歴代柏崎市立図書館の紹介

更新日:2020年01月31日

初代図書館(私立柏崎図書館 ~ 刈羽郡立図書館 ~ 柏崎市立図書館)

建物の周りには数本の木々が立ち、ぬくもりのある木造の柏崎の初代図書館の写真
初代図書館 詳細一覧
開館 明治38(1905)年9月
私立図書館文部省公認 明治39(1906)年3月
刈羽郡立図書館に移管 大正3(1914)年3月
新築 大正4(1915)年9月
場所 柏崎市東本町1-4-11(旧柏崎ふるさと人物館)
構造 木造一部土蔵造瓦葺2階建
敷地面積 739.0平方メートル(開館時)
延床面積 435.9平方メートル(開館時)
総工費 2,880円
蔵書数
  • 1906年:1,538冊
  • 1970年6月:39,897冊
閉館 昭和44(1969)年8月

柏崎の図書館の歴史は1905年9月に始まる。この年、宮川の猪股雷道文庫を柏崎に移し、私立柏崎図書館が開館した。設立発起人には関甲子次郎、勝田加一(忘庵)らの名が見える。翌1906年、牧口義矩を設立総代とし、文部大臣侯爵西園寺公望宛に認可申請が出された。3月には認可がおり、牧口を館長として有識者団体「芝欄会」が運営にあたった。当時の図書館は現在の市民プラザの付近にあったが、郡立への移管を経て1915年に柏崎小学校の前に新築された。新館へは県内はもとより福島、宮城、岩手からも視察に訪れたという。
1909年には巡回文庫を開始し、特に冬季間の娯楽として喜ばれた。蔵書の面では藍澤誠一氏、内藤久寛氏などの寄贈を受けさらに充実していった。ちなみに1915年の図書購入費は400円であり、1965年には66万円であった。昭和の町村合併後は合併町村へのサービスとして自動車文庫の巡回を開始した。
以後、1969年新館建設のために取り壊されるまで、50余年にわたって市民に親しまれ活用されたのである。

1915年10月6日の越後タイムスでは、「図書館模様替」と題し、図書館の活況を以下のように伝えている。
『刈羽郡立図書館にては小学生の入場多き為め喧騒を極め普通閲覧者の迷惑を認めたるを以って年少児童の新聞閲覧を拒絶し又現在の児童席と新聞備室と交換模様替を為せり』

1915年10月5日の越後タイムスでは、「図書館半期(4~9月)成績・9月成績」と題して、以下のように利用状況を伝えている。

  • 【半期(4~9月)】
    開館日数160、新聞閲覧者2,993人、図書閲覧者1,625人、計4,618人、一日平均28.86人、閲覧部数2,292部、貸出図書318部、貸出人数231人
    巡回文庫:延日数492日、閲覧者3,454人(一日平均7人)、図書閲覧部数3,601部
  • 【9月】
    開館日数22、新聞閲覧者607、図書閲覧者479、計1,086、閲覧部数639、貸出図書67、貸出人数37、
    閲覧者職業別:学生361、銀行会社員7、教育家28、農10、商41、医1、記者7、宗教家3、工2、官吏18、無職1

1916年2月27日の越後タイムスに「図書館に就いて」と題し、要約以下のような提言が掲載されている。

  1. 図書選定方としての狙い所を、どのように考えるか
  2. 備品(図書)の活用
  3. 郷土史に関係する古文書類や、その他の資料の収集
    ここで、中村藤八氏や関甲子次郎氏の収集・記録を価値あるものと認め、その継承・統轄に関して図書館が果たすべき役割が提言されているが、中村藤八氏の中村文庫は1918年に、関甲子次郎氏の甲子楼文庫は1942年に、それぞれ図書館に寄付された
  4. 図書館が主催して、講演会や展覧会を開催する

二代目図書館

二代目図書館の概要

二代目図書館の案内

建物前には数台の車が駐車する白い鉄筋コンクリート造3階建の二代目図書館の写真
二代目図書館 詳細一覧
開館 昭和45(1970)年8月3日
場所 柏崎市東本町1-4-11(旧柏崎ふるさと人物館)
構造 鉄筋コンクリート造3階建
敷地面積 1,496.8平方メートル
建築面積 683.726平方メートル
延床面積 1,679.514平方メートル
総工費 1億800万円
蔵書数
  • 開館時:44,645冊
  • 1995年12月:152,467冊
閉館 平成8(1996)年3月31日

1965年頃から図書館新築の声が高まり、翌年には市民500人からなる柏崎市立図書館新築促進の会が発足した。この熱意が結実し1970年、市制施行30周年の年に白亜の新図書館がオープンした。
新館では旧館にはなかった児童室、閲覧室、展示室、集会室、研究室などが設けられたほか、視聴覚ライブラリーも併設された。館中央部に設けられたブラウジングは3階までの吹き抜けで、天井に採光窓がある当時としては斬新なものであった。
新館開館に合わせて、移動図書館車「おおとり号」の運行を開始した。マイクロバスを改造したもので約1,200冊の本が積載され、市内各地の事業所や公民館などを巡回した。一方では県内で先駆けとなる日曜開館を実施したほか、活発な後援会活動や展示活動で市民の利用促進につとめた。
1975年には市史編さん室が3階に設置され、1990年の市史本編刊行まで資料収集を進め、そのほとんど全てが現在図書館に移管されている。
なお、この新館は木造の旧館とほぼ同じ場所に建設されたため、一時的に公会堂(現「喬柏園」)で仮営業を行っていた。工事の際、1918年に寄贈された中村文庫も取り壊され、新館3階の一室へと移転した。

