GX実行会議で示された柏崎刈羽原子力発電所の方針などに対する柏崎市長のコメント(令和4(2022)年8月24日報道発表)

本日(8月24日(水曜日))、政府のGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議において、2023年夏以降に東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を目指す方針などが示されました。

このことを受けての柏崎市長のコメントを、次のとおりお知らせします。

市長のコメント

  1. 再稼働の方針に、改めて柏崎刈羽7、6号機の名前が含まれるとするならば必然。
  2. 国の方向性、「安全性の確保を大前提とした上での原子力の最大限活用」が示された以上、新潟県におかれましては、「3つの検証」について、行政手続法の観点からも、明確な結論を早期に出し、原発、再稼働問題の議論を始めて頂きたい。
  3. 稼働標準期間を40年から60年に延長する方向性、検討も、日本のエネルギーセキュリティ、また、気候変動、地球温暖化を防ぐという原発の環境性能を考えても、海外の事例を勘案しても妥当。
  4. 原子力規制委員会による安全審査などに長期間を有している現状を鑑みるとき、40年の期間から、審査期間、柏崎刈羽のように中越沖地震などで止めざるを得なかった期間、つまり原子炉稼働により放射化されなかった期間を減ずるのが合理的ではないかと思うが、この点にもしっかりとした基準が求められる。
  5. 私自身は1~7号機全ての再稼働は経済的にも、安全面からも合理的ではないと考える立場なので、従来申し上げているように東京電力には1号機~5号機の廃炉計画を出してもらいたいという考えに変化はない。もちろん、5つ全てを廃炉してもらいたいということではない。
  6. アメリカ合衆国においても、1立地点で3、4の原子炉を有しているのが最高であり、福島事故を経験し、かつアメリカ、ヨーロッパ、中国などと比べても大規模地震が起きる確率がけた違いに大きい日本においてはエネルギーセキュリティ、環境性能を考えてもなお、原発は制約的であるべき、というのが私の考えである。
  7. リプレイス、新増設の議論が出てくることは、ウクライナ情勢、エネルギー価格の高騰、経済、国民生活への影響を考えるとき、一般論として考えれば、これも自然な流れであると考える。
  8. 柏崎刈羽原子力発電所の1立地点、柏崎市の市長として、この53年間原発賛成、反対と議論し続けてきた歴史に鑑みるとき、今、この時点でリプレイスだとか新増設などということは言える段階ではないと考える。
    例えば、50年間言われ続けてきた「トイレ無きマンション論争」 核燃料サイクルに明確な方向性、光が見えない。六ケ所村の使用済み核燃料再処理施設は26回目の竣工延期である。日本が未だ先進国だとするならばあり得ない事態である。むつ市、青森県の苦悩を見るとき、原発立地点として、さあ、原発、どんどん行こう、等とは到底言えない。
    柏崎刈羽の使用済み燃料プールは全体で約81%が埋まっている。再稼働を目指している7号機のものは約97%、6号機のものは約92%埋まっている。
  9. バックエンド問題も、敢えて言うが、寿都町、神恵内村の「男気」に頼るようでは国のエネルギー政策とは言えない。
  10. 本当に腰の据えた国民的議論を、早期に、そしてしっかりとしていただきたい。国の存亡をも占うエネルギー政策を「これを機会に」「やっつけ仕事」ではいけない。
    納得がいく議論がなされ、結果が出されたとするならば、国がこれまで以上に、原発の科学的、合理的安全の確保を行い、住民が安心、かつ豊かな生活を享受できるような施策展開、原発の集中リスクの軽減、洋上風力発電の海底直流送電など再生可能エネルギー供給計画への柏崎市の参画等を担保していただけるならば、柏崎市はこれまで以上に国のGX、エネルギー政策の一端を担う覚悟はある。

令和4(2022)年8月24日

柏崎市長 櫻井 雅浩

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更新日:2022年08月24日