拉致被害者関係市連絡会から拉致問題の早期解決に向けた要望書等を提出しました(2022年11月8日)

櫻井柏崎市長、渡辺佐渡市長、松崎小浜市長が、松野官房長官兼拉致問題担当大臣に要望書を手交した写真

松野官房長官兼拉致問題担当大臣に要望書手交

櫻井柏崎市長、渡辺佐渡市長、松崎小浜市長が、ジョン・ナイリン政務担当公使氏にメッセージを手交した写真

ジョン・ナイリン政務担当公使にメッセージ手交

帰国拉致被害者の地元3市(新潟県柏崎市、新潟県佐渡市、福井県小浜市)で組織する「拉致被害者関係市連絡会」では、毎年、日本国政府に対し拉致問題の一刻も早い解決を求めて要望書を提出しています。

2022年7月20日に開催した第23回連絡会で、政府拉致問題対策本部への要望とバイデン米国大統領への支援要請に取り組むことを決定しました。

この度、11月8日に櫻井柏崎市長、渡辺佐渡市長、松崎小浜市長の3市長が、首相官邸で、松野官房長官兼拉致問題担当大臣に面会し、岸田首相、松野官房長官に宛てた要望書を提出しました。

また、同日、在日米国大使館で政務担当公使ジョン・ナイリン氏と面会し、拉致問題の早期解決に向けた支援と理解についてのバイデン大統領に宛てたメッセージを提出するとともに、拉致現場の視察を要望しました。

大切な家族が離れ離れになり40年以上の年月が経っています。今年は、日朝平壌宣言と5人の拉致被害者が帰国して20年の節目でもあります。

私たちは、一刻も早い拉致被害者全員の帰国を心から願い、この問題を風化させないよう努めてまいります。

要望書

政府拉致問題対策本部
本部長 内閣総理大臣 岸田 文雄 様

日頃、岸田内閣総理大臣には、拉致問題等の早期全面解決に向けた不断の取組、帰国拉致被害者への支援に多大なる御尽力を賜り、深い敬意と謝意を表すものであります。

拉致問題につきましては、日本政府の御努力により平成14年10月に5人の拉致被害者が帰国を果たすことができました。

現在、帰国拉致被害者および御家族は、健やかで、充実した生活を送られており、これもひとえに国民の皆様、政府の温かい御支援の賜物と存じ、心より感謝申し上げます。

一方、平成14年の日朝平壌宣言および5人の拉致被害者が帰国されてから今年で20年の節目を迎えることとなりますが、その間、北朝鮮に残された12人の拉致被害者の帰国は実現しておらず、誠に遺憾な状況が続いております。

拉致被害者関係市連絡会の3市(柏崎市・佐渡市・小浜市)で生活する帰国拉致被害者は、帰国後、長年に渡り、曽我ひとみさんのお母様であるミヨシさんを含め、未帰国の皆様の安否を日々祈り続けると共に、国内で未帰国者の帰還を年老いながら待ち侘びてきた親世代を始めとする御家族の皆様の苦悩・不安等に心を痛めつつ、自らの家族を守るため、毎日を懸命に暮らされてきました。

この間、3市の連絡会といたしましても、帰国拉致被害者の皆様に寄り添いながら、各種取組を続けてまいりました。昨年は、北朝鮮の金正恩委員長に対するメッセージの発信や、在日米国大使館を訪問し、バイデン大統領に宛てた拉致問題解決に向けた支援を要望するメッセージの手交などに取り組んでおります。

岸田総理大臣におかれましては、今年5月に日米首脳会議を開催され、バイデン大統領に対し、拉致問題の即時解決に向けた全面的な理解と協力を改めて求めていただき、大統領から一層の支持を得ていただきましたが、その後も大きな進展は見られず、依然として厳しい状況にあります。

3市の連絡会といたしましては、このように問題解決に向けた進展が見られない状況の中、5人の拉致被害者の帰国以降に生まれた世代が増えていくことより、国民意識において拉致問題が風化(無力感、諦め感など意識の希薄化や無関心等)していくことを大変危惧しております。

その意味で、日朝平壌宣言から20年を迎えた今年度は、改めて、国民にこの重大な人権侵害である拉致問題の早期解決を訴え、国民の総力を挙げて、北朝鮮政府を交渉の場に着かせるという機運を高めていく上で、重要な節目の一年になるものと考えております。

岸田内閣総理大臣をはじめ、政府拉致問題対策本部におかれましては、既にあらゆる方面から、この問題解決に向け、日々御尽力いただいているところではございますが、改めて、国民の総力を結集させ、早期解決に向けた取組を力強く展開いただきますようお願い申し上げます。

