市長定例記者会見での質疑応答(令和2(2020)年8月5日)

令和2(2020)年8月5日(水曜日)の市長定例記者会見での報道機関の質問と、市長の回答です。

主な内容

  • 使用済核燃料税の経年累進課税に関する質問
  • 原発の協定に関する質問
  • 新型コロナウイルス感染症に関する質問
  • 越後バナーナに関する質問

使用済核燃料税の経年累進課税に関する質問

記者:市長は市議会議員の頃から経年累進課税を提唱されてきたが、実現したことをどのように感じるか。

市長:市議会議員だった平成10年に、使用済核燃料税の経年累進課税化を提案しました。本来置かれるべきではないところに、長期間使用済核燃料が置かれては困るという認識の下に経年累進課税化を提案し、市長就任直後の所信表明でも申し上げました。

実現したことは、私の公約でもあったので嬉しいですが、22年経っても核燃料サイクルはうまく機能していません。市長になって、もし核燃料サイクルが機能していて、使用済核燃料が柏崎刈羽原子力発電所内に81%ではなく40%程度であれば、使用済核燃料税の経年累進課税化を進める必要はありませんでした。そういった意味で、今回認められたことは嬉しいですが、喜んでばかりもいられないとあらためて感じました。

記者:実際に経年累進課税が適用されるのは、搬出が可能になった年の翌年からだと思うが、現在の国の核燃料サイクルの状況を見て、搬出可能になるのはいつ頃になりそうか市長の見解を伺いたい。

市長:核燃料サイクルの肝となる青森県六ヶ所村の再処理施設が、これまで24回工事の竣工を遅らせています。原子力規制委員会で最終審査も進んでいると承知していますが、まだまだこれから課題はあると思いますし、来年度からすぐにとはいかないと思います。

青森県むつ市の中間貯蔵施設もかなり進んでいて、六ヶ所村よりむつ市のほうが先に進むのではないかと思っています。柏崎刈羽原子力発電所の再稼働が認められて、再稼働したとしても、早晩止めざるを得なくなるので、なるべく早く施設を稼働してほしいと願っています。

記者:使用済核燃料税の新設がどれだけインパクトがあるものになるのか、市長の所感を伺いたい。

市長:私にはインパクトがどれほどなのかわかりませんが、全国原子力発電所所在市町村協議会の役員会などで、他の自治体の首長から、柏崎市が考えている経年累進課税化のことを聞かせてほしいという話がありました。原子力発電所を抱える自治体の長は、核燃料サイクルの動向に非常に大きな感心を持っていることがわかります。国も東京電力も他の電気事業者もよくわかっているはずです。

今朝、むつ市長から、次に続けるように進みますという旨の連絡をいただきました。今回のことが、首長だけでなく、いろいろな方が考えていただくきっかけになればありがたいと考えています。

記者:市長は以前、市議会の答弁の中で、核燃料サイクルはほぼ破綻しているという認識を示されていたが、核燃料サイクルの将来像をどのように考えているか。

市長:今現在、核燃料サイクルの方向性が見えているとは思っていませんし、破綻に近い状態であるとの認識は変わっていません。ただし、先ほど申し上げたように、六ヶ所村もむつ市も、原子力規制委員会の審査が順次進んでいることは間違いないので、少しずつですが進んでいると考えています。

核燃料サイクルを進めるというのは、国や電気事業者の考え方ですが、その影響を強く受けるのは原子力発電所の立地自治体であり、使用済核燃料などの問題が目の前に突き付けられています。国が原子力発電を今後も重要なベースロード電源として機能させるのであれば、核燃料サイクルを機能させるのは国や電気事業者の責任だと考えています。私は、当面の間、原子力発電所の再稼働を含めた限定的な利活用は認める立場だと申し上げていますが、その考え方を、核燃料サイクルを進める立場から否定しないでいただきたいと思います。

記者:使用済核燃料税の新設まで22年かかったが、新設によって搬出は進むと考えているか。

市長:すぐに搬出が進むとは考えていません。すぐに進むのであれば、22年もかからなかったと思います。しかし、22年かかってしまったということは、22年誰も何も言わずにここまできたということです。反対している方は指摘し続けたとおっしゃるかもしれませんが、結果として、22年間何も変わらずに、容量の81%まで増えました。少しでも搬出をしなければならないというきっかけにはなり得るだろうと思います。

また、国としても事業者としても、搬出を進めなければ原子力発電を今後の重要なベースロード電源として考えていくことはできないということを、経年累進課税化することで、国にも東京電力にもその覚悟を問う心積もりです。

原発の協定に関する質問

記者:先日、原発再稼働に関して、30キロ圏内の自治体や県が協定を結ぶという話があったが、市長の受け止めを伺いたい。また、柏崎市、新潟県、刈羽村で既に協定を結んでいるが、それを30キロまで広げることに対してどのように考えるか。

市長:先般、議員たちが、安全協定を30キロ圏内に広げるべきではないかという会を組織すると伺いました。私も議員でしたので、議員としてはなるほどと思います。議員たちの行動なので、それに対して私が良否を申し上げることはありません。

しかし、市長としては、柏崎市、刈羽村、新潟県、東京電力で結ばれているこの枠組みを崩すべきではないと考えています。違う内容で30 キロ圏内の自治体が安全協定を結ぶということならば、それもまた然るべきと考えますが、再稼働の認否まで含めたレベルの協定を求めているのであれば、それは違うだろうと思います。

なぜならば、柏崎市、刈羽村、新潟県は、すでに50年以上、この原子力発電所と時間を過ごしてきました。他の自治体から見れば、柏崎や刈羽はお金をもらえて良かったではないかと言われるかもしれませんが、県の核燃料税は県内の他の自治体にも配分されているはずです。柏崎、刈羽はお金をいただいていますが、それ以上にいろいろな批判や指摘を受けたり、住民投票が行われたり、地域が2つに分かれたりという歴史を刻んできました。その自治体と30キロ 圏内の自治体が、同じレベルで同じような安全協定を結ぶべきではないと考えます。

記者:今の回答に関して、市長は、再稼働に関する協定は、柏崎市、刈羽村、新潟県で結んでいるため、それ以外の協定であればよいが、30キロ圏内の協定で再稼働に関する内容を盛り込むのは違うと思っているという認識でよいか。

市長:安全協定の中に再稼働という言葉は入っていません。大きな変更を伴うときはという文言になっていると思います。例えば現在、東京電力は柏崎市、刈羽村、新潟県に再稼働してよいかを伺うかたちになっていますが、30 キロ 圏内の他の自治体にも東京電力が問いかけるような安全協定を求めているならば、それは違うと考えています。

記者:一番肝の部分は、事前了解を含んだ協定にするか否かだと推察するが、市長としては、30キロ圏内の自治体と仮に協定を結ぶことがあっても、その中に事前了解が入るものはふさわしくないと思っているという認識でよいか。

市長:再稼働に関して、柏崎市、刈羽村、新潟県と同じような事前了解を求める記載が含まれる安全協定を求めているとするならば、それは違うと考えています。

記者:内容が違う協定であれば一考の余地があるという趣旨の発言をされたが、現時点で、30キロ圏内の安全協定の枠組みはどのようなものであれば了承できると考えているか。

市長:全国各地の30キロ圏内の自治体の議員たちからこのような動きが出てくるのは、福島の事故があったからだろうと思います。いざ事故があったときには、30キロ圏内にも被害が及ぶことが想定されます。その中で、より一層の安全を担保し得るような施策を取ってもらいたいということは然るべきだと思います。協定になるのか合意文書になるのかわかりませんが、30キロ圏内の自治体が結ばれるというのは筋ではないかと考えています。

新型コロナウイルス感染症に関する質問

記者:先日、柏崎市で感染者が確認されたが、帰省に関してあらためて市民に呼び掛けることはあるか。

市長:感染者が確認される前の8月1日、確認された8月3日にも防災行政無線で市民の皆さんにお伝えしたので、本日あらためて帰省に関して市民の皆さんに呼び掛けることはありません。お伝えした内容は、市ホームページにも、SNSにも投稿されています。

記者:施設の閉鎖などが発表されているが、これからどのような影響が考えられるか。

市長:一番心配しているのは、濃厚接触者とされている高校生がたくさんいることです。もうすぐ全員分のPCR検査結果は出ると思います。全員の陰性を望んでいますが、もし陽性者が出た場合に、家族、友達、学校関係者、部活動関係者に広がりが出てくるのではないかと心配しています。陽性者が出たことを想定して、どのような対応をしなければならないかを、それぞれの部、課でシミュレーションを始めるよう指示を出しました。

記者:国のGoToトラベルキャンペーンは今の時期にふさわしくないという声もあるが、市長はどのように考えているか。

市長:私も含めて国民の皆さんが、菅官房長官が話す内容と西村経済再生担当大臣が話す内容が少しずれていると思っているのは間違いないと思います。ウィズコロナの時代で、経済との両立も大事な視点だと思っています。先日の防災行政無線で伝えた内容は、国や県の方向性を覆さない言い方で、国や県より明確なメッセージにしました。国は8月7日に専門者会議を開いて、帰省の問題に関して見解をまとめると承知しています。誰もが思うことですが、8月7日に見解が出たとしても遅いと感じますので、私どもは8月1日に防災行政無線で呼び掛けを行いました。もっと早くGoToトラベルキャンペーンとの兼ね合いも含めて、帰省に関して方向性を明確に出していただきたかったというのが率直な感想です。

記者:市長自ら防災行政無線で話されたことに関して、市民からいろいろな声が寄せられていると思うが、意図や思いを伺いたい。

市長:いろいろな批判などをいただくと思っていましたが、放送後に市民の方からの電話などは、ほとんどなかったと承知しています。4月に感染者が出たときも、同じように防災行政無線で話をさせていただきましたが、いろいろな問い合わせやお叱りなどがありました。そのことを考えると、市民の皆さんも冷静に捉えているのではないかと思っています。

また、市民の皆さんの関心が非常に高く、なおかつ生命などに関わることですので、自動音声よりも市長が話すべきことだろうと判断しました。

越後バナーナに関する質問

記者:市長は柏崎でバナナを作ると聞いたとき、どのように思ったか。

市長:柏崎でイチゴを作ると聞いたときも驚きましたが、その数倍驚きました。農業者ではなく、まったく違う業種から南国の果物であるバナナに参入し、普通であれば1本数十円で売っているものを1本千円単位で売るという戦略を伺ってさらに驚きました。その取り組み、挑戦、センスは見事だと感じました。

以上

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更新日:2020年08月27日