1970年7月19日の越後タイムスには、新潟短大教授、市立図書館運営委員長である坂野高次氏の談として、「具体的には図書館の創立60周年のとき、山田良平さんの『図書館六十年史』がつくられ、このお祝いの席で高橋源治氏が1発大いにブッてくれ、これにこたえて小林市長が新築を約束してくれたのが直接のキッカケとなりましたが、それまでに市民の多数の要望が1つの世論にまで固まるほど熟していたという背景が、一挙に図書館新築に踏切らせたものなのでしょう。」とある。

1970年8月の柏崎日報の、「小学生にも人気 閲覧室も3つ いよいよ開館 好評呼んだ新図書館」と題した記事によれば、「旧館と比べて広さが4倍もあり、その施設もこれまでの旧館にはなかった児童室や郷土資料室、集会室が新設されたほか、機械設備にも電動式書架やブックリフトなどの最新式ものもが設立された。」「とくに利用者にとって好評なのは収容人員が以前の3倍となり、これまでよくあった満員でことわられる心配があまりなくなったのと、その閲覧室が利用者によって子ども用の児童室と一般人の第1閲覧室(2階)、学生用の第2閲覧室(3階)の3つにわけられているので落着いた雰囲気で利用出来ること。」「初日には多数の学生にまじって旧館当時はあまり“縁”のなかった小学生がさっそく訪れ、専用の児童室でマンガや伝記物などをいかにも楽しそうによみふけっていた。」とある。

新潟県立図書館協会報第42号には、「建築面での特色は、正面玄関を入ると、中央が新聞閲覧の場で、ここには上から自然光線が入るように3階までの吹抜けになっている。また展示室があったり、書庫には県内初めての電動書架が設けられ、これまでの書架スペースを三分の一に節約できるということで市民の話題を呼んだ。」「8月3日から15日までの利用状況を昨年の同時期と比較してみると、利用人員が館内では(588人→1,624人)3倍近くに、館外では(315人→494人)1.5倍近くとなっている。」とある。

三代目図書館(現在の図書館)

鉄筋コンクリート造一部鉄骨造3階建の三代目図書館の写真
三代目図書館 詳細一覧
開館 平成8年(1996)7月6日
場所 柏崎市学校町2-47
構造 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造3階建
敷地面積 8,138.46平方メートル
建築面積 2,088.82平方メートル
延床面積 4,753.66平方メートル
総工費 32億円
蔵書数 179,752冊(1996年11月)

1988年、刈羽郡総合病院の移転が決定し、その跡地利用について各方面で検討がなされた。その結果、市街中心部活性化への寄与も期待され、新しい図書館を建設することになった。従来の図書館に新機能を加えた最新の施設を目指し、仮称を「ライブラリーコミュニティ」として設計・施工が進められた。
旧館での不足・不便を解消し、バリアフリーにも配慮し、展示や映像機能も取り入れ、愛称を「ソフィアセンター」としてオープンしたのが1996年のことである。注目を集めたのは大規模展示が可能な展示ホール、大画面のハイビジョンホール、インターネットもできるメディアホール、そして明るく開放的で広々した書架のある空間であった。また、長年の懸案であった電算による蔵書管理も実現し、業務のスピードアップと効率化が実現した最新施設となった。
以来、開館時間の延長、各種企画展の開催、学校へのサービス拡大などを実施しながら今日に至っている。
日々の入館者は平均1,500人程度で、年間では50万人を超える。
現在約27万点の図書のほか、今回展示した写真、古文書・絵図面、掛軸等々、多用な資料を所蔵し、市民の読書・調査・研究への要望に応えている。

  1. 現図書館の新築計画は、「近年の加速する情報化社会に対応し、音と映像を中心とした情報提供、図書館機能を兼ね備えた生涯学習施設として、ライブラリーコミュニティを整備する。」として、1990年の柏崎市新長期発展計画に盛り込まれた(公募により「ソフィアセンター」という愛称が付くまでは、(仮称)ライブラリーコミュニティという名で新築事業を進めた。)
  2. 1992年の「柏崎市中心部まちづくり基本構想計画検討調査報告書」では、総合病院跡地開発プロジェクトとしての位置付けがなされた
  3. 建設事業は、1993年度の地質調査・基本設計等に始まり、1995年度末に建設工事が完了した
  4. 雑誌「近代建築」1996年8月号に、当館が8ページにわたって紹介されている
  5. ソフィアだより第2号(1996年8月発行)では、開館当初の入場者延人数として、7月6日(土曜日) 2,796人(1階:1,801人、2階:995人)、7月7日(日曜日)2,981人(1階:1,838人、2階:1,143人)の記載がある

現在の施設概要(2019年4月現在)

1階の面積

  • エントランスホール:43.93平方メートル
  • 開架スペース:891.22平方メートル
  • 参考図書室:83.15平方メートル
  • えほんのへや:167.50平方メートル
  • 事務室:198.51平方メートル
  • 書庫:207.66平方メートル
  • 休憩コーナー:33.71平方メートル

2階の面積

  • 展示ホール:476.00平方メートル
  • 読書・学習室:195.12平方メートル
  • 多目的ホール:141.36平方メートル
  • 会議室:153.22平方メートル
  • ホール:272.21平方メートル

3階の面積

  • 中村文庫:41.82平方メートル
  • 書庫:311.55平方メートル

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会 図書館 資料係

〒945-0065
新潟県柏崎市学校町2番47号
電話:0257-22-2928/ファクス:0257-21-2936
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