市長臨時記者会見(令和6(2024)年2月14日)

市長臨時記者会見(令和6(2024)年2月14日)のお知らせ

写真:市長が、スクリーンに映し出された資料の説明をしています。
写真:市長が、スクリーンに映し出された図を指示棒で指しています。

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発表事項

令和6(2024)年度当初予算案

(主管:財政管理課 電話番号:0257-21-2364)

資料の「令和6(2024)年度年度当初予算案の概要」に基づいて説明します。

令和6(2024)年度当初予算案の概要

まず、令和6(2024)年度当初予算案の概要です。令和6(2024)年度は、第五次総合計画後期基本計画の3年目に当たります。柏崎市を取り巻く環境は非常に厳しいものがあり、一番大きなものは人口減少です。詳しく言うと少子化と高齢化による人口減少です。経済面では働き手、人材の確保が困難になっていますし、柏崎を離れる若い女性が多くなってきていて、出生数も少なくなっている現状です。各産業界の働き手、労働力不足、人材不足も非常に顕著なものがあります。全国的に少子高齢化が進み人材確保が難しくなっている中で、国もグリーントランスフォーメーション(GX)やデジタルトランスフォーメーション(DX)など、それぞれの領域でデジタル化を進めていて、労働生産性の低下を補っていると理解しています。
国の「経済財政運営と改革の基本方針2023」、いわゆる「骨太の方針」と、柏崎市の重点戦略「子どもを取り巻く環境の充実」「大変革期を乗り越える産業イノベーションの推進」の2つを柱とします。「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」と「柏崎市地域エネルギービジョン」を縦糸、横糸にしながら、さらに健全財政を求めて予算編成をしたところです。一言で申し上げると、積極的な部分と堅実な部分、めりはりの利いた予算になったものと理解しています。
予算規模は、一般会計が478億円です。前年度比で6億円、1.3パーセント増です。ここには借換債が含まれていますので、借換債を除いた実質的な予算額は474億4,845万円です。前年度比で5億3,541万円、1.1パーセント増です。財政調整交付金の取り崩しは、前年度比で5億円増、30.5パーセント増です。市債の発行は40億円です。政策は後で個別に説明します。

歳入

市税は前年度比で約3千万円減、0.2パーセント減の、約148億2千万円でした。市民税は前年度の実績見込みを基に、個人市民税は1.2パーセント増、法人市民税は0.1パーセント増と見込み、市民税現年度分全体では前年度比4千万円増、1.0パーセント増と見込んだところです。固定資産税は土地価格の下落傾向と、家屋の評価替えに伴う減価なども見込んで、前年度比1億円減、1.2パーセント減としています。軽自動車税は2千万円増、6.8パーセント増、市町村たばこ税は93万円減、0.2パーセント減です。使用済核燃料税は、前年度当初と同額を見込み、7億円余りだろうと承知しています。
原発関連交付金は、前年度比1億円増、3.1パーセント増で、33億3千万円です。国から直接いただく部分の電源立地地域対策交付金は、令和2(2020)年度からみなし設備利用率を最下限の68パーセントで算定しています。このみなし設備利用率について、私は就任当初からこれはおかしいのではないかと国に再三申し上げてきましたが、是正されていません。しかし柏崎市域にある1号機から4号機の中で、4号機が運転開始から30年経過するため定額加算されます。そのため、前年度比1億円、5.2パーセント増となりました。県からいただく間接分は、前年度同額の3億9千万円を計上しました。

繰入金・市債・基金

繰入金は、財政調整基金の繰入金が21億4千万円です。なぜこの金額になったかは、後で説明します。
市債は、解体費などを計上しています。荒浜小学校や東中学校の改築事業など小・中学校施設整備などに市債を充てます。借換債3億5千万を除いた実質的な市債額は36億5千万円で、前年度当初比で5千万円増、1.5パーセント増です。
令和6(2024)年度末の基金残高見込みは143億1千万円です。財政調整基金は、21億4千万円を取り崩し、令和6(2024)年度末には41億1,732万円ほどを見込むところです。柏崎市独自の基金で、環境・エネルギー産業拠点化推進基金があります。令和6(2024)年度に少し積み立てしますが、取り崩しは見込まず、19億3,898万円ほどを残高として見込むところです。基金の全てではありませんが、令和6(2024)年度も含めて、環境・エネルギー産業の構築のために有効活用したいと考えています。

