自分らしく あなたらしく〈関係者インタビュー〉
自分らしく あなたらしく〈関係者インタビュー〉
がんになっても、自分らしく生活していくために、支えになってくれる方、応援してくれる方を紹介します。
「がん経験者として、できることを」 ―種岡 由紀子さん
平成29(2017)年3月に乳がんが見つかった種岡さん。
「なんで私ががんに...」と悩んだ日々。
そこから少しずつ立ち直ってきた経験や今の思いを伺いました。
種岡由紀子さん(横山在住)
がんと診断されたとき、どんな気持ちでしたか
すごくショックでした。身の回りの片付けを考えるほどでした。
市内の個人医院を受診してから、紹介された大きな病院で、詳しい検査をするまでの2~3週間の間は食事を食べても、砂をかむような感じでした。
落ち込んだとのことですが、そこから立ち治るきっかけは
がん治療が始まってから半年ぐらい、うつの様な状態になりました。
気持ちが落ち着かない日々を救ってもらえたのは、友達やサークルの仲間そして、あるイベントで「あなた、大丈夫?」と声を掛けてくれたがん患者会の方でした。
同じ境遇の方たちと話をすることで、気持ちが楽になりました。
現在、どのような生活を送っていますか
ラッキーなことに、手術をした後、ホルモン療法といわれる薬を飲む治療で、病気の経過を見ています。
患者会に出会って、自分が助けてもらった経験から、認定NPO法人ウィメンズヘルスラボのピンクリボンアドバイザーや認定NPO法人キャンサーネットジャパン乳がん体験者コーディネータとして、がん患者さんのお話を聴くボランティアの活動を行っています。
「がんと診断された『その日』から」 ―小俣若子さん
がんによる、体や心の痛み、辛さなどを和らげる治療やケアである「緩和ケア」。
ご自身も乳がんを経験され「苦しんでいる人を支えたい」と緩和ケア認定看護師の資格を取得し、日々、がん患者さんと接している小俣さんにお話を伺いました。
小俣若子さん(国立病院機構新潟病院 緩和ケア認定看護師)
病気になっても、その人らしく、人生を全うできるように支え続ける
その人らしく人生が送れるよう、がんと診断された「その時」から、患者さんに関わっています。
医師からの診断の場面に同席し、患者さんやご家族のお話を聴かせていただきます。
中には、泣き崩れる方もいらっしゃいますが、最後まで寄り添い、お話をさせてもらっています。
できるだけ、患者さんやご家族の希望を叶えるためにも、今後の生活や治療の話について、診断された時から、お話ができるようにしています。
当事者だからこそ、患者さんの役に立ちたい
がんの告知や再発、転移を告げられる衝撃は計り知れないですし、真の辛さはその方にしか分かりません。
私自身、がんと診断されたときにそうでした。
だからこそ、その辛さを少しでも和らげたい、私が少しでも役に立ちたいと思っています。
決して一人ではないです。
勇気を出してご相談いただけたらと思っています。
病気になる前からの備えを
治療には、お金の話も大切です。
経済状況に合わせて、医師とも相談して治療を進めていきます。
治療を続けたいのに、経済的な理由により治療を断念しなければならないことは、非常に辛いことだと思います。
がん保険に加入しておくなど、病気になる前から「将来、もし病気になったらどうするか」を考えておくことの大切さを実感しています。
「その方の人生に寄り添ったケアを」 ―横関泰江さん
柏崎地域でただ一人の「がん看護専門看護師」として、柏崎総合医療センターに勤務している横関さんにお話を伺いました。
横関泰江さん(柏崎総合医療センター がん看護専門看護師)
がん看護専門看護師として、患者さんとご家族にとって、より良い医療を提供する
どのような役割を担っていますか?
がん患者さんやそのご家族によって状況はさまざまです。
治療やケアが、患者さんやご家族にとって最善の内容となるよう、専門的な知識を生かして、他の看護師や医師に助言したり、患者さんのお話を聴いてケアの調整をしたりしています。
病院内で行われる研修会や、市内の看護学校で看護学生への講義も行い、看護の質を高めるためにできることをしています。
なぜがん看護専門看護師になったのですか?
新人看護師時代に抱いた思いがきっかけです。
当時は「がん=死」という時代で、がんの患者さんに、どのように対応したら良いか悩むことがありました。
自分が勉強することで「苦しみや悩みを抱える患者さんに、少しでもできることがあるのではないか」と考えたからです。
子育てと、3交代の仕事をしながら、県内の大学院に3年間通い、平成28(2016)年にがん看護専門看護師の資格を取得しました。
将来、自分が病気になったときの治療について、今から考えてほしい
普段は考えることがないかもしれませんが、「もし自分が病気になったら」ということを、家族(子ども・親・兄弟など)と話をしておいてほしいと感じています。
そのことが、病気になったときに、より良いケアや必要な医療を受けることにつながります。
「治療を続けながら、仕事をも続けるために」 ―高野洋子さん
がんになったときの不安のひとつが、仕事です。
「がんと診断された時、一人で悩んで、すぐに仕事を辞める選択をしないで」と、治療と仕事の両立支援を行う、高野さんは言います。
高野洋子さん(新潟産業保健総合支援センター 両立支援促進員(柏崎地区担当))
がんになった方の治療と仕事の両立を支えたい
病気になった方からの相談を受けて、今働いている職場で、治療を続けながら、働き続けることができるよう、働く方と会社の間の、中立的な立場で調整を行います。
場合によっては、これまでと同じ仕事はできないことがあります。
通院先の主治医・医療スタッフの助言を基に、その方の病気の状態を確認しながら、どのような業務ができるか一緒に考えていきます。
病気になった方を受け入れる会社側の体制も重要です。
どのようにして、その方の安全に配慮すべきかといった相談にも対応します。
職場全体の理解を広めるため、社員研修を開催することもあります。
「困ったときはお互いさま」ですし、いつか自分が支えてもらう時期が来るかもしれません。
大切な従業員を守るため、そして人員確保の面からも、会社をサポートしたいと思っています。
病気になった時に確認したいポイント ―治療と仕事を両立させるために
多くの人ががんの治療を受けながら働き続け居ています。
一人で悩まず相談を
- まずは上司や、人事担当者などに、相談してください。
- 病状や治療スケジュールなどの情報があると話し合いがスムーズに進みやすくなります。
休暇や勤務制度の確認を
- 自分の職場に、治療を続けながら働くための支えとなる制度があるか、まずは就業規則などを確認してみましょう。
- 有給休暇の他、治療休暇制度や、短時間勤務制度がある場合があります。
この記事に関するお問い合わせ先
総合企画部 元気発信課 情報発信係
〒945-8511
新潟県柏崎市日石町2番1号 市役所 本館2階
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更新日:2022年05月02日