歩いた人から狐の気分「狐の夜祭り」

高柳町地域で開催するイベントのひとつ「狐の夜祭り」は、地域の活動団体「夢追い人」が、高柳地域を元気にしようと、高柳町の栃ヶ原地区に伝わる「藤五郎狐」の民話をモチーフに、手作りしたお祭りです。

狐の夜祭りの見どころ

夕暮れを進む、狐のちょうちん行列

小俣達郎(おまた たつろう)さんが吹く笛と、先見狐(さきみきつね)が打つ拍子木のあとに、白い装束に狐の面をかぶり、ちょうちんを持つ人たちの行列が続きます。

澄んだ笛の音と拍子木の音が山あいに響き、ゆらゆらと揺れるちょうちんの光が連なる情景は幻想的です。

狐のちょうちん行列は一般の方も参加することができます。行列に参加して狐の気分をあじわってみませんか。

夕暮れの道を、白い衣装とお面で狐に扮した人たちが赤や白ののぼりとちょうちんを持ち2列の行列をつくって歩いている写真
橙色に灯る丸や三角柱のちょうちんを持ったたくさんの人たちが行列で歩いている様子の写真

白装束に狐の面をかぶった行列が進みます。

漆黒の闇の中をちょうちんの光が煌々と照らし列をつくって続いている様子の写真

曲がりくねった道を、長い光の列がゆっくり、ゆらゆらと進む様子は、まるで狐火のようです。

栃ヶ原神社境内で揚げる「大油揚げ」

白装束を身にまとった人たちが、栃ヶ原神社の境内で、狐にお供えする畳一畳ほどの「大油揚げ」を作ります。

大油揚げは、狐の衣装を着た人たちが栃ヶ原の会場から漆島の会場に担いで運び、漆島の会場に集まった人たちに振舞われます。

周りで大勢の人が見守る中、白装束の8人の男の人たちで大きな油揚げを揚げている写真
7人の白装束の男の人が四角い油の入った鍋に大きな油揚げの生地を入れようとしているところの写真

使う大豆は300キログラム、揚げ油は20斗(1升瓶200本)と、大油揚げの材料は半端な量ではありません。約2時間かけて、じっくり揚げていきます。

7人の白装束の男の人が、畳一畳大もある大きな油揚げを力を合わせて裏返している写真

畳一畳ほどもある大油揚げは、ひっくり返す作業も大変。大人の男性が7人がかりで、体全体を使ってひっくり返します。

栃ヶ原神社で行われる神事

大油揚げのお祓い

できあがった大油揚げを前に黒姫神社の大倉神官が御幣をかざし、お祓いをしている様子の写真

できあがった大油揚げは、祭りと地域の安全を祈願し、黒姫神社の大倉神官にお祓いしてもらいます。お祓いをしてもらった大油揚げは、かついで栃ヶ原の会場から漆島の会場に運びます。

神楽舞の奉納

黒姫神社氏子でつくる黒姫神社神楽保存会の皆さんが「神楽舞」を奉納します。2メートルの高さにある獅子の口から「祝狐の夜まつり」と書かれた垂れ幕が出され、祭りを祝います。

栃ヶ原神社の境内に集まった人たちは、思い思いの場所で神楽舞を楽しみます。

人の背丈の2倍程もある高さの獅子の口から、「祝狐の夜まつり」の垂れ幕が出されている写真
大きな杉の木の下に集まった人たちの前で、赤い毛氈の上では獅子舞が舞う神楽舞が披露されている写真

幸せを願って「がぶっ」

白い服を着た女性が腰をかがめて、赤い顔に白いたてがみの獅子頭に頭をとかまれている様子の写真

獅子に頭がみ(頭をかむふりをする)をしてもらうと「健康」「病気にならない」「幸せになる」などの言い伝えがあります。

たき火の炎に浮かび上がる白装束の「狐の踊り」

栃ヶ原に住む狐が、山から降りてきて遊び、また栃ケ原に帰っていくという設定です。

燃え上がる炎の周りで、狐に扮した白装束の人たちが踊ります。
炎の照らし具合で、闇の中に青や橙色の狐がぼんやりと浮かび上がり、狐の夜祭りならではの幻想的な場面です。

踊りも音楽も「夢追い人」のメンバーがつくり、演奏もしています。

たき火を囲んで7匹の狐が踊りを踊っている写真
腰をひねり、腕を前にして手首を下に曲げ、こぶしを軽く握って立つ白装束とお面で狐に扮した人が青白い光に照らし出されています。
たき火の奥で、白い衣装とお面で狐に扮し、四角いちょうちんを持った人が踊っている写真

全てが手作り「狐の夜祭り」

狐の夜祭りに使う狐の面は、元々、高柳町岡野町の彫刻家・牧野廣圓(まきのこうえん)さんに作ってもらったものです。後に「夢追い人」が面型を譲り受け、現在はメンバーが作っています。