歳出

歳出は、重点施策とともに説明します。
一般会計当初予算の主な重点事業について、デジタル予算書を使って説明します。第五次総合計画後期基本計画で、重点戦略を子どもと産業イノベーションの2つに絞りました。
まずは特に力を入れている「子どもを取り巻く環境の充実」について説明します。
主な事業として、1、2歳児の保育料を令和5(2023)年10月から無料化しています。国では無償化という言葉を使っていますが、意味は基本的に同じです。この事業は当然継続します。ご承知のように保育料は、所得に応じて違います。平均で1人当たり月額2万2千円ほど、年額で26万4千円ほどを無料化します。公立、市立、私立を合計して、1、2歳児は612人を見込んでいます。保育料無料化の関連事業で、保育園運営事業費が6億8,690万円です。
次は、令和6(2024)年度新規事業の、家庭養育応援券事業です。予算額は1,357万7千円です。「かしわ★ざ★キッズ!スターチケットホーム」を新設し、保育園などを利用せず家庭で見ている方々や、おじいちゃん、おばあちゃんなどに預けている方々に対して経済的支援をします。1カ月当たり5千円分の紙チケットまたは電子チケットを発行します。
次に、子どもの屋内遊び場施設整備事業です。予算額は1億1,530万円です。7年ほど前、柏崎市内で子育て中の方々にアンケートを取りました。何が不足しているかという項目で、経済的な支援が足りないというお声や、屋内の子どもの遊び場が足りないというお声がありました。ご承知のように、柏崎ショッピングモールフォンジェ内のキッズマジックは有料施設です。今回、子どもの屋内遊び場施設整備事業で、キッズマジックを市営化し、無料化します。キッズマジックの名称はそのまま使いますが、柏崎産の木材を使って、木の温もりを子どもたちやお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんにも感じてもらえるような木製遊具を設える予定です。面積は、現在の約2倍を予定しています。
次に、建設後50年を経過している荒浜小学校の校舎棟を改築します。荒浜小学校は柏崎刈羽原子力発電所のPAZ(即時避難区域)圏内です。しかし老朽化が著しく、いざというときの避難も含め、子どもたちの教育環境としてあまり好ましいものではありませんでした。地元の方々からのご要望もあり、改築を前倒しして、令和6(2024)年度に完成を見込むところです。風が非常に強い地域ですので、風を避けるよう玄関を設計しています。この改築事業に15億5,200万円余りを予定しています。
その他、児童クラブの整備として、エアコンの入れ替えなども考えています。
小学校施設整備は、要望の多かった洋式トイレの改築を順次進め、特別教室に空調を設置するための設計を行います。
中学校の施設長寿命化事業は、鏡が沖中学校の大規模改修、第三中学校の大規模改修に向け実施設計を行います。
中学校施設整備事業は、トイレ洋式化改修工事を行う他、特別教室に空調を設置するための設計を行います。
次に、情報機器管理費です。今まで柏崎市は、小学校の1、2年生にタブレット端末を配備していませんでした。これは、1、2年生はまずしっかりと国語、算数を勉強してもらいたいという考えから配備していなかったものです。しかし、教科書などの改定で、1、2年生の教科書にも二次元コードが添付されるようになり、二次元コードを読み込んで教材を出して学ぶというデジタル教科書になってきました。このたび、1、2年生にもタブレット端末を配備しようというところです。
指導補助員などの配置や、部活動の外部人材活用事業は、柏崎はかなり先に進んで人材活用し、指導補助員を配置しています。
他にも、子どもの医療費助成事業や、病児保育事業として新潟病院、柏崎総合医療センターで病気のお子さんを預かるという保育を継続しています。どうしても病気のお子さんを預けて働かなければいけないという親御さんたちに対応する制度です。
スクール・サポート・スタッフ配置事業と、学力向上推進プロジェクト事業も3年目です。残念ながら柏崎市の学力は、小・中学校共に県、全国平均から劣っている部分もあります。付加価値の多いものを生み出し、労働生産性を上げていくためには、小・中学校の基礎学力は非常に重要だと考えています。県平均、国平均を上回るまで伸ばしてもらいたいと力を入れている事業です。
重点戦略2の「大変革期を乗り越える産業イノベーションの推進」についてです。
