柏崎刈羽原子力発電所のトラブル状況(1999年度~2002年度)

1999年度の対象トラブル

1999年5月25日:6号機

定格出力で運転中、発電機励磁装置停止により発電機およびタービンが自動停止し、同時に原子炉自動停止。
原因は、発電機励磁装置に設置されている5台の電力変換器のうち1台を点検のため停止したところ、監視装置が誤って2台停止と判断したため。監視プログラムを修正する対策をとり、6月1日原子炉再起動。
周辺環境への放射能の影響はなかった。
通報連絡対象:法律対象16
評価尺度:レベル0+

1999年7月28日:7号機

定格出力で運転中、10台ある内蔵型原子炉冷却材再循環ポンプの内1台が停止し、出力が一時132.2万キロワットまで低下。点検調査のため原子炉手動停止。
原因は、当該ポンプ駆動用電動機の電源ケーブル接続端子が、振動による繰り返し応力を受け、破断したもの。端子部の強化、振動防止措置を施し、8月7日原子炉再起動。
周辺環境への放射能の影響はなかった。
通報連絡対象:法律対象17
評価尺度:レベル0-

1999年9月2日:1号機

定格出力で運転中、復水器の真空度が低下したため、出力を約70万キロワットに降下し、運転を継続しながら調査を実施。
原因は、非常用低圧(480ボルト)電源5系統のうち1系統で、過電流検知器の断線により受電遮断器が動作し、同系統から受電している気体廃棄物処理系の弁が自動閉鎖したため、復水器内の空気抽出が行われなくなったもの。過電流検知器を健全なものと交換し、9月5日に定格出力復帰。
周辺環境への放射能の影響はなかった。
通報連絡対象:通達対象7
評価尺度:レベル0+

1999年9月24日:5号機

定格出力で運転中、待機中の非常用ディーゼル発電機(A)を定例試験のため起動したところ、発電機出力の上昇過程で徐々に出力が降下するとともに、保護継電器が作動し発電機が停止。原因調査と復旧作業が必要なため、当該発電機を待機状態から除外。
調査の結果、発電機調速機の動作不良が推定され、25日に予備品と交換し健全性が確認されたため、待機状態に復帰。
通報連絡対象:極く軽度な事象5
評価尺度:-

2000年度の対象トラブル

2000年5月28日:6号機

定格出力で運転中、燃料の健全性を監視する放射線モニタ値および原子炉冷却水中のよう素濃度に上昇が認められ、点検調査を行うため原子炉手動停止。
原因は、燃料集合体2体からの漏えい。6月12日から定期検査に入り、当該燃料集合体を健全なものと交換。
周辺環境への放射能の影響はなかった。
通報連絡対象:法律対象18
評価尺度:レベル0−

2000年6月29日:2号機

定格出力で運転中、タービン建屋地下3階で、タービン系配管から漏えいした蒸気の凝縮水とみられる水たまり(約100シーシー)と上部からの水滴の落下が発見され、点検調査を行うため原子炉手動停止。
原因は、高圧タービン出口の蒸気圧力検出配管の溶接部に溶け込み不足があり、振動による繰り返し応力のため亀裂が生じ、蒸気が漏えいしたもの。当該配管の溶接方法の改良と配管支持の強化を行い、7月10日原子炉再起動。
周辺環境への放射能の影響はなかった。
通報連絡対象:法律対象19
評価尺度:レベル0−

2000年7月14日:4号機

定格出力で運転中、発電機回転子冷却用水素ガスの消費量が6月13日から増加し、発電機固定子冷却水系への水素ガス漏えいが推定され、詳細調査を行うため原子炉手動停止。
原因は、冷却水系のホース1本に製造時の欠陥があり、発電機の振動などにより亀裂が生じ、ここから水素ガスが冷却水系に漏えいしたもの。当該ホースを健全なものと交換し、8月4日原子炉再起動。
周辺環境への放射能の影響はなかった。
通報連絡対象:法律対象20
評価尺度:評価対象外

2000年12月6日:4号機

定格出力で運転中、発電機回転子冷却用水素ガスの消費量が10月28日から増加し、発電機固定子冷却水系への水素ガス漏えいが推定され、詳細調査を行うため原子炉手動停止。
原因は、7月14日に発生した同様のトラブルの際、対策として行ったホース交換に伴う電気絶縁シートの巻き付けが緩く、振動しやすくなったため、交換したホースに再度亀裂が生じ、ここから水素ガスが冷却水系に漏えいしたもの。当該ホースを健全なものと交換後、絶縁方法を改善し、1月30日原子炉再起動。
周辺環境への放射能の影響はなかった。
通報連絡対象:法律対象21
評価尺度:評価対象外

