博物館の冬支度

更新日:2021年12月24日

写真:昭和40年代冬の茶の間を再現した展示室。豆炭こたつや金物の湯たんぽなを展示してあります。

冬支度をした常設展示室「昭和40年代の茶の間」

年越しの準備が気になり始める12月。
柏崎市立博物館でも毎年12月になると、年越しの準備が本格的に始まります。その1つが「むかしの暮らしの冬支度」です。

常設展示室の一角に再現した昭和40年代の茶の間が、冬のしつらえに大変身。
こたつに湯たんぽなど、数々の暖房器具が登場し、「シベリア寒気団もどんと来い!」といった雰囲気になります。

豆炭こたつを使いつつ、眠るときは手軽な電気あんかを愛用するなど、より便利で暖かな暮らしを実現しようとしていた昔の様子を垣間見ることができます。

電気と暮らし

柏崎では、青海川地内で水力発電(注記参照)が始まった明治40(1907)年から、徐々に電気利用が進められてきましたが、この頃はまだ夜を明るく過ごすための灯火具での利用が主でした。

家庭での電気利用が進むのは、テレビや洗濯機、炊飯器といった、いわゆる「家電製品」が安定的に供給されるようになった頃からです。

昭和30年代は、白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫は「三種の神器」と呼ばれ、豊かさを象徴する耐久消費財。昭和31(1956)年の経済白書に「もはや戦後ではない」という一文が記載されたものの、この頃の家電はまだまだ高嶺の花でした。

昭和33(1958)年の東京タワー竣工に伴いテレビ受電範囲が拡大するなど、社会的要因を地道に積み重ねた結果、ようやく一般家庭にもの家電製品の普及が進みました。

(注記)北越水力電気株式会社による、谷根川の流水を利用した水力発電所。明治40(1907)年10月20日から発電を開始し、柏崎町(当時)に電力を供給した。史跡・青海川発電所跡として、柏崎市文化財に指定されている。

豆炭から電気まで、暖房器具が勢ぞろい

豆炭から電気まで、暖房器具が勢ぞろい。火鉢の鉄瓶も暖かい暮らしを想像させます。

イマドキ小学生の「むかし」は「昭和」

「昭和」はそんなに古い時代ではないと思いがちですが、現代の小学生にとっては立派な「昔」です。
小学校3年生社会科の単元で取り上げられるのは、まさに昭和40年代。電化と非電化の狭間にあった普通の暮らしを勉強します。

博物館では、常設展示室での暮らしにまつわる展示以外にも、冬季収蔵資料展「むかしの暮らしと道具」を開催し、さまざまなテーマで昔の暮らしから現代の暮らしを見つめなおす学習をサポートしています。

そのため博物館の調査研究活動では、時代を象徴する家電製品も大事なテーマの一つになっています。

今後は赤外線放熱器が大胆に出っ張っている電気こたつや、普及競争が懐かしいβとVHSのビデオデッキなど、皆さんの自宅で眠っている家電製品を博物館で目にすることがあるかもしれません。

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