今年度の目玉事業は「自動車・環境エネルギー産業等新分野展開支援補助金」で、予算は2千万円です。いくつかの市内企業も、受注先の親会社や受注先の会社から再生可能エネルギーを使うよう求められ始めました。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)をはじめ日本の代表的な企業も、RE100(企業が自らの事業の使用電力を100パーセント再生可能エネルギーで賄うこと)などに掲げられるように、再生可能エネルギーを使うことを前提としている企業が多くなりました。国は「カーボンニュートラル2050」を目標にしていますが、市はそれを15年前倒しして、2035年までにカーボンニュートラルを達成させようという野心的な目標を掲げています。再生可能エネルギーを購入すると、通常の電気料金よりも高くなりますが、再生可能エネルギーを使っても通常の電気料金よりも安くなる支援制度を作りました。令和6(2024)年、令和7(2025)年の2年を予定しています。リーディングカンパニーを中心にこの取り組みを呼び水にして、柏崎を再生可能エネルギーでものづくりしている脱炭素製造業のまちとしたいと考えています。補助の上限は300万円です。市内の典型的な製造業でシミュレーションすると、基本料金と電気量料金を合わせて1年間で約1,200万円になります。年間電気料金が1,200万円になる会社が再生可能エネルギーを使うと、料金が36万円分増えます。市の補助制度を使うと、計算式は複雑なので申し上げませんが、54万円を補助金としてお渡しできます。1,236万円のところを1,182万円にできるので、再生可能エネルギーを使わない通常の電気料金よりもさらに安くなるという制度です。
2つ目の事業です。地域エネルギー会社である柏崎あい・あーるエナジー株式会社と連携し、市が使っていない未利用地に再生可能エネルギー蓄電池を導入します。北条南小学校跡地に大型蓄電池8,000キロワットアワーと太陽光発電500キロワットを整備します。蓄電池は、安政町などで準備している住友電工のレドックスフロー電池を、国の補助金を使って導入します。今30数カ所ある公共施設に10数カ所を加え、約50カ所の公共施設に対して太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーを供給します。それを安定化させるために大型蓄電池を用意します。令和6(2024)年度は約50の公共施設に加え、あい・あーるエナジー株式会社に出資していただいた民間企業の一部にも、再生可能エネルギーの提供を始める予定です。
次に、令和4(2022)年度から行っている自動車・環境エネルギー産業新分野展開支援補助金です。予算総額は7,500万円で、自動車・環境エネルギー産業関係は補助上限が1,500万円、それ以外は補助上限1,000万円です。年間5件程度をめどに、自動車産業をEVへシフトするなど、抜本的な構造転換を図っている企業や、環境エネルギー産業に新たに取り組む企業に対して、思い切った補助金を出しているところです。これを令和6(2024)年度も継続します。
柏崎は田塚、臨海、田尻などに工業団地があり、フロンティアパークも開発したところですが、現在フロンティアパークを含む全ての産業用地の使途が決められています。空きがない状況ですので、国道8号線柏崎バイパスの鯨波の結節部分に新しい産業団地を造成したいという計画です。柏崎市への企業立地の最大のメリットは、最大で24年間、電気料金の大幅な補助があることです。原子力発電所があるため、F補助金(原子力発電施設等周辺地域企業立地支援事業)で約58パーセントの補助が見込まれます。また、用地取得設備補助もあります。
次は人材育成・確保に関する事業です。業界を問わず、どの分野でも人手不足、人材不足が厳しいところです。高齢者や障がいのある方の介護に関しては、高校生に出前授業をして介護の仕事の大切さややりがい、生きがいなどの魅力を、実際に介護の現場を体験してもらいながら伝えるという取り組みです。
次に、農業関係です。昨年夏の高温、渇水を受け、離農したいという方が多くなりました。そこで、農業に関する収入保険や農業共済に支援し、離農を防いで人材確保を目指します。新しく収入保険に入る方には、上限15万円で4分の3を補助します。継続して入る方は、上限5万円で3分の1を補助します。農業共済は、10分の1程度を補助します。