2001年1月19日:5号機

定格出力で運転中、2台ある原子炉冷却材再循環ポンプのうち1台の回転数制御機器からの潤滑グリース漏えいが2000年12月22日に確認され、点検とグリース補給のため、当該ポンプ1台を1月20日から21日にかけて停止。これに伴い、1月19日から21日にかけて出力を最低24万キロワットまで降下した。
原因は、グリース漏えいを防ぐゴムリングの取付不良。ゴムリングを新品と交換し、施工方法を改善。
通報連絡対象:極く軽度な事象6
評価尺度:-

2001年度の対象トラブル

2001年4月5日:5号機

定格出力で運転中、午前9時50分に制御棒手動操作系の動作不良警報が発生し、手動による制御棒の通常操作ができなくなった。
調査により、中央制御室にある制御棒操作補助盤の制御回路基板に不具合が推定されたため、基板を交換した結果、午後6時15分に復旧。
なお、制御棒は通常運転中は操作の必要がなく、また、復旧までの間、原子炉緊急停止(全制御棒緊急挿入)機能は手動、自動ともに維持され、定格出力運転を継続。
通報連絡対象:極く軽度な事象7
評価尺度:-

2001年6月18日:6号機

定格出力で運転中、5月20日に機器冷却や空調に使用する冷却水が、原子炉格納容器内で漏えいしていることが確認され、点検補修を行うため6月18日に出力降下を開始し、19日に原子炉手動停止。
原因は冷却水配管の弁のパッキン劣化により、漏えいしたもの。当該パッキンを新しいものと交換し、6月20日原子炉再起動。
周辺環境への放射能の影響はなかった。
通報連絡対象:法律対象22
評価尺度:レベル0−

2001年7月8日:5号機

定格出力で運転中、午前5時59分に制御棒手動操作系の動作不良警報が発生し、手動による制御棒の通常操作ができなくなった。
調査により、185本ある制御棒のうち1本(ナンバー26-03)の制御回路基板に不具合が推定されたため、基板を交換した結果、午後4時29分に復旧。
なお、制御棒は通常運転中は操作の必要がなく、また、復旧までの間、原子炉緊急停止(全制御棒緊急挿入)機能は手動、自動ともに維持され、定格出力運転を継続。
通報連絡対象:極く軽度な事象8
評価尺度:-

2001年7月12日:1号機

定期検査中(原子炉停止中)、サプレッションプールの水位計測配管の水張りを実施したところ、末端の弁が開いていたため、原子炉建屋地下5階の床に、水が約2リットル流れた。水に含まれる放射能は約70キロベクレルで、これによる被ばくはなかった。
原因は、13日に予定していた水張り作業を、弁の開閉状態を未確認のまま前倒しで実施したため。
通報連絡対象:極く軽度な事象9
評価尺度:-

2001年7月13日:5号機

定格出力で運転中、午前12時に制御棒手動操作系の動作不良警報が発生し、手動による制御棒の通常操作ができなくなった。
調査により、185本ある制御棒のうち1本(ナンバー54-39)の制御回路基板に不具合が推定されたため、基板を交換した結果、午後2時に復旧。
なお、制御棒は通常運転中は操作の必要がなく、また、復旧までの間、原子炉緊急停止(全制御棒緊急挿入)機能は手動、自動ともに維持され、定格出力運転を継続。
通報連絡対象:極く軽度な事象10
評価尺度:-

2001年7月27日:6号機

定格出力で運転中、午後3時8分に制御棒操作監視系の故障警報が発生し、手動による制御棒の通常操作ができなくなった。
調査により、205本ある制御棒のうち1本の通常駆動用モータの電源装置に不具合が推定されたため、電源装置を交換した結果、午後5時46分に復旧。
なお、制御棒は通常運転中は操作の必要がなく、また、復旧までの間、原子炉緊急停止(全制御棒緊急挿入)機能は手動、自動ともに維持され、定格出力運転を継続。
通報連絡対象:極く軽度な事象11
評価尺度:-

2001年9月7日:4号機

定期検査中(原子炉停止中)、点検終了後の復旧のため、原子炉冷却材浄化系再生熱交換器内の伝熱管(外径約16ミリメートル、219本)に純水を注水中、熱交換器内部で伝熱管からの漏水があった。漏えい水に放射能はなく、正規の排出経路で処理。
ファイバースコープ等により調査した結果、伝熱管4本に全周亀裂、2本に部分的亀裂が確認された。
原因は、熱交換器製作時の伝熱管端部の固定に一部不良があり、疲労強度が低下し、熱疲労により損傷したものと推定。損傷した6本と取付不良のあった5本の伝熱管計11本を施栓により閉止した。
以上の調査・対策のため、定期検査期間を延長。
通報連絡対象:極く軽度な事象12
評価尺度:-

