令和4(2022)年度の市長随想

このページは、「広報かしわざき」に掲載した記事をもとに作成しています。

月(2022年5月号)

美しい月であった。
見事なほどにシャープな三日月であった。
仕事を終え、市役所を出て、ふと見上げるとそこにあった。

月見れば千々にものこそ悲しけれ 我が身一つの秋にはあらねど(大江千里)

今、秋ではないし、私だけではない、ウクライナでもロシアでも見えているはずの月。

日本語は難しい。
しんこう、と打って侵攻、信仰。
これほどの同音異義語があるだろうか。

作家村上春樹氏の言葉が胸に刺さる。
「音楽に戦争をやめさせることができるか?
たぶん無理ですね。
でも聴く人に『戦争をやめさせなくちゃ』という気持を起こさせることは、きっと音楽にもできるはずです」

本来、政治も人の気持ちを喚起させるものだと思う。
うれしい、楽しい、美しいものを導き、悲しい、苦しい、ねたましい、を排除すること。
私もまさに微力ながら、さもしい、心卑しい気持ちを施策において喚起しないように努めてきたつもりだが、難しい。

「元始、女性は実に太陽であった。真正の人であった。今、女性は月である」
ご承知の通り、明治末年『青鞜』を発刊し、女性解放を訴えた平塚らいてうの言葉である。
ペンネーム、雷鳥であり、本名は平塚明(ひらつかはる)。
名には、読み方において希望が含まれているではないか。
文字において日(太陽)と月が寄り添っているではないか。
だから「明るさ」が生まれるのではないか。
平塚自身の認識と異なるのかもしれぬが、そのように思う。

写真:青空の下、柏崎市役所の前で風になびく日本とウクライナの両国旗と柏崎市の旗

コロナ。戦争。
皆が困り、不安になっている。
自分より困っているのは、不安になっているのは誰であろうか。
寄り添い、お互い想像しようではないか。
文字通り心配、心を配り、思いやろうではないか。
その時、月はより明るく、温かく見えると思う。

理想と現実(2022年4月号)

理想をはるかに乗り越える圧倒的な現実があるとき、私たちはしばし呆然とし、立ち尽くす。
しかし、現実はその暇さえ許さないかのようなスピードで押し寄せてくる。
立ち尽くしてなどいられないのだ。
一刻も早くそれぞれができるところでできる限りのことをしなければならない。

テレビを見て、新聞を読んで、ネットから情報を仕入れ、自分は何ができるのだろう、とわずかな間であっても考えることは有効だ。
思いを致すということだ。
そして、可能な方は少しでも何か行動する。

原子力発電所の存在ももちろん見逃せない現実だ。
ヨーロッパ各国でも天然ガスの供給が途絶えそうになる時、やはり原発が必要だと考える動きがあり、一方で原子力施設が攻撃、占拠され、軍事戦略に「使われる」という事態に多くの国々が強い憤りと大きな不安を抱いている。

現実はテレビの中だけでなく、柏崎にもある。
柏崎の人口は3月3日をもち、8万人を切り、7万人台になった。
出生数は昨年令和3(2021)年、377人であった。
平成12(2000)年832人であったものが半分以下となった。

第五次総合計画後期基本計画がこの4月から動き出す。
産業、福祉、教育、いずれの施策も「今まで通り」にはいかない。

柏崎の花は、大崎の雪割草、伊毛の椿、高内山、大日山のカタクリ、雪割草から谷根の花桃、赤坂山、水源地、石川峠の桜、谷川新田の八重桜と移っていく。
私たちはこの春を大切なものとして受け止めたい。

写真:市役所内に掲示された日本国旗と市章とウクライナ国旗

市役所1階総合案内に募金箱を設置しています

この記事に関するお問い合わせ先

総合企画部 元気発信課 情報発信係

〒945-8511
新潟県柏崎市日石町2番1号 市役所 本館1階
電話:0257-21-2311/ファクス:0257-23-5112
お問い合わせフォームはこちら

更新日:2022年05月02日