商工会議所はじめ民間事業者から切実な人手不足、人材不足の声が届いています。高校、大学、企業とそれぞれ連携しながら、柏崎の人手不足を少しでも解消しようと懇談会をしています。業種、分野を問わず、人材確保に力を入れたいと考えています。
次に、医師確保対策事業です。ご承知のように、4月から医療関係も働き方改革があり、医師人材の確保が厳しくなっています。臨床医が不足していましたが、県の協力で、3年ほど前から柏崎総合医療センターで臨床研修医を4人、5人と確保できるようになりました。この流れを継続するため、医師確保対策事業として予算を計上しています。また、医師になりたいという小・中学生を対象に、医師からの講話を実施したいと考えています。
次に、新規就農者育成支援事業です。今、サラリーマンの世界からスーツを脱いで農業に従事したいという若い方々が、男女問わず市内で目立つようになりました。その流れをさらに大きくするため、上限3万円、U・Iターンの方々はさらに加算して上限4万5千円の助成金を用意して、男女問わず若い方々の新規就農者を育成したいという事業です。
次に、若年がん患者在宅療養支援事業です。介護保険制度対象外の40歳未満のがん患者を支援します。大きな支援額ではありませんが、若いがん患者が自宅などで療養する場合に在宅サービス利用料の一部を助成する事業です。訪問介護福祉用具貸与なども助成します。
次に、新規事業の資源物リサイクルセンター整備事業です。予算額は2,050万円です。現在、松波と西本町の2つのリサイクルセンターを、西部、南部を中心とした大変多くの方々にご利用いただいていますが、松波リサイクルセンターを閉鎖します。その代替という意味と、東部、南部の方々にとって道路アクセスの良い資源物リサイクルセンターを造るということで、新たに佐藤池野球場の第4駐車場に整備します。令和6(2024)年度は設計と地質調査を行います。
次に、コミュニティセンター整備事業です。松波地域は、柏崎市の300余りの町内会の中で一番大きく、約3,000人の人口です。当然ながらPAZ圏内です。PAZ圏内は即時避難で、車で逃げることになっていますが、どうしても車の運転ができない方、免許を持っていない方はバス避難になります。松波コミュニティセンターはバス待機所として指定されていますが、地域の方々の要望を踏まえて、運動広場の部分を駐車場として整備します。災害時のバスの駐車場と日常使うための駐車場を兼ねて整備したいです。また、複数の町内会が入っている比角小学校のコミュニティセンターも約1万人が住んでいる地域です。駐車場スペースが非常に狭い状況でしたので、新たに駐車場、そして災害時の避難場所として広場を整備します。同じく、中通コミュニティセンターには太陽光発電装置を整備するところです。
次に、医療施設等整備補助事業です。市内の病院開設者に対して医療設備、医療機器の整備費用を一部補助し、柏崎の医療の充実を図ります。
次に、道の駅風の丘米山整備事業です。道の駅風の丘米山の再整備を行うべく基本設計を進めていましたが、おととしに民間事業者と提携、協定を結び、商業施設の部分は民間事業者の力を使うということで基本設計を進めてきたところです。来年度実施設計を進めるに当たって、もう一度提携、協定を結んでいる事業者の方々や地元商工会議所など市内事業者の方々と意見交換しながら、実施設計の着手に向けて事業を進めたいと考えています。
次に、綾子舞保存振興事業です。おととしユネスコ無形文化遺産に登録されたことを受け、世界の綾子舞になりました。500年の歴史を誇る綾子舞の里は柏崎、鵜川(うかわ)、女谷(おなだに)だとPRする案内看板を、市内幹線道路沿いに設置したいと考えています。
次に、路線バス等確保事業です。AI新交通「あいくる」の運行は始まったばかりですが、対象外地域の方々から要望があり、運行区域拡大を検討中です。「あいくる」運行の目的は2つありました。1つは免許を返納して医療機関や買い物に行けないという高齢者の交通需要を勘案したこと、もう1つはタクシー会社とバス運行会社の協力を得て、それぞれが持つ人材を有効活用して乗り合いタクシー制度を整備するということです。令和6(2024)年度も好調な運行状況を維持しながら、できれば令和7(2025)年度以降に運行区域の拡大や時間の延長など検討したいと思っています。
柏崎市、県、日本を取り巻く状況は非常に厳しいです。市民の皆さま、そして市民の代表である議会の方々からの要望をできる限り取り入れて組み立てた予算です。皆さまからもご理解賜りたいと思っています。

