第五中学校区(鯖石地域)地域懇談会を8月1日に開催しました

鯖石地区の皆さんが、南鯖石コミュニティセンターで地域からのテーマや自由懇談など、さまざま意見や要望を市長と語り合いました。

写真:マイクを持って説明する櫻井市長
写真:質問をする参加者

日時

令和5(2023)年8月1日(火曜日)午後6時30分~7時55分

場所

南鯖石コミュニティセンター

参加者数

19人

市の出席者

市長、総合企画部長、総務課(課長、係長、主査)

懇談概要

  • 市長の地域に関する施策の説明
  • 地域からのテーマ
    • 鯖石小学校と高柳小学校の学校統合について
    • 中鯖石コミセンの老朽化設備の撤去のお願い
    • 昨年度の課題提案に対するフォロー
    • 学校統合と旧校舎等の再利用について
    • 中山間地専用循環バスの導入について
    • 農地の維持、担い手について
    • 空き家問題について
    • 原発避難経路について
    • 花粉症対策と森林伐採について
  • 自由懇談

市長の地域に関する施策の説明(市長)

「新型コロナウイルス対応」「五中校区(鯖石地区)の市の事業」「株式会社INPEXの水素発電事業」等について説明しました。

地域からのテーマ

事前に提出されたテーマについて、市長が回答し、その後質疑を行いました。

説明者とは「地域からのテーマ」の趣旨を説明した方です。

鯖石小学校と高柳小学校の学校統合について

説明者:学区等審議会の答申に基づき、統合準備会議が数回行われています。内容的にはほぼ決定し、来春の統合に向け準備が進んでいると思います。高柳小学校の子どもたちが喜んで鯖石小学校に通えるように、いろいろな交流をして、良い雰囲気になるようバックアップしていただきたいと思います。

市長:令和6(2024)年4月の統合を見据え、今年度当初から鯖石小学校と高柳小学校の交流事業を始めています。7月20日の「さば小祭り」、9月26日の親善陸上大会、11月9日の音楽鑑賞会、12月7日の「いじめ見逃しゼロスクール集会」のほか、里山体験、和紙絵付け交流会、スキー実習、授業交流、鯖石小のクラブ活動体験などさまざまな活動プログラムを展開しています。
どの子が鯖石の子か高柳の子か分からないほど、子どもたちは楽しそうに活動しているとの報告がありました。
統合に向け、両小学校に1名ずつ教員の数を増やして対応しています。高柳小学校は特に影響が大きいことから、指導補助員1名をさらに配置して、教職員の業務負担の軽減に努めています。

中鯖石コミセンの老朽化設備の撤去のお願い

説明者:市民活動支援課にも依頼していますが、設置されて数十年が経過し、腐食が進み、倒壊の恐れがある設備があります。交通公園の信号機や野球のバックネットなど、いつ脱落や倒壊するか分からない危険な設備は更新していただくか、撤去をお願いしたいと思います。

市長:交通公園の信号機、バックネット、掲揚ポールを確認した結果、すぐに倒壊する状況にはないと考えています。教育委員会に確認したところ、児童交通公園として交通安全の事業は行っていないとのことでしたので、地域として今後使う見込みがないのであれば、必要性をもう一度確認し、撤去について検討します。

昨年度の課題提案に対するフォロー

説明者: 大型バスを市内巡回バス程度の小型バスに切り替え、経費を節減し、少なくとも1時間に1本程度の便数の増加をお願いします。

市長:市内にはいろいろな路線がありますが、収支率が一番良い路線でも50パーセントに達していません。路線によっては、乗車人数がゼロの時間帯もあり、非常に厳しい状況です。だからといって全部なくしてよいという話にはならないと考えています。通学に使う高校生がいれば朝の便は残さなければいけません。
小型バスにすればよいのではないかという提案も一理ありますが、運転手が確保できないということが減便の大きな理由の一つです。「乗る人がいない」「運転手がいない」という状況ですが、運転免許を持っていない高校生等のためにも、とにかく最低限の路線を残したいと考えています。

学校統合と旧校舎等の再利用について

説明者:廃校、廃園となった旧南鯖石小学校や旧保育園は、再利用の進展の兆しがないままです。費用等の問題もあるかと思いますが、荒地化や老朽化が進み、また地域から学校がなくなったことで、衰退が進行するものと考えます。廃校の再利用について、現在の状況をお聞かせください。
さらに、第五中学校が東中学校へ統合することは、現在の生徒数の推移を見てもやむを得ないとする結論もあるかと思いますが、統合に並行して、校舎の再利用のプランニングを同時に進行すべきであると考えます。当地域でも再利用方法を考えていますので、地元の声を聴いていただく機会を設けていただきますようお願いします。