つきましては、政府におかれましては、下記の各事項について特段の御配慮を賜りますよう要望いたします。

1.日朝直接交渉による拉致問題の全面解決について

5人の拉致被害者は帰国を果たしましたが、他の拉致被害者の帰国は、いまだに実現しておりません。12人の未帰国の拉致被害者および拉致被害者御家族は、高齢化し、拉致問題の解決には一刻の猶予もない状況にあります。早期に日朝首脳会談等を実現し、全ての拉致被害者の即時帰国、拉致問題の全面的解決を図っていただきますようお願いいたします。

2.引き続き帰国被害者への配慮について

帰国された拉致被害者の生活は、比較的安定的なものになってきておりますが、将来の生活への不安は、20年以上の拉致期間を考えれば、完全に払拭されておりません。引き続き、きめ細やかな御支援をお願いいたします。

3.若年層に対する拉致問題教育の推進について

平成14年10月に5人の拉致被害者が帰国されてから今年10月で20年の節目を迎えることとなり、5人の帰国以降に生まれた拉致問題を知らない世代が多くなってきております。

拉致問題が長期化する中、拉致問題に対する国民の意識の希薄化が懸念されるところであり、特に若年層への啓発は重要な課題となっております。
政府においては、「北朝鮮当局による拉致問題に関する映像作品の活用促進」、「北朝鮮 による日本人拉致問題に関する教員研修会」の実施等、教育現場における拉致問題教育の推進に取り組んでいただいておりますことに感謝申し上げます。
世代を超え、国民が一丸となり拉致問題の解決に向け取り組んでいくため、若年層に対する更なる拉致問題教育の推進に努めていただくようお願いいたします。

4.特定失踪者等の真相究明について

現在、日本政府が認定している拉致事案は、12件、17人となっておりますが、これ以外にも特定失踪者問題調査会による「特定失踪者」が約470人、警察による「拉致された可能性が排除できない失踪者」が871人いるとされております。
特定失踪者御家族は、理由なき失踪に苦悩され、長期の安否不明を心痛されております。
こうしたことから、特定失踪者等についても調査を進め、早急に特定失踪者等の真相究明を図っていただくようお願いいたします。

5.政府・地方自治体の連携・協力による取組の展開について

日朝平壌宣言や5人の拉致被害者の帰国から20年が経過する中で、この問題を未解決のまま風化させてはならないという危機意識は、政府同様、全国の自治体の中でも非常に高まってきております。昨年8月には、新潟県において、県内全30市町村が参加した「北朝鮮による拉致問題に関する新潟県市町村長の会」が組織されました。また、3市連絡会においても、この問題に影響力を持つ米国等への要望活動に初めて取り組み、今年1月には、拉致問題への理解を深めていただくため、在日米国大使館の一等書記官による柏崎市の拉致現場を視察していただきました。

また、3市においては、帰国拉致被害者による講演会等を開催している他、今年度は3市間で連携し、蓮池薫氏、曽我ひとみ氏に講演いただくなど、拉致問題の早期解決に向けた気運醸成と拉致問題の風化防止に取り組んでおります。
北朝鮮当局は、この問題の解決に向けた日本国民の関心や世論が高まっていくことに敏感となっていることからも、20年の節目となる今年は、地方自治体でも様々な知恵を絞り、これまで着手してこなかった取組などあらゆる可能性を模索し、積極的に展開してまいります。
このため、日本政府からは、地方自治体の取組に対する支援を改めてお願いいたします。

具体的には、

  1. 地方で展開されている様々な問題解決に向けた取組が、国民に共感を与え、共有されていくよう、報道等を通じ、全国に発信されていくための連携・支援策を講じていただくこと
  2. 国民の関心を高めていくために、国・地方自治体の垣根を越えて、家族会や救う会の皆様も含めたオールジャパン体制で展開する新たな取組を提起願いたいこと

以上、御検討いただきますようお願いいたします。

令和4年11月8日

新潟県柏崎市長 櫻井雅浩

新潟県佐渡市長 渡辺竜五

福井県小浜市長 松崎晃治

要望書

内閣官房長官兼拉致問題担当大臣

松野 博一 様

日頃、松野内閣官房長官兼拉致問題担当大臣には、拉致問題等の早期全面解決に向けた不断の取組、帰国拉致被害者への支援に多大なる御尽力を賜り、深い敬意と謝意を表すものであります。

拉致問題につきましては、日本政府の御努力により平成14年10月に5人の拉致被害者が帰国を果たすことができました。

現在、帰国拉致被害者および御家族は、健やかで、充実した生活を送られており、これもひとえに国民の皆様、政府の温かい御支援の賜物と存じ、心より感謝申し上げます。

一方、平成14年の日朝平壌宣言および5人の拉致被害者が帰国されてから今年で20年の節目を迎えることとなりますが、その間、北朝鮮に残された12人の拉致被害者の帰国は実現しておらず、誠に遺憾な状況が続いております。