関連資料

令和6(2024)年度一般会計当初予算案における主な事業

令和6(2024)年度一般会計当初予算案における主な事業(PDFファイル:460.8KB)

  • 2款 総務費:1~4ページ
  • 3款 民生費:4~8ページ
  • 4款 衛生費:8~11ページ
  • 5款 労働費:11ページ
  • 6款 農林水産業費:11~13ページ
  • 7款 商工費:13~15ページ
  • 8款 土木費:15~17ページ
  • 9款 消防費:17~18ページ
  • 10款 教育費:18~21ページ

報道機関との質疑応答

報道機関から受けた質問項目は、以下のとおりです。
  • 子育て施策に関する質問
  • 中心市街地活性化予算に関する質問
  • 新年度予算編成全体に関する質問
  • 佐藤池資源物リサイクルセンターに関する質問
  • 財政調整基金の健全性に関する質問
  • 産業イノベーションの推進に関する質問

子育て施策に関する質問

記者:これまで、子育て応援券事業として0~3歳に年1万円のスターチケットを発行している。今回のスターチケット@ホームは、スターチケットを既に支給されている人にも上乗せして支給するということか。
市長:そうです。スターチケットを利用して、かつ保育園などに行っている方もいらっしゃいます。スターチケットを利用して、かつ保育園などに行っていない方に対して、スターチケット@ホームで対応したいという考えです。
記者:保育園を利用している方は、例えば月額2万2千円ぐらいの公からの恩恵がある。その恩恵を受けていない家庭で、親戚や親族のところで育てている方に対しても経済的支援をするという思いで考えたものなのか。
市長:そのとおりです。
記者:この事業の財源は、どこから出るのか。
市長:保育料無料も含めて、市役所全体で節減し集めた財源です。
記者:国や県からの交付金は当てていないということか。
市長:そのとおりです。
記者:総括的に、子育て施策の拡充や新規事業に重点的を置いていると感じたが、この予算に市長はどのようなメッセージを込めたのか。
市長:柏崎を取り巻く状況は非常に厳しく、課題も数えきれないぐらいあります。中でも私が一番大きな衝撃を受けているのは、出生数が激減していることです。令和5(2023)年の柏崎市内全域の出生数は、1年間で320人でした。10、20年前に比べて半分以下になっている状況を踏まえて、数年前から市は第五次総合計画後期基本計画で2つの重点戦略に絞り、段階から子育て支援に力を入れていますが、さらに厳しい状況が続いています。このような施策を展開して、すぐに出生数が増えるとか柏崎を離れる若い方が少なくなるとは考えていません。市としてできる限りのことをして、柏崎が子育てしやすいまちで、市全体で子育てを応援するというメッセージが皆さまに届けばありがたいと考えるところです。
記者:子どもの屋内遊び場の整備対応で、フォンジェ内のキッズマジックの場所を選んだ理由はあるのか。面積はどのくらいになるのか。
市長:県内他自治体で、子どもの室内遊び場を専用で作っているところや、複合施設の一角として整備しているところがあります。非常に大きな金額を投入していると承知しています。市も専用の屋内遊び場も考えました。しかし、しっかりとした財政を考えていくに当たって、民間が経営し一定の実績を上げているキッズマジックは市民の皆さまにも認知度が高く、周知されていますので、その後のメンテナンスなども考慮してこのような民間施設やスペースを利用するのが一番合理的ではないかと考えたところです。
元の面積が868平方メートルで、約2倍の1,600平方メートルになる予定です。
記者:キッズマジックの再整備で、有料から無料にするのはハードルの1つだったのか。
市長:あとはスペースの問題でした。約2倍に拡張して、現キッズマジックの遊具も新しいものに替えたいと思っています。装いを新たにし、広いスペースで、なおかつ木の温もりを感じられるのは特徴的な部分だと思っています。多くの子どもさんたち、親御さんやおじいちゃん、おばあちゃんにご利用いただきたいと考えています。
記者:ショッピングモールに賃料のようなかたちで支払いするのか。
市長:一定の計算で月々家賃を支払うことになると思います。

