国体の開催を契機にやって来た指導者―青柳勧さんへのインタビュー

更新日:2020年01月31日

広報かしわざき 2011年1月5日号掲載記事
新春対談「スポーツ都市 柏崎の飛躍を目指して」から抜粋

青柳勧さんへのインタビュー

司会

青柳さんが柏崎に来たきっかけを教えてください。

青柳

こちらに来る一番のきっかけは、新潟国体の開催でした。

国体開催が決まった当時、現在柏崎高校で教員をされている水球部顧問の島岡先生から、「水球に力を入れたいので、選手強化を手伝ってくれないか」というお話をいただいたことで、毎年夏に1~2週間、選手の強化で柏崎に来ていました。

いよいよ国体の開催という年に、「今年で最後か」と思っていたところ、新潟産業大学の広川学長から、「柏崎に来て、水球にどっぷり漬かってみないか」とのお誘いをいただき、こちらに来ることになりました。

現在は、新潟産業大学の教員をしながら、産業大学にできた水球部の監督と、昨年結成した「ブルボンウォーターポロクラブ柏崎」の監督として、また現役の選手として水球を続けています。

司会

青柳さんは8年前から柏崎とのかかわりがあったそうですね。

青柳

はい。柏崎の水球チームを本格的に強化し始めたのがそのころで、最初から一緒にかかわれたことが、私にとってプラスになっています。

当時は、小学生の子どもたちにどうやって水球を続けさせるかが課題でした。

島岡先生からは、「彼らをうまくだましながら、水球を続けさせるために楽しませてやってくれ」と言われて、最初はもう水球にはならなかったですね。

それこそボール遊びだったりおんぶしながら泳いだりして、水の中の楽しさを教えたことを思い出します。

その子たちが頑張って水球を続けてくれたおかげで、高校生になった彼らが新潟国体ではメインの選手として活躍し、4位入賞してくれました。

司会

まずは、水に慣れさせるということですが、水中の格闘技とも呼ばれている水球では、かなりハードだったのではないですか。

青柳

そうですね。

確かにハードですが、今でこそ水球といえば柏崎では、「おう、あの水球か」とイメージが沸くのですが、初めて水球って聞いたときには、どんなスポーツかも分からない。

それを「したい」と思わせるのですから、大変でしたよ。

当時は、どうやって続けさせるか試行錯誤していましたが、今となってはその経験が生きていると思いますね。

司会

そうした子どもたちの国体での活躍をご覧になっていかがでしたか。

青柳

私は、それこそ1年に1回柏崎に来て、強化練習をしていたのですが、選手の成長ぶりが目に見えるんですね。

特に、国体の年の選手の伸びようといったら、びっくりするくらい上達していて、どれほど周りの人たちが子どもたちにハッパを掛けながらやってきたのかが、目に浮かぶようでしたね。

観ている私としては、ものすごく楽しいといいますか、面白い年になりましたね。

司会

そういった長年の努力が実った結果だと思います。
国内には、ほかにも社会人クラブはあるのですか。

青柳

社会人がリフレッシュするために、週末集まっているようなチームはいくつかあります。

サッカーや野球、バレーボールのように実業団のチームがあるスポーツはよいのですが、それ以外のスポーツでは、なかなか企業の協力を得ることも、選手がそういう環境を作るのも難しいですね。

私は、このクラブが起爆剤となって柏崎のスポーツ全体が活性化すればよいと思っています。

それに、水球に関して言えば、本格的なクラブは柏崎にしかないですので、大学を卒業した後にトップレベルで競技を続けたい選手は、みんな柏崎に来ると言っています。

若い選手が次々と柏崎に来ることになり、いい流れができたと思っています。

司会

このチームで実際に大会に出てみていかがでしたか。

青柳

日本選手権で3位入賞し、両手を上げて声援にこたえる水着姿の選手たちの写真

日本選手権(2010年10月)で見事銅メダルを獲得したブルボンウォーターポロクラブ柏崎の選手たち

日本選手権では優勝を目指していたのですが、残念ながら3位に終わってしまいました。

しかし、結果だけでなく、何もなかったところにチームができたということが一番でした。

株式会社ブルボンさんを始め、多くの皆さんの協力でチームが立ち上がったことが、私たちにとってはものすごくうれしく達成感に浸った年でした。

みんなが仕事を終えてから練習して、もうくたくたになっても全員でその辛さを分かち合い、そして勝ったときの喜びを分かち合えるチームが、柏崎にできたことは本当にうれしいことです。

もう何十年もオリンピック出場がかなっていない水球界にとっても、その夢を追いかけるきっかけにもなりますし、次の世代の選手たちの目標にもなるので、この流れを今後もずっと続けていきたいと思っています。

青柳 勧さんのプロフィール(2011年1月当時のもの)

インタビューに答える青柳さんの顔写真

ブルボンウォーターポロクラブ柏崎監督兼選手。

京都府出身。

2009年まで水球プロ選手としてスペイン・イタリア・モンテネグロで活躍。

その後、新潟産業大学教員に着任。

2010年株式会社ブルボンの協賛によりブルボンウォーターポロクラブ柏崎を結成。

チーム監督を務めながら選手としても活動中。

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