拉致被害者関係市連絡会の3市(柏崎市・佐渡市・小浜市)で生活する帰国拉致被害者は、帰国後、長年に渡り、曽我ひとみさんのお母様であるミヨシさんを含め、未帰国の皆様の安否を日々祈り続けると共に、国内で未帰国者の帰還を年老いながら待ち侘びてきた親世代を始めとする御家族の皆様の苦悩・不安等に心を痛めつつ、自らの家族を守るため、毎日を懸命に暮らされてきました。

この間、3市の連絡会といたしましても、帰国拉致被害者の皆様に寄り添いながら、各種取組を続けてまいりました。昨年は、北朝鮮の金正恩委員長に対するメッセージの発信や、在日米国大使館を訪問し、バイデン大統領に宛てた拉致問題解決に向けた支援を要望するメッセージの手交などに取り組んでおります。

岸田総理大臣におかれましては、今年5月に日米首脳会議を開催され、バイデン大統領に対し、拉致問題の即時解決に向けた全面的な理解と協力を改めて求めていただき、大統領から一層の支持を得ていただきましたが、その後も大きな進展は見られず、依然として厳しい状況にあります。

3市の連絡会といたしましては、このように問題解決に向けた進展が見られない状況の中、5人の拉致被害者の帰国以降に生まれた世代が増えていくことより、国民意識において拉致問題が風化(無力感、諦め感など意識の希薄化や無関心等)していくことを大変危惧しております。

その意味で、日朝平壌宣言から20年を迎えた今年度は、改めて、国民にこの重大な人権侵害である拉致問題の早期解決を訴え、国民の総力を挙げて、北朝鮮政府を交渉の場に着かせるという機運を高めていく上で、重要な節目の一年になるものと考えております。

岸田内閣総理大臣をはじめ、政府拉致問題対策本部におかれましては、既にあらゆる方面から、この問題解決に向け、日々御尽力いただいているところではございますが、改めて、国民の総力を結集させ、早期解決に向けた取組を力強く展開いただきますようお願い申し上げます。

つきましては、政府におかれましては、下記の各事項について特段の御配慮を賜りますよう要望いたします。

1.日朝直接交渉による拉致問題の全面解決について

5人の拉致被害者は帰国を果たしましたが、他の拉致被害者の帰国は、いまだに実現しておりません。12人の未帰国の拉致被害者および拉致被害者御家族は、高齢化し、拉致問題の解決には一刻の猶予もない状況にあります。早期に日朝首脳会談等を実現し、全ての拉致被害者の即時帰国、拉致問題の全面的解決を図っていただきますようお願いいたします。

2.引き続き帰国被害者への配慮について

帰国された拉致被害者の生活は、比較的安定的なものになってきておりますが、将来の生活への不安は、20年以上の拉致期間を考えれば、完全に払拭されておりません。引き続き、きめ細やかな御支援をお願いいたします。

3.若年層に対する拉致問題教育の推進について

平成14年10月に5人の拉致被害者が帰国されてから今年10月で20年の節目を迎えることとなり、5人の帰国以降に生まれた拉致問題を知らない世代が多くなってきております。

拉致問題が長期化する中、拉致問題に対する国民の意識の希薄化が懸念されるところであり、特に若年層への啓発は重要な課題となっております。
政府においては、「北朝鮮当局による拉致問題に関する映像作品の活用促進」、「北朝鮮 による日本人拉致問題に関する教員研修会」の実施等、教育現場における拉致問題教育の推進に取り組んでいただいておりますことに感謝申し上げます。
世代を超え、国民が一丸となり拉致問題の解決に向け取り組んでいくため、若年層に対する更なる拉致問題教育の推進に努めていただくようお願いいたします。

4.特定失踪者等の真相究明について

現在、日本政府が認定している拉致事案は、12件、17人となっておりますが、これ以外にも特定失踪者問題調査会による「特定失踪者」が約470人、警察による「拉致された可能性が排除できない失踪者」が871人いるとされております。
特定失踪者御家族は、理由なき失踪に苦悩され、長期の安否不明を心痛されております。
こうしたことから、特定失踪者等についても調査を進め、早急に特定失踪者等の真相究明を図っていただくようお願いいたします。