中心市街地活性化予算に関する質問

記者:ショッピングモールなどの関係で中心市街地が疲弊している状況だが、この予算の中で中心市街地支援に当たるものはあるのか。
市長:商業全体のことは特に今日説明しませんでしたが、商工会議所を中心としてはなまるクーポン事業などを頑張っています。ただ、これは市域全体の商業関係の事業です。中心市街地と言われるような本町筋に関しては、結果的に柏崎ショッピングモールフォンジェを応援するかたちになるかもしれませんが、子育て支援で市営屋内遊び場をフォンジェ内に開設することで街中や周辺施設が賑わえばと考えています。

新年度予算編成全体に関する質問

記者:予算要求の段階では20億円ほどオーバーしていたと思う。市長はめりはりの利いた予算と言っていたが、どんなところを工夫して予算編成に当たったのか。また、子育て支援について十分配慮したと思うが、自身の点数を付けるとしたら何点ぐらいか。
市長:財政当局が各課からの予算要求をまず精査しています。各課から、こういった事業が市民の皆さまからの要望だと裏付けを持って予算要求されていますが、限りがあります。今回は私の任期最後の予算編成ですので、明確に2つの重点戦略を中心に予算配分すると宣言していました。申し訳ないですが、2つの重点戦略から外れる部分は我慢してもらい、柏崎の今置かれている状況、危機感をベースに理解いただいたところです。子ども関係、産業関係以外の20億円分を切ったとご承知おきください。いずれもお叱りをいただいていますが、できる限りのことをやらせていただいて、子どもや産業イノベーション、特に製造業、ものづくり、そして環境、エネルギーという言葉をキーワードに編成しました。100点と申し上げたいところですが、何事も100点はないはずで、批判もあると思います。私としては、今回80点はいただけると自信を持っています。
記者:2期目最後の新年度予算の編成だが、市民の要望もかなり反映した予算で、積極的な予算かと思う。これは3期目への布石ということか。
市長:全くそんなことはありません。残念ながらそこまで考えている余裕はありません。布石ならば1パーセント増ではなく、ばら撒くまではいかないかもしれませんが、もっと積極的な予算編成をしただろうと思います。他自治体は1パーセント増ではなく、もっと大きな予算増を考えているところもあると承知しています。私としては積極的かつ堅実に、相矛盾するようではありますが、エネルギー政策と同じです。私自身は、原子力発電所は価値があると認めています。同時に、再生可能エネルギーも柏崎の産業にしたいと、両方大事だと申し上げています。そういった意味で堅実に貯めるべきものは貯めて、使うべき点は使うということです。使う先の中心になるのは子どもたち、そして産業イノベーションの部分だと考えています。基金もしっかりと積み上げていますし、財政力や経常収支比率、将来負担率なども心配される数字にはなっていません。どなたが次の市長になるのか分かりませんが、誰が市長になっても、堅実でしっかりとした財政基盤の中で引き継ぎするのが私の仕事だと考えています。

佐藤池資源物リサイクルセンターに関する質問

記者:新たに設置するリサイクルセンターは、現在佐藤池に設置している場所と同じ場所になるのか。
市長:同じ場所ではなく、第4駐車場です。広い駐車場の片隅にリサイクルセンターの整備を考えています。今回市民の皆さまの利用実態を見る目的で仮設置した佐藤池の一角のリサイクルセンターも、非常に好評です。松波、西本町のリサイクルセンターは交通渋滞を引き起こしている実態もあります。交通も便利で空いたスペースを安く借りられるところ(民有地)がなかったということで、今回佐藤池の駐車場の一角に設置を考えたいところです。

財政調整基金の健全性に関する質問

記者:財政調整基金の今回の動きだけ見ると3分の1の取り崩しとのことだが、それほど多くない印象を受けた。今回の目玉である産業イノベーション関連は、半分以上取り崩してあまり上積みがなく、この基金だけ見ると健全性という意味で少し後退したような気がする。財政の健全性を示すものは問題ないという話だったが、どんな数字なのかも含めて健全性について伺いたい。
市長:令和6(2024)年度の財政調整基金は1,100万円ほどの積立額になっていますが、令和5(2023)年度の事業が全て終わって決算が出て、その金額は結果的に繰り越して、財政調整基金に繰り入れます。来年の今頃の残高見込みが41億円程度だと申し上げました。この数字はここ3、4年変わっていません。つまり残高は減りますが、繰り入れる金額もありますので、大きな減少にはなりません。ほぼ変わらずに財政調整基金を維持できるというのが正確な言い方です。元々基金は、金利が高い時代には果実運用できていましたが、今は金利が高い時代ではありません。基金とは名ばかりで、どんどん使っていくというところです。今回の産業イノベーション関連の取り崩しについては、環境・エネルギー産業拠点化推進基金と製造業戦略的イノベーション推進基金も使っていくことが前提でしたので、これは想定どおりの使い方です。
数字は、柏崎市の財政というかたちで、ホームページなどでも公表しています。経常収支比率や将来負担率なども健全な数字だと承知しています。

産業イノベーションの推進に関する質問

記者:産業支援の予算の対象は、中小企業で、主に製造業ということか。
市長:みなしで中小企業に含まれるところもあると思います。基本的には製造業中心ですが、製造業だけではなく、商売をやっていて再生可能エネルギーを使っている方、使おうとしている方も対象です。
記者:脱炭素、製造業のまちにしていきたいという言葉もあったが、改めて予算に込めた思いを伺いたい。
市長:GAFAをはじめ、世界や日本の名だたる企業も、再生可能エネルギーで作った製品を買うような脱炭素の流れが顕著になっています。私は3、4年ほど前から申し上げていますが、実際に市内企業でも発注者からそのようなオーダーが出てきているというお話を伺いました。そのような企業から、再生可能エネルギーは高いという声もあります。私自身は原子力発電所が再稼働した暁には、将来的に脱炭素電力である原子力発電所の電力を柏崎や県内に安く流してもらいたいと申し上げています。また、海底直流送電による風力発電の電力も柏崎に陸揚げして、脱炭素電力を柏崎の製造業に供給してもらいたいと申し上げ続けています。この数年でかなり展開していくであろう脱炭素電力の需給の流れの呼び水として、柏崎の製造業に高い付加価値を付けたいという思いが背景にあります。

臨時記者会見の概要と質疑応答(印刷用)

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更新日:2024年02月15日