2001年9月19日:5号機

定格出力で運転中、午前3時43分に制御棒手動操作系の動作不良警報が発生し、手動による制御棒の通常操作ができなくなった。
調査により、185本ある制御棒のうち1本(ナンバー18-15)の制御回路基板に不具合が推定されたため、基板を交換した結果、午前7時58分に復旧。
なお、制御棒は通常運転中は操作の必要がなく、また、復旧までの間、原子炉緊急停止(全制御棒緊急挿入)機能は手動、自動ともに維持され、定格出力運転を継続。
7月8、13日にも類似事象が発生しており、制御回路基板内の同一集積回路に異常(経年劣化による断線)が確認されたため、基板又は集積回路の交換により、全制御棒の制御回路基板から同一製造時期の当該集積回路を排除。
また、定期検査で、制御回路基板本体全数を新品と交換。
通報連絡対象:極く軽度な事象13
評価尺度:-

2001年11月12日:4号機

定期検査中(調整運転中)、タービン駆動原子炉給水ポンプ(A)への蒸気供給量を調節する弁の開度に異常が認められた。
原因は、点検作業終了後の組立不良により、当該弁を構成する5弁のうち1弁が閉状態となったため。
正常に再組立するとともに、当該組立作業に関する作業要領書の記載を明確にする措置をとった。
上記対策のための当該ポンプの停止・起動に伴い、11月27〜28日および30日に出力を降下した(最低値82.5万キロワット)。
通報連絡対象:極く軽度な事象14
評価尺度:-

2001年12月20日:5号機

定格出力で運転中、午前11時頃、タービン建屋地下2階の放射線管理区域内にある気体廃棄物処理系サンプリング設備から、微量の放射性物質を含む気体が漏えいし、付近の放射線モニタの値が上昇。
原因は、当該設備を点検のため開放した際、事前に閉じるべき元弁を閉じていなかったため。
午前11時30分頃に元弁を閉じることで漏えいは停止。漏えいした放射能は約27キロベクレルと推定。念のため、午前11時44分から午後3時16分までの間、タービン建屋内の立入規制措置がとられた。再発防止対策として作業管理の徹底、手順書の明確化を行った。
外部への影響はなかった。
通報連絡対象:極く軽度な事象15
評価尺度:-

2002年3月4日:1号機

定格出力で運転中、原子炉冷却材再循環ポンプ(A)の軸封部に機能低下が認められ、念のため軸封部を交換するため、原子炉手動停止。
原因は、軸封部の摺動面に微細なごみなどが侵入したためと推定された。3月12日原子炉再起動。
周辺環境への放射能の影響はなかった。
通報連絡対象:法律対象23
評価尺度:レベル0-

2002年度の対象トラブル

2002年4月26日:7号機

2001年7月に発生の燃料からの放射性物質漏えいの疑いにより、2002年4月9日から開始した定期検査で燃料集合体全数(872本)の調査を行った結果、燃料集合体2体からの漏えいを確認。当該燃料集合体を健全なものと交換。また、フィルタ付き下部タイプレートを採用した燃料集合体を導入することとした。
周辺環境への放射能の影響はなかった。
通報連絡対象:通達対象8
評価尺度:レベル0-

2002年5月5日:3号機

定格出力運転中、タービン系制御装置の基板の不具合により、復水器の真空度が悪化したため、手動で56.3万キロワットまで出力を降下。
原因は、基板の一時的な動作不良。当該基板を予備品と交換し、6日午後10時に定格出力復帰。
周辺環境への放射能の影響はなかった。
通報連絡対象:通達対象9
評価尺度:評価対象外

2002年5月14日:7号機

定期検査中、10台ある原子炉冷却材再循環ポンプのうち1台(E)の羽根(インペラ)に微小な傷が確認された。炉内点検を行った結果、針金状の異物を4本発見、傷部の詳細調査、傷の再現試験を行った結果から、針金状の異物による摩耗が原因と推定。
当該のインペラについては、予備品と交換して復旧。また、再発防止策として、異物混入防止対策の再徹底を行うこととした。
通報連絡対象:極く軽度な事象16
評価尺度:-

2002年8月23日:3号機

定期検査中、原子炉圧力容器内にあるシュラウドを点検していたところ、シュラウド下部リングの溶接部近傍の表面の一部にヒビがあることが確認された。
原因は応力腐食割れ。
通報連絡対象:極く軽度な事象17
評価尺度:-

2002年10月2日:6号機

定格出力(135.6万キロワット)で運転中、13時8分頃から出力低下が始まり、13時29分に133.6万キロワット(最低値)となり、13時54分頃、定格出力に復帰。
原因は、原子炉へ戻す水を加熱する第1給水加熱器の水位調節弁の異常閉により、プラント全体の熱効率が低下したため。
通報連絡対象:極く軽度な事象18
評価尺度:-

2003年1月23日:2号機

点検停止中、原子炉格納容器内の原子炉冷却材再循環系ポンプ(B)配管の作業のために設置した仮設フランジから微量の放射能を含んだ水が漏れた。量は約10リットルで約120万ベクレル。
通報連絡対象:極く軽度な事象19
評価尺度:-

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危機管理部 防災・原子力課 原子力安全係

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更新日:2020年01月31日