5.政府・地方自治体の連携・協力による取組の展開について

日朝平壌宣言や5人の拉致被害者の帰国から20年が経過する中で、この問題を未解決のまま風化させてはならないという危機意識は、政府同様、全国の自治体の中でも非常に高まってきております。昨年8月には、新潟県において、県内全30市町村が参加した「北朝鮮による拉致問題に関する新潟県市町村長の会」が組織されました。また、3市連絡会においても、この問題に影響力を持つ米国等への要望活動に初めて取り組み、今年1月には、拉致問題への理解を深めていただくため、在日米国大使館の一等書記官による柏崎市の拉致現場を視察していただきました。

また、3市においては、帰国拉致被害者による講演会等を開催している他、今年度は3市間で連携し、蓮池薫氏、曽我ひとみ氏に講演いただくなど、拉致問題の早期解決に向けた気運醸成と拉致問題の風化防止に取り組んでおります。
北朝鮮当局は、この問題の解決に向けた日本国民の関心や世論が高まっていくことに敏感となっていることからも、20年の節目となる今年は、地方自治体でも様々な知恵を絞り、これまで着手してこなかった取組などあらゆる可能性を模索し、積極的に展開してまいります。
このため、日本政府からは、地方自治体の取組に対する支援を改めてお願いいたします。

具体的には、

  1. 地方で展開されている様々な問題解決に向けた取組が、国民に共感を与え、共有されていくよう、報道等を通じ、全国に発信されていくための連携・支援策を講じていただくこと
  2. 国民の関心を高めていくために、国・地方自治体の垣根を越えて、家族会や救う会の皆様も含めたオールジャパン体制で展開する新たな取組を提起願いたいこと

以上、御検討いただきますようお願いいたします。

令和4年11月8日

新潟県柏崎市長 櫻井雅浩

新潟県佐渡市長 渡辺竜五

福井県小浜市長 松崎晃治

バイデン大統領に宛てたメッセージ

日朝間の拉致問題全面解決に向けたお力添えをお願いします

日本国政府は、2002年の日朝平壌宣言において、国交正常化を実現するためには、日朝間の不幸な過去を清算し、拉致問題を解決すること、政治、経済、文化的関係を樹立することが必要である、として努力を重ねてきました。

しかし、誠に遺憾なことに、2020年、拉致被害者である横田めぐみさんのお父様はめぐみさんとの再会が叶わぬまま逝去されました。

続く2021年には、拉致被害者である田口八重子さんのお兄様が、八重子さんとの再会が叶わぬまま逝去されました。

めぐみさんが13歳で拉致されてから、また、八重子さんが22歳で拉致されてから、すでに44年という年月が経過しており、もはや一刻の猶予もない状況にとなっております。

このような中、去る2021年4月に、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会と北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会では、「全拉致被害者の即時一括帰国を決断して頂きたい」という北朝鮮指導者への2回目のメッセージを発出しました。その中で、「親の世代の被害者家族(横田めぐみさんのお母様、有本恵子さんのお父様)が被害者と抱き合うことなしに、日朝間の国交正常化に賛成することはできないこと。それが実現しなければ大多数の日本国民は北朝鮮との関係改善に反対すること。」に言及し、期限を設けた不退転の決意で、一日も早い拉致問題解決を強く訴えております。

私たち、拉致被害者関係市連絡会(新潟県柏崎市・佐渡市、福井県小浜市)といたしましても、このメッセージに込められた切実な思いを重く受け止め、これを全面的に支持し、親の世代の被害者家族が御存命の間に拉致問題を必ず全面解決してほしいこと及びその実現なくして、両国間の関係改善は有り得ないというメッセージを、日本国政府のみならず朝鮮民主主義人民共和国に対して、強く訴えております。

また、2021年8月には、拉致問題の解決に向けて支援をいただけるよう、在日本アメリカ合衆国大使館を通じて、アメリカ合衆国バイデン大統領に、メッセージをお送りさせていただき、2022年1月には、政治部ブヨン・リー一等書記官が、柏崎市の拉致現場を御視察くださいました。

2022年5月に開催されました日米首脳会談におきましては、岸田内閣総理大臣が拉致問題の即時解決に向けた全面的な御理解と御協力を改めて求めたことに対し、バイデン大統領から力強い御支持をいただきましたが、以降も大きな進展は見られず、依然として厳しい状況にあります。

バイデン大統領におかれましては、私たちの気持ちを何卒御理解いただき、日朝間の融和のため、また、北東アジアの平和と安定のためにも拉致問題の完全解決に向け、引き続き朝鮮民主主義人民共和国への働きかけに御尽力賜りますようお願い申し上げます。

令和4年11月8日

新潟県柏崎市長 櫻井雅浩

新潟県佐渡市長 渡辺竜五

福井県小浜市長 松崎晃治

この記事に関するお問い合わせ先

総合企画部 人権啓発・男女共同参画室

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更新日:2022年11月09日