柏崎市脱炭素エネルギー政策の概要について(2)(市長への手紙、令和6(2024)年5月公開)
手紙と回答の概要
お寄せいただいた内容の概要
「柏崎市脱炭素エネルギー政策の概要について」の資料に関する追加質問です。東北電力との料金比較がありますが、この根拠はどこにあるのか。
<追加分>
マスタープランにある日本海、東北、東京ルートは新設と思います。なぜなら、東北との連携に相応しいところはKKではありません。なお、柏崎市内への電力供給はできません。
⇒手紙の全文は以下の「お寄せいただいた内容の全文」をご覧ください。
回答の概要
資料作成時の令和5(2023)年3月において、あい・あーるでは標準的な契約単価として基本料金が1,833円、従量料金が平均25.77円という内容であります。東北電力株式会社がホームページで公開している代表的な高圧受電の電気料金は、その当時で基本料金が2,031.7円、従量料金が夏季20.85円、その他は19.65円となっていました。
<追加分>
2月5日に開催された第74回広域系統整備委員会の資料では、「HVDCの東京交流系統への連系先は、日本海側に位置する500㎸設備である南新潟幹線または新新潟幹線への連系を前提とする。」と示されたことは全体の系統構成案が大枠で固まったものと捉えております。
⇒回答の全文は以下の「回答の全文」をご覧ください。
手紙と回答の全文
お寄せいただいた手紙の内容と市からの回答を、個人が特定されないように編集した上で掲載しています。
お寄せいただいた内容の全文
先日の質問に対しての回答を心待ちにしているところですが、「柏崎市脱炭素エネルギー政策の概要について(PDFファイル:2.8MB)」(令和5年3月14日)資料に関する追加質問です。
本資料、率直に申しまして「突っ込みどころ満載」なのですが、総じて「エネルギー町3.0~市長の提言「総合計画」」として達成可能性はあるのか?との「質問」は先日の2件のであり、回答を楽しみにしているところです。
「突っ込みどころ満載の資料」の作成者は誰が?という疑問が生じました。本資料は柏崎市に責任があることは事実ですので、誰が素案を作ろうが問題とはなりません。しかし、資料を細部まで掘り起こすと(図も文字も)失礼ながらとても市の事務方には手に負えないものであると思いました。おそらく、市長の「総合計画」を勘案し、図(文字)に落とし込んだのは、コンサル実績のある「パシフィックパワー」のものと考えますが、いかがでしょう?
本資料はどのページをとってもと(図&キーとなる文言、定義等)難解で理解が及ばず、私自身いろいろとSNS等を活用し調べてみたのですが、その関係資料(ネットで拾うだけでも膨大で)とても手に負えるようなものではありません。パシフィックパワー株式会社は設立の経緯をみましても昨今のエネ庁検討会、(電力・ガス取引監視委員会、OCCTO)の動向に精通していることは明白ですからそのような考えに至りました。
そこで、5ページに限っての質問です。(できれば4ページも解説願いたい)
東北電力との料金比較がありますが、この根拠はどこにあるのか?私なりの結論は市の料金を安く設定し、後付けしたものとみました。いかがですか?
公表資料に数字をおくことは慎重さが必要です。国、公共団体等の公的機関は数値公表の際は、感度解析を行っています。不明な点を問いただせば、きちんと回答します。
「基本料金、従量料金、調整費用等」でコンマ、何円の差とはいったい?この差異の根拠を示してほしい。東北電力の料金メニューは多様で、その前提すら不明ではないですか。ぜひとも算定根拠を教示ください。繰り返しますが数字を置くからには「感度分析」が絶対に必要です。
さて、上記(コンサル作成実態)と感じたのは以下の講演資料なのですが、ぜひご覧ください。特に21、22、24ページは、柏崎あい・あーるおよび柏崎市の関係を示しているようにも思えます。
なお、稲垣氏はローカルグリッド創生支援機構事務局長という役職柄、またキャリアからも決して地域新電力を真っ向から否定しているわけではありません。このあたりも見逃せません。新潟県がローカルグリッドのエリアから外れているのは容易に理解できますね。
https://www.tohoku.meti.go.jp/s_shigen_ene/topics/downloadfiles/220304_1-2.pdf
地域新電力の現状・課題、そして「価値」の出し方~74地域新電力調査を踏まえて~(東北通産局主催)
2022年2月15日
一般社団法人ローカルグッド創成支援機構 事務局長
京都大学大学院経済学研究科再生可能エネルギー学講座 研究員
稲垣憲治 氏
プロフィール
文部科学省原子力計画課、東京都庁再エネ推進課等を経て、地域活性化・地域低炭素化への思いが高じ、2020年7月から現職。
その他
- 再エネ導入に向けた自己託送制度の在り方について、2023年12月26日エネ庁から指針が出されました。令和6年2月12日ですから、すぐそこですね。
- 今後、議会で議論となるでしょうが、発電機付き焼却炉も注視しています。300億円には驚きました。今後も注視していきたいと思っています。
<追加分>
2月2日の回答、拝受しました。
2023年3月の広域連携マスタープランの策定は、昨年10月、私と会社同期の友人からその詳細を聞いており、承知しています。
2015年設立された広域的運営推進機関は、公平・中立性を第一義としています。
一方で、すでに友人も小生も退職した自由な立場、柏崎の新会社設立の件について、忌憚(きたん)のない意見が聞けるのではないかと考えたからです。しかし、当方の話を聞いてはくれましたが、(少々驚きを持ったようですが)中立の立場を貫き?一切返答はありませんでした。(あとは3.11で初めてシステムどおり、機能した系統安定化装置などで盛り上がりました)
余談ですが、OCCTO設立時は系統監視ができるだけ(制御は各電力会社の給電任せ)現在は、先日同封したエネルギーフォーラム記事のとおり、2021年1月の電力危機に関して、その存在感を示しています。
KKは820万kW(キロワット)の送電網として2ルート4回線は、約15年の計画どおり運用されているものであり、新規400万kW(キロワット)の連携となれば、系統安定度の観点から私は不可能と考えています。
「9月に開催された委員会で報告された」件は、現在OCCTOに問い合わせ中です。これをもって「一歩前進」とは「お花畑」ですね。
マスタープランにある日本海、東北、東京ルートは新設と思います。なぜなら、東北との連携に相応しいところはKKではありません。なお、柏崎市内への電力供給はできません。OCCTOのHP(ホームページ)上にある「系統アクセスルール」(2023年4月)改訂を参照してください。
いずれにしても、あまりにも電力に関する理解がなさすぎると思います。
「脱炭素」(誰も否定も出来ませんが)柏崎市の新会社は、「立ち上がる前に潰れる」私の初回の質問にありますが、末は果たして?
予算審議で議会を通れば、一市民としては、なすすべもありませんが。ぶどう村の件、3月の回答をお待ちしています。
- 語句説明:OCCTO=電力広域的運営推進機関、KK=柏崎刈羽原子力発電所【市追加】
回答の全文
お手紙拝見しました。
このたび、脱炭素エネルギー政策について、追加のご質問をいただきました。
まず、「柏崎市脱炭素エネルギー政策の概要について」の資料5ページについては、柏崎あい・あーるエナジー株式会社(以下あい・あーる)から提示を受けた電力供給メニューの概要であり、あい・あーるの実務を担うパシフィックパワー株式会社が資料作成を行ったもので、ご推察のとおりでございます。
資料作成時の令和5(2023)年3月において、あい・あーるでは標準的な契約単価として基本料金が1,833円、従量料金が平均25.77円という内容であります。東北電力株式会社がホームページで公開している代表的な高圧受電の電気料金は、その当時で基本料金が2,031.7円、従量料金が夏季20.85円、その他は19.65円となっていました。
5ページ下の図は、柏崎市に供給する予定の37施設、約3,000キロワット程度で試算した場合の電気料金を1キロワットアワー当たりに直した平均の比較であります。あい・あーるの電気料金は、東北電力株式会社より従量料金が高いですが、基本料金は安く、調整費は似たような金額になるとのことで、全体で約1.5%程度の電気代削減になるとのことであります。
従量料金の設定は、市場価格が高騰しても簡単には逆ザヤにならない配慮とのことですし、電気代の削減幅についても、経営初期の基盤安定に向けて、堅実かつ適正な範囲の料金設定としました。
次に、資料4ページの図は、あい・あーるの電力供給における調達電力構成のイメージであります。太陽光発電由来の電力と、市場調達の電力、それから相対契約で調達する電力で柏崎市への電力供給は構成されます。
あい・あーるからは、市の37施設で令和5(2023)年5月1日から供給を受け、太陽光発電所完成後の8月からは、太陽光発電由来の電力、市場調達の電力、それから相対契約で調達する電力を供給いただいております。
また、2月2日付けで回答しました海底直流送電線の件で、2月6日に追加のご意見をいただきました。
昨年9月22日に開催された第70回広域系統整備委員会の資料にて、「東京におけるHVDCの交流系統連系先は、東京PG管内で日本海側に位置する500㎸(キロボルト)設備である南新潟幹線または新新潟幹線が有力候補と考える。」とマスタープラン策定後、初めて具体的なことが示されことから、私は一歩前進したものとコメントしました。
このたび、2月5日に開催された第74回広域系統整備委員会の資料では、「HVDCの東京交流系統への連系先は、日本海側に位置する500㎸設備である南新潟幹線または新新潟幹線への連系を前提とする。」と示されたことは全体の系統構成案が大枠で固まったものと捉えております。
私は、この事業計画が、変電所の建設などによる経済振興に資するよう、引き続き送電線の柏崎揚陸を関係機関に働きかけてまいります。
説明は以上でございます。何とぞご理解くださいますようお願い申し上げます。
- 語句説明:HVDC=高圧直流送電、東京PG=東京電力パワーグリッド株式会社
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更新日:2024年05月20日