衣装、ちょうちん、旗なども「夢追い人」メンバーの手作りです。

当日までの準備あれこれ

大油揚げの生地づくり

男性と女性が、畳一畳大の大きな型枠にやわらかい油揚げの生地のもと流し込んで、表面をならしている写真

狐の夜祭りの名物「大油揚げ」の生地も手作りです。

試行錯誤を繰り返し、現在のようにおいしい油揚げが安定して作れるようになりました。

大油揚げの他、会場で普通サイズの油揚げも揚げます。油揚げは、栃ケ原会場とこども自然王国会場でみそ田楽にして販売します。
田楽みそをぬって焼いた油揚げは、香ばしくて絶品ですよ。

狐の夜祭りの目印、赤いのぼり立て

数人の人が手分けをして、道のわきに赤いのぼりを立てている様子の写真

会場の場所を知らせる赤いのぼりを立てます。

ちょうちんの張り替え

男性と女性が二人で、ひとつひとつ丁寧に四角い枠のちょうちんの和紙を張り替えている写真

汚れたり破れたりしたちょうちんの紙を、一つ一つ丁寧に張り替えます。

各会場での出店

栃ケ原の会場で売っている栃ヶ原の母ちゃんのいなりずしや五目おこわ、キノコ汁は絶品!漆島の母ちゃんの握ったはさかけ米のおにぎりやたこ焼き、トン汁は、冷えた体を芯から温めてくれます。

祭りのスタッフとして、子どもたちも大活躍。
売店のほかにも、狐の行列やよさこい、黒姫山太鼓など、裏方としてがんばってくれます。

連なるテント屋台に「やきとり」「営業中」ののぼりが立ち、数人で開店準備をしている写真
テント屋台の中で女性二人がおにぎりやたこ焼を焼いている様子の写真

祭りをさらに盛り上げてくれる催し、あれこれ

黒姫山太鼓
杉の大木の下に敷かれた赤いカーペットの上で白いハチマキに紺色のはんてんを着た人たちが太鼓を叩いている写真

黒姫山太鼓が栃ヶ原神社の境内で「大地(だいち)」と「高柳八季(たかやなぎはっき)」を演奏します。太鼓をたたくメンバーの気迫を間近に感じることができます。

よさこい演舞

稲刈りが終わった田んぼが水鏡になって、よさこいの華やかな衣装と鎮守の森の緑、澄んだ青空が映り込みます。

稲刈りを終え、水を張った田んぼの水鏡によさこいを踊る人たちと青空が映り込んでいる写真
赤と白と金色の衣装を着た人たちが2列に並んで、よさこいを踊っている写真

赤と白と金色のめでたい色合いの衣装で踊る「西山舞らんかい(にしやまおどらんかい)」

赤いリボンに椿の文様の衣装とカンカン帽に縦しまの文様の衣装の人たちが3列に並んで踊っている写真

大正ロマンの雰囲気の衣装に身を包んだ「じょんのび輪舞(じょんのびろんど)」

シャボン玉がふうわり
狐の衣装と面を付けた大人と子どもが、シャボン玉を飛ばしている奥で青い衣装を着た中学生が大勢でよさこいを踊っている写真

「狐の夜祭り」になると、どこからか狐がシャボン玉を飛ばしに山からおりてきます。

大きなシャボン玉や長細いシャボン玉、小さくてたくさんのシャボン玉を器用に作ります。

狐の夜祭りがつないだ人と人

古川通泰(ふるかわ みちやす)さん

白いシャツに鉢巻、口ひげを蓄えた男性が大きなびょうぶに筆で絵をかいている写真

古川通泰さんは、富山県を拠点に活躍した画家です。長い間狐の夜祭りのポスターの原画を制作していただきました。

2009年に古川さんは他界されましたが、高柳に多くの作品と思い出を残していただきました。
じょんのび村の大広間にあるびょうぶも古川さんの作品です。岡野町の「狐の館」に古川さんの作品が展示されています。ぜひ足を運んでみてください。

小俣達郎(おまた たつろう)さん

つばのある帽子をかぶった男性が木の枝を横笛にして演奏している写真

狐のちょうちん行列の先頭を白い狐と一緒に横笛を吹きながら歩くのが、山梨県在住の笛奏者・小俣達郎さんです。狐のちょうちん行列になくてはならないのが、小俣さんの澄んだ笛の音です。狐の夜祭りで、小俣さんのコンサートが行われる年もあります。

ムーミン谷に住むスナフキンのような衣装で、小石や草、小枝などを笛にして演奏したり、2本の縦笛を同時に演奏したりする姿は、まるで魔法使いのようです。  

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市民生活部 地域事務所 高柳町事務所

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更新日:2024年02月09日