第五中学校区(高柳地域)地域懇談会を7月11日に開催しました

高柳地区の皆さんが、高柳コミュニティセンターで地域からのテーマや自由懇談など、さまざま意見や要望を市長と語り合いました。

写真:参加者の話を聞く市長
写真:参加者がマイクを持って質問をしています

日時

令和5(2023)年7月11日(火曜日)午後6時30分~8時8分

場所

高柳コミュニティセンター

参加者数

46人

市の出席者

市長、総務課(課長、係長、主査)

懇談概要

市長の地域に関する施策の説明(市長)

「第五中学校区(高柳地域)の市の事業」「えんま市、ぎおん柏崎まつりの開催」「じょんのび村」「脱炭素とエネルギー」等について説明しました。

地域からのテーマ

事前に提出されたテーマについて、市長が回答し、その後質疑を行いました。

説明者とは「地域からのテーマ」の趣旨を説明した方です。

高柳における移住者の現状

説明者:8年前に農家を目指し、東京から父親の実家がある高柳町に移り住みました。元々非農家でゼロからの就農でしたが、中越防災安全推進機構の「にいがたイナカレッジ」というインターン制度を使いました。現在は「アグリパス」という新たな制度に中越防災と高柳農業振興会とで取り組んでいます。昨年からは中越防災、移住者、農業の担い手とで「work rice(ワークライス)」という取り組みも始めました。農作業を1日お手伝いしていただき、お礼として給料ではなく、お米を5キログラムあげる取り組みです。そのほか、高柳では高柳農業振興会が直接支払交付金の棚田地域振興活動加算を使い、新規就農者や担い手にさまざまな支援をしています。例えば、ドローンの操縦免許やけん引などの作業に必要な免許の取得の補助や、個人には購入や維持が難しいドローン本体やユンボ、ブルドーザーなどの機械の貸出などです。新規参入者は原資に乏しく、技術も未熟で資格習得のためには多くのコストが掛かります。それらを補助してもらうことで、新規参入者が入り込みやすい環境づくりをしています。

定住は、ただ「来てね」と大手を広げても、結果にはつながらないと思います。移住したいと思うにはその土地を知ることが大事で、話した内容が関係人口を増やしていくことにつながると思います。その場所に訪れ、土地に住む人たちと仲良くなった上で商品を購入するなど、土地への理解をしていただき、ここだからこそ住んでみたいと思ってもらうことが移住につながると思います。関係人口の中から移住を考えている人たちをピックアップし、移住するための制度を提案していくことで定住に結び付くと思います。また、2拠点生活を考えている方のニーズを捉えて提案していくことで交流人口、関係人口から定住人口へ変化していくのではないでしょうか。現に高柳では、地縁や以前から親交がある人が、移住や農業を考えている人に「こんな制度があるから、使ってみようか」と声を掛けることで定住に結び付いています。

また、ただ人口を増やすのではなく、受け入れ側のどこに人手が足りていないのかを把握し、移住を考えている人がどこで力を発揮できるかといったマッチングが大事になります。これは地域同士の結び付きが強いからこそできることであり、そのための仕組みの構築、人員の確保が必要になってくると思います。そのため「work rice(ワークライス)」や「アグリパス」などを活用し、現場に訪れ、知る機会を提供する取り組みを進めると共に、農村RMO(農村型地域運営組織)や地域の課題解決のための支援をしていただければ幸いです。

そして、現場を知る際の拠点として、現在使われていない教員住宅や中学校等の施設を有効活用していくことが、さらに呼び水となると思いますので、併せて検討していただきたいと思います。

市長:マッチングが大事というお話をいただきました。市としても重要な戦力であり、また生活者である方を上手にマッチングできるよう、「アグリパス」「work rice(ワークライス)」といった制度や、財政面では直接支払交付金などを有効に使わせていただきながら、関係人口から定住人口に結び付けられるよう進んでいきたいと考えます。高柳以外の方にもこういった制度を紹介していきたいと思います。市営住宅には、農業体験として入居された方もいらっしゃるので、条件が合えば入居可能です。

高柳地域における教育環境と今後のビジョン

説明者:私はIターンで高柳町に移住し、高柳が、そして柏崎がずっと安心して楽しく住み続けられるところであってほしいという強い思いがあります。しかし学区再編の際から感じている、最初から答えありきの議論と、最後まで当事者が置いてきぼりで審議されている感じが否めない現状があります。「多様性が大事」というわりには、マイノリティの意見は受け入れられる雰囲気ではないことに危機感を感じています。その中で、お聞きしたいことがあります。