市長:五中校舎の問題ですが、中学校区の地域や保護者の皆さんの意向を確認し、統合という方向になった後に考えなければいけないと思っています。今は、統合が決定したわけではありませんが、校舎をどう有効活用していくのかは同時並行で考えなければいけないと思います。活用のご提案の一つとして、高齢者のための施設という案は承ったところです。

中山間地専用循環バスの導入について

説明者:南鯖石地区は高齢者の多い中山間地域です。お店も少なく、今後、買い物や病院に行くにも自分で運転ができなくなると、いずれはバス等を利用しなければならない時期がやってきます。こうした地区は南鯖石地区以外でも今後増えてくるものと考えています。そこで現在、運行されている市内循環バスの利用状況について採算性が取れているのか等をお尋ねします。
以上の結果を踏まえ、例えば循環バスを南鯖石のような中山間地域に導入するとした場合、もちろん課題はいくつかあると思います。例えば、実際、導入してみたら利用者が少なく採算が取れないという点や循環バスを導入すると既存のバス路線がなくなる可能性がある点などが考えられます。しかし、循環バス導入は中山間地であるがゆえに必要なのではないかとも考えており、中山間地域にも一定期間、循環バス導入を試験的モデル事業として導入してみてはいかがでしょうか。こうした課題に取り組むには、もちろん国や市、路線バス会社、地域との話し合いの場が必要になるかと考えます。以上についてのお考えをお聞かせください。

市長:街中を通っている「かざぐるま」「ひまわり」の循環バスの収支率は低く、赤字の状態です。街中でさえ乗る人が少なく、赤字です。循環バスも含めて一番の課題は、運転手がいないということです。
中鯖石、南鯖石地域は入っていないのですが、11月下旬から市内13地域で人工知能を活用した「あいくる」という予約制の乗合タクシーを始めます。電話やスマートフォンで予約するとAIが順路を計算し、約400カ所設置予定のバス停まで迎えに行きます。朝や夕方は、通学の高校生の便を減らすわけにはいきませんので、昼間9時から3時半ぐらいまでの間に運行します。11月から様子を見ながら、運行範囲を広げても大丈夫ということになれば、中鯖石、南鯖石地域を含めて延長を考えます。
国道252号は路線バスが数多く通っていて、市内では一番採算のよい路線ですが、皆さんが路線バスはいらないから「あいくる」にしてほしいという結論に今後なったならば、相談させていただきます。今のところはスクールバスとしての利用形態を含めて路線バスは重要と思っていますので、ご理解ください。

農地の維持、担い手について

説明者:最近、政府は全農地の8割を担い手に集積することを目標とするという報道を見ました。高齢化が進む中山間地はその担い手となる人材の確保が極めて困難で、現実的な問題になっています。今後、農地の荒廃化が一層進むものと危惧しています。こうした中山間地の農業施策について、将来的にどうあるべきか市としてのお考えがありましたらお聞かせください。

市長:大沢地区は、大きな田んぼより棚田を中心とした小さな田んぼがあるという地域です。農地の集約は、物理的・地形的にも難しいと承知しています。
国は担い手の農地量が全農地の8割を占めることを目標に農地の集積を進めています。市も同様であり、市内を10地区に分けて地区ごとに順次協議し、今年と来年の2カ年で地域計画を策定します。
南鯖石地区は重点地区として、地元関係者の皆さんと地域の課題を話し合いながら検討を進めたいと思っています。地域からも「ほ場整備を実施したい」「現状のほ場が小さいので畔抜きをしたい」という意見が出ていると報告を受けています。地域計画の中でのほ場整備等は、今後、国や県の歩みとともに行わせていただきます。
大沢地区では、中山間地域等直接支払交付金について柔軟な使い方をしてもらいたいとの方向性を定め、交付しました。まだ、集落機能強化加算を申請していませんので、インターンシップ等担い手確保等で申請をする場合は、ご相談ください。なおお、農地の集積率は、全国の58パーセントに対し、柏崎市は約53パーセントとと遅れをとっていますが、今後、集積率向上に努めていきたいと思います。

空き家問題について

説明者:南鯖石地区も人口減少に伴い空き家が増えています。空き家の中には所有者や管理者が不明の物件がいくつか存在しています。居住していた身寄りのない方が認知症となり施設入所となった家屋、お亡くなりになった方の相続人が不明状態の家屋、家屋の転売が繰り返されて最終的に所有者が不明となった物件などがあります。
市として実態の把握・処置の現状についてお聞かせください。また、地域のこうした課題について相談に乗っていただける部署があったら教えてください。

市長:放置すれば倒壊の恐れがある非常に危険なレベルに達している空き家を特定空き家と呼びますが、鯖石地区には8戸あります。市も空き家対策に非常に苦慮しています。空き家の管理に困ったら、空き家バンクという制度に登録していただいています。成約率は6割と良い割合ですので、特定空き家にならないために、周りの方にこの制度をお伝えいただければありがたいと思います。
切実な問題として、相続ができないような事例や、相続放棄のような事例がたくさんあります。所有者が分かる場合は市から文書を送付しています。通学路沿いの特定空き家に関しては、所有物件が倒壊・落下により歩行者に危害を与えた場合、所有者の責任になるといった内容の文書を出していますが、ほとんどがなしのつぶてです。これは柏崎市だけでなく、全国の自治体でも同じような状況です。さらに困難を極めているのが、相続されていない、もしくは相続放棄された土地の相続登記上の名前が明治、もしくはそれ以前のままになっている事例です。一自治体では到底解決できない空き家の問題にしっかりと対応してもらいたいと全国市長会、新潟県市長会でも国に要望しています。
市でできることはネットを張るぐらいですが、ここは通学で危ないという実態がありましたら遠慮なく建築住宅課にご連絡ください。

原発避難経路について

説明者:南鯖石地区の住民は重大な原発事故が起きた際、十日町松代経由で糸魚川・妙高・上越方面へ避難することとなっていますが、地理的に見ても、湯沢町・南魚沼市方面、または十日町経由で長野方面を避難先とすることが有効と考えます。併せて事故が冬期間に起こった場合も想定し、避難ルートは複数箇所設けるなどの対策が必要と考えています。また、事故が起きた場合は相当の混乱が予想され、アクセスが乱れることが想定されます。避難だけでは限界もあり、一時的には、非木造施設等などの安全施設への避難も有効と考えます。今後とも県と協議の上、柔軟な見直しを検討してください。

市長:原子力発電所から30キロメートル以内の地区をUPZと言い、南鯖石・中鯖石はUPZの範囲になります。いろいろな場面での避難や退避方法を、各家庭に配布した緑色の防災ガイドブックに記載してありますので、もう一度ご確認いただきたいと思います。
計画では中鯖石・南鯖石は松代を通って、上越・頚城方面に避難することになっています。湯沢町や南魚沼方面が近い、また長野経由の方がよいという意見が地元からあったことを改めて、県にも伝えます。ただ、柏崎市は人口約7万7千人のうち、PAZと言われる5キロメートル圏内には、約1万5千人います。それ以外の約6万人は、主に妙高・糸魚川・上越方面、湯沢方面、村上方面に別れて避難します。UPZ圏内には長岡も含めると何十万人の方がいます。その何十万人の方も湯沢方面に避難することになっているため、受入能力という点から分散した計画になっています。
UPZ圏内の方は、基本的には、一時、屋内で待機をすることになっていますが、放射線物質が放出した後、いろいろな場面が考えられますので、県ならびに市の指示に対応していただければと思います。
お気持ちはよく分かりますので、県や国に伝えます。先般、知事と刈羽村長と一緒に原発の避難経路のことについて、国の原子力担当の防災大臣に強く要望してきました。

花粉症対策と森林伐採について

説明者:政府では、花粉症に関する関係閣僚会議が開催され、杉人工林については、林野庁の総力を挙げて、伐採・植え替え・利用の取り組みを抜本的・集中的に加速するよう指示があったと聞いています。これに遅れることなく、市においても、森林組合によって速やかに広域に伐採を進め、伐採した杉材の地産地消、地元製材所での加工販売が進むようご指導をお願いします。また、伐採後の植え替えにおいて、広葉樹、針葉樹など森のバランスを考えて植樹し、20~30年後の再伐採までの間の管理や伐採をしやすい場所に無花粉の杉を植樹するよう、指導・監督をお願いします。

市長:今後、植林を進めていく場合は、無花粉の杉を優先的に植樹していきたいと思っています。今年、鯨波の市有林において無花粉の杉を約600本植樹しました。森林組合は地元の方が組合長で頑張っていただいています。若い人や女性も入ってきて今非常に元気です。ぜひこういったことを進めてもらいたいと思います。ちなみに石曽根で伐採した杉を、東京オリンピックの選手村ビレッジプラザに使っていただき、私も森委員長から直接お礼を言われました。オリンピックが終わった後は、ベンチとして生まれ変わり、市役所ロビーで使っています。
国も30年後には花粉の発生量を半減させると宣言していますので、市も国の方針にのっとって、順次、無花粉の杉の植樹を進めたいと思っています。

自由懇談

「冬季期における内水面氾濫およびヘリポートの設置」「空き家」「文化会館アルフォーレのトイレ」「「市長への手紙」」について懇談しました。

この記事に関するお問い合わせ先

総合企画部 総務課 総務係

〒945-8511
新潟県柏崎市日石町2番1号 市役所 本館3階
電話:0257-21-2330/ファクス:0257-22-5904
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更新日:2023年11月02日