拉致被害者関係市連絡会が拉致問題の早期解決に向けた要望書等を提出しました(2025年2月7日)

2025年2月7日に櫻井柏崎市長、渡辺佐渡市長、杉本小浜市長の3市長が、内閣総理大臣官邸で林内閣官房長官兼拉致問題担当大臣と面会し、石破内閣総理大臣、林内閣官房長官兼拉致問題担当大臣宛ての要望書を提出しました。あわせて、櫻井柏崎市長は、昨年12月に開催した「拉致問題を考えるオンライン子ども会議」に参加した柏崎市立北鯖石小学校6年生が作成した石破内閣総理大臣宛ての手紙等を届けました。

また、これに先立ち、駐日米国大使館でバイロン政務担当公使代理に面会し、トランプ大統領宛てのメッセージを渡した後、国会議員による拉致問題関連諸団体と面会し、要望書を提出しました。

私たちは、一刻も早い拉致被害者全員の帰国を心から願い、この問題を風化させないよう取り組んでまいります。

写真:林内閣官房長官兼拉致問題担当大臣(右)に要望書を手交する拉致関係関係市連絡会の3市長。櫻井市長と林官房長官がともに要望書をを持っています

林内閣官房長官兼拉致問題担当大臣に要望書を手交

写真:林内閣官房長官兼拉致問題担当大臣に北鯖石小学校6年生が作成した石破内閣総理大臣宛て手紙等を手交する櫻井市長。林官房長官は小学生が作成した手紙に視線を向けています

林内閣官房長官兼拉致問題担当大臣に柏崎市立北鯖石小学校6年生が作成した石破内閣総理大臣宛て手紙等手交

要望書

総理大臣宛て要望書

政府拉致問題対策本部
本部長 内閣総理大臣 石破 茂 様

 

日頃、石破内閣総理大臣におかれましては、拉致問題等の早期全面解決に向けた不断の取組、帰国拉致被害者への支援に多大なる御尽力を賜り、深く敬意を表すものであります。

しかしながら、拉致問題につきましては、平成14(2002)年の日朝平壌宣言及び5人の拉致被害者が帰国されてから22年が経過し、その間、北朝鮮に残された12人の拉致被害者の帰国は実現しておらず、誠に遺憾であります。

拉致被害者関係市連絡会の3市(柏崎市・佐渡市・小浜市)で生活する帰国拉致被害者は、帰国後、長年に渡り未帰国の皆様の無事を日々祈り続けてこられました。特に曽我ひとみさんのお母様であるミヨシさんは御高齢になられ、一刻の猶予も許されない状況となっております。

近年においては、帰国された拉致被害者自らが講師となり、完全解決を願いつつ「拉致問題の風化防止」に向けた講演活動を精力的に実施されております。小中学生等の若年層に対し、自身の経験をもってこの赦されざる人権問題への憤りを伝える姿には、「次の世代につなげていくことが我々の役目である」との確固たる意志を強く感じるところであります。

このような中、3市の連絡会といたしましては帰国拉致被害者の皆様に寄り添いながら各種取組を展開してきたところです。同時に5人の拉致被害者の帰国以降に生まれた世代が増え、拉致問題に対する意識、関心の希薄化を大変危惧しております。若い世代への啓発の取組として、昨年12月に、3市の小学校3校が参加した「拉致問題を考えるオンライン子ども会議」を開催しました。参加した児童は、拉致問題を自分事として捉え、拉致被害者の一刻も早い帰国に向けた啓発活動の重要性について、改めて認識するとともに、風化防止に向けた活動に取り組むことを決意しました。

石破総理大臣におかれましては、昨年11月に開催された「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」において、「事態打開に向けた日朝首脳会談を早期に実現するため、先頭に立ち問題解決に取り組む」との発言をいただきました。また、所信表明では「拉致問題はひとときもゆるがせにできない人道問題であり、政権の最重要課題として断固たる決意の下で取り組む」という強いお気持ちを表明されました。

つきましては、政府におかれましては、下記の各事項について特段の御配慮を賜りますよう要望いたします。

1 日朝直接交渉による拉致問題の全面解決について

5人の拉致被害者は帰国を果たしましたが、他の拉致被害者の帰国は、いまだに実現しておりません。12人の未帰国の拉致被害者及び拉致被害者御家族は、高齢化し、拉致問題の解決には一刻の猶予もない状況にあります。早期に日朝首脳会談等を実現し、全ての拉致被害者の即時帰国、拉致問題の全面的解決を図っていただきますようお願いいたします。

2 引き続き帰国被害者への配慮について

帰国された拉致被害者の生活は、比較的安定的なものになってきておりますが、将来の生活への不安は、20年以上の拉致期間を考えれば、完全に払拭されておりません。引き続き、きめ細やかな御支援をお願いいたします。

3 若年層に対する拉致問題教育の推進について

政府においては、教職員研修等に加え、今年度「拉致問題に関する中学生サミット」に取り組まれ、若年層に対する啓発強化をされました。

世代を超え、国民が一丸となり拉致問題の解決に向け取り組んでいくため、若年層に対する更なる拉致問題教育の全国展開を一層推進していただくようお願いいたします。

4 特定失踪者等の真相究明について

現在、日本政府が認定している拉致事案は、12件、17人となっておりますが、これ以外にも特定失踪者問題調査会による「特定失踪者」が約470人、警察による「拉致された可能性が排除できない失踪者」が871人いるとされております。

特定失踪者御家族は、理由なき失踪に苦悩され、長期の安否不明を深く憂慮されております。

こうしたことから、特定失踪者等についても調査を進め、早急に特定失踪者等の真相究明を図っていただくようお願いいたします。

5 積極的な情報発信と世論喚起について

北朝鮮当局は、この問題の解決に向けた日本国民の関心や世論が高まっていくことに敏感となっていると推察しております。3市連絡会では、拉致問題の解決に影響力を持つ米国にも支援を要請し、駐日米国大使館員による拉致現場の御視察をいただくなど、世論が喚起される取組を実施しています。

また、新たな試みとして衆参両議院の「北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会」及び「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」に対しても世論喚起等に向けた支援要請を開始したところであります。


拉致問題解決への大きな原動力は世論です。政府におかれましては、全国各地で行われている取組を積極的に広報するなど、その世論喚起に向けた取組をより一層強化いただきますようお願いいたします。

 

令和7(2025)年2月7日

新潟県柏崎市長 櫻井雅浩

新潟県佐渡市長 渡辺竜五

福井県小浜市長 杉本和範

拉致問題担当大臣・議員諸団体への要望書

アメリカ合衆国 ドナルド・トランプ大統領へのメッセージ

日朝間の拉致問題全面解決に向けたお力添えをお願いします

日本国政府は、2002年の日朝平壌宣言において、国交正常化を実現するためには、日朝間の不幸な過去を清算し、拉致問題を解決すること、政治、経済、文化的関係を樹立することが必要である、として努力を重ねてきました。

しかし、誠に遺憾なことに、2020年、拉致被害者である横田めぐみさんのお父様はめぐみさんとの再会が叶わぬまま逝去されました。

続く2021年には、拉致被害者である田口八重子さんのお兄様が、八重子さんとの再会が叶わぬまま逝去されました。また、曽我ひとみさんのお母様であるミヨシさんに関しては、拉致されてからすでに46年の年月が経過しており、現在93歳となられることから一刻の猶予も許されない状況となっております。

このような中、去る2023年2月に、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会と北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会では、「全拉致被害者の即時一括帰国を決断していただきたい」という北朝鮮指導者への3回目のメッセージを発出しました。その中で、「親の世代の被害者家族(横田めぐみさんのお母様、有本恵子さんのお父様)が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現するなら、我が国が北朝鮮に人道支援を行うことに反対しない」とのメッセージを新たに付け加え、期限を設けた不退転の決意で、一日も早い拉致問題解決を強く訴えております。

私たち、拉致被害者関係市連絡会(新潟県柏崎市・佐渡市、福井県小浜市)といたしましても、このメッセージに込められた切実な思いを重く受け止め、これを全面的に支持し、親の世代の被害者家族が御存命の間に拉致問題を必ず全面解決してほしいこと及びその実現なくして、両国間の関係改善は有り得ないというメッセージを、日本国政府のみならず朝鮮民主主義人民共和国に対して、強く訴えております。

また、2021年8月には、拉致問題の解決に向けて支援をいただけるよう、駐日アメリカ合衆国大使館を通じて、アメリカ合衆国バイデン大統領に、メッセージをお送りさせていただき、ジョン・ナイリン公使が2023年3月には佐渡市、2023年10月には小浜市の拉致現場を御視察くださいました。

2023年1月に開催されました日米首脳会談におきましては、岸田内閣総理大臣が拉致問題の即時解決に向けた全面的な御理解と御協力を改めて求めたことに対し、バイデン大統領から改めて全面的な御支持をいただきましたが、以降も大きな進展は見られず、依然として厳しい状況にあります。

トランプ大統領におかれましては、私たちの気持ちを何卒御理解いただき、日朝間の融和のため、また、北東アジアの平和と安定のためにも拉致問題の完全解決に向け、引き続き朝鮮民主主義人民共和国への働きかけに御尽力賜りますようお願い申し上げます。

 

2025年2月7日

新潟県柏崎市長 櫻井雅浩

新潟県佐渡市長 渡辺竜五

福井県小浜市長 杉本和範

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更新日:2025年02月10日