一つ目は要望です。先日、第五中学校の統合に関するアンケートが教育委員会からあり、その中で集計結果の報告を兼ね、意見交換会を計画するとありました。アンケートの結果や市の説明内容を生のデータでもいいので、事前にお知らせいただくことはできますか。学区再編の意見交換の際、半分くらいが資料の説明で、有意義な時間になりそうな頃に時間切れになってしまい、時間がもったいないと感じました。少ない時間を有意義に使うため、アンケート結果を最初から知った上で、意見交換会に臨めたらいいと思っています。

市長:できる限り、事前に意見交換会で使われる資料をお届けしたいと思います。ただ、自由記載には個人が特定される内容があるかもしれませんので、生のデータは出せないと思います。

建前の話ばかりで、実際の意見交換ができないということは、私も求めていません。アンケートの内容や、市がどういう考え方で今後進めようとしているのか、事前に皆さんにお知らせできるよう工夫をしたいと思います。

説明者:高柳という地域で暮らしている中で、教育も福祉も含め、生活の全てが地域でつながっている実感を持っています。しかし、教育委員会から、地域づくりは子どもの教育環境と別のところで考えていると説明がありました。残念ながら、来年度から保育園から中学校までの全てが高柳からなくなってしまいます。これは、精神的なことも含め、今後の地域の衰退を加速させるのではないかと危惧しています。

今後の高柳地区の人口の減少や衰退を危惧する声に対して、市としての地域づくりの取り組みや達成目標を具体的にお聞かせいただきたいと思います。

市長:学校統合等の問題の中で、教育は教育、福祉は福祉、医療は医療というような話し方を職員がしたのかもしれませんが、それも間違いではないと思います。ただ、今まで子どもたちを保育園や小学校、中学校で地域が育ててきたのに、その地域から学校がなくなってしまうと地域も衰退するのでは、という思いがあると思います。自分の地域にあってもらいたいものは、たくさんあると思いますが、人口の減少に伴い、市税収入も落ちます。原子力発電所の関連財源や、ふるさと納税など財源確保に頑張ってはいますが、全ての地域に全てのものがそろっているというのは難しいということをご理解いただきたいと思います。

教育の大きい方向性について、教育大綱を作りました。高柳を含めて、柏崎の子どもはこうあってもらいたいという強い思いを込めました。教育の在り方、柏崎市の考え方に関しては、ホームページの教育大綱をご覧ください。

それから、市全体については、総合計画の後期基本計画をご覧いただきたいと思います。大事な柱として、子育て環境を充実させるということ、製造業をこの大変革期の中で生き残っていけるようにすることという二つを挙げました。

説明者:学校の話が強くなってしまったので、質問の内容が分かりにくかったかもしれません。質問したかったことは、今後の高柳地区に対する人口の減少や衰退を危惧する声に対して、市はどのような対応を考えているのかということです。

市長:私は就任時から高柳地区に全部は無理ですと申し上げています。しかし、じょんのびの精神の象徴的な施設である「じょんのび村」は何としても守る。「じょんのび村」を中心に、いろいろなアイデアを持っていて、それを実践する地域が高柳だと思っています。それぞれの集落が挑戦しようとする意欲を持っている地域は、高柳が一番だと思います。しかし、それを全てかなえることはできません。「ガルルのスキー場」も雪上車やリフトが使えなくなったら、閉めることを考えなくてはいけないと前から申し上げています。しかし、私は「じょんのび村」の施設を守るだけではなく、じょんのびの精神を守るということに引き続き力を入れていきたいと考えています。

説明者:活動やプロジェクトなど高柳地域から出てくると市として応援したい、うれしいということをお聞かせください。行政だけ頑張っても、地域だけ頑張っても駄目だと思うので、同じ方向を向いて全力で取り組める可能性を知りたいと考えています。

市長:高柳の皆さんからは、アイデアがたくさん出てきますが、私がお願いしたいことは、これ以上新しいものを出すのではなく、今やっている事業の集約を図っていただきたいということです。確かに町内会は違うかもしれませんが、一言で言えば高柳地域です。千人のコミュニティの中で、あれもこれも事業をするということは、柏崎市全体のことを考えるとご理解をいただけないと思います。分散するのではなく、一つの地区から挙がった事業を、ほかの地区でも一緒にやろうという動きにしていただければ、市も応援させていただきたいと思います。

自由懇談

「国道252号山中トンネルの照明」「来年度の地域懇談会の開催と市長が考えるじょんのびの精神」「ガルルのスキー場の維持」「今回参加してみての感想」について懇談しました。

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更新日:2023年11月02日