県柏崎市緑町8番35号
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更新日:2021年12月28日