市長定例記者会見での質疑応答(令和3(2021)年2月3日)

令和3(2021)年2月3日(水曜日)の市長定例記者会見での報道機関の質問と、市長、INPEX担当者、平井町内会長の回答です。

主な内容

  • 新型コロナウイルスワクチン接種に関する質問
  • ヒゲソリダイと米山プリンセスに関する質問
  • 原子力規制庁による住民説明会に関する質問
  • 平井地内での国内一貫ブルー水素製造・利活用実証試験に関する質問
  • 先般の大雪などによる被害に関する質問
  • 東京電力の原発再稼働に関する質問
  • 原子力災害時の冬季避難訓練に関する質問

新型コロナウイルスワクチン接種に関する質問

記者:高齢者から始めるということだが、何歳までを高齢者と言うのか。

市長:65歳以上は高齢者で上限はありません。

記者:会場の問題をこれから詰めなければならないということだが、ワクチン接種に向けた市の課題は他にどのようなものがあるか。

市長:課題ばかりです。注射をしていただく医者、看護師、事務方などの確保、接種後しばらく待っていただく駐車場の整備など。また、既存の施設で対応しなければならないので、どのように密を避けてより早くたくさんの人数に接種を行うのかということを含め、国や県とも相談しながら課題を想像するところから始めなければならないと思っています。

ヒゲソリダイと米山プリンセスに関する質問

記者:米山プリンセスの市民向け講演会・試食会などの計画はあるか。また、チラシに描かれているイラストは誰の作品か。

市長:米山プリンセスだけの試食会は今まで行っていませんでした。今回偶然バレンタインデーと重なったので、ヒゲソリダイを雄と見立ててプリンセスと組み合わせていただいて、ヒゲソリダイだけでなく米山プリンセスのおいしさも市民の皆さんに味わっていただきたいと思います。

イラストは女性職員が描きました。

原子力規制庁による住民説明会に関する質問

記者:説明会の開催は、IDカードの不正使用が発覚する前から決まっていたのか。

市長:はい。

記者:先日市長が出された要望書に関して、この説明会で原子力規制庁から明確な説明などがなされる確約はあるのか。

市長:確約はありません。ただし、元々これは7号機の審査が終わったことに関して市民の皆さんに直接説明してもらいたいと要望していましたので、これはこれとして非常に大きな意味はあると思います。

要望書の5番目に、機会を見て直接市民の皆さんに説明していただくことを希望すると書かせていただきましたが、これはこの説明会を意識して書いたつもりです。12日の説明会で、現段階での所見で構わないので、できる限りの説明をいただければありがたいと思っています。

記者:従来、県と刈羽村と共催で行ってきたが、今回柏崎市単独となった経緯を伺いたい。

市長:県と刈羽村との共催も考えましたが、県は3つの検証が現在進行形という事情があると思います。刈羽村は承知していませんが、今回は県も刈羽村も一緒にというお声はなかったと思っていますので、結果的に柏崎市が単独で主催となりました。それにより、対象者も市内在住者に限定させていただきました。

記者:安全対策工事の一部が未完了だったことが発覚したが、説明会には影響がないのか。

市長:その件も含めて原子力規制庁から説明していただけるのではないかと期待していますが、今回の件が発覚したからといって安全審査が元に戻るということはなく、あくまでも完了したと私自身は承知しています。

平井地内での国内一貫ブルー水素製造・利活用実証試験に関する質問

記者:INPEXに平井で実証実験する動機と投資規模などを可能な範囲で伺いたい。

また、市長には、地域エネルギー会社の構想もあると思うが、この柏崎産の水素をどのように活かしていくのか伺いたい。

INPEX 君波氏:当社は新潟県から1都8県にまたがる全長1,500キロメートルのパイプラインを持っており、主に長岡の天然ガスと直江津基地で受け入れる海外のLNGをミックスして、一番遠いところでは静岡まで送っています。

平井地区の地層で当社が取り残している天然ガスなどを、水素を作ったときに分離して出てくるCO2を戻してさらなる回収を狙うことが目的となっています。さらに、規模はまだ検討中ですが、ブルー水素電力と言われるものを柏崎市にご利用いただきたいと思っています。

市長:来年からプロジェクトが始まり、プラントができるまで2年ほどかかるというお話だと思います。そこでできる電力量や価格も重要ですが、地域エネルギー会社設立を目指していますので、再生可能エネルギーを中心とした電力を自社電源として考えています。ブルー水素は非常に理想形に近い電力の供給源ですので、提携電源の一つとしてこれから具体的な交渉をしなければならないと思いますが、基本的にはお受けすることを前提に詰めていきたいと考えています。

記者:地域エネルギー会社の構想の中で、前日の準備会では基金を立ち上げて補助金を出すという話もあったが、今回の水素製造に当たって市としてどんな支援を考えているか。

市長:今のところ財政的な支援は頭にありません。最初の支援かつ一番大切なのは、地元の方々とINPEXの仲立ちをして、INPEXが行う事業を行政の立場からも住民の方々に分かりやすく説明することだと思っています。その後、地域エネルギー会社の設立なども併せて、INPEXと柏崎市が経済的な部分も含めてどのような関係を持つかは、これからの話になると思います。

昨年の10月ごろにINPEXに伺い、社長と話をさせていただきましたが、その時はこの構想の話はありませんでした。ここにきて急展開したというのが私の印象なので、具体的なことは意見交換をしながら良い関係を作り上げていきたいと考えています。

記者:今の段階で平井地区の方や市民に向けての説明会などは予定しているか。

市長:町内会長と平井地区の2、3人の方々にはINPEXの君波氏から説明していただきました。町内会としての説明はまだありませんので、求められるということであれば、市が仲立ちをして、INPEXからより多くの方々に事業説明をしていただければありがたいと思います。

INPEX 君波氏:INPEXとして、町内会長、土木担当の方、農地担当の方の3名に説明させていただきました。まだ詳細設計段階で、規模感がイメージできないと思いますので、もう少し煮詰まってから町内会の皆さんや柏崎市に説明させていただきたいと思っています。

記者:柏崎市は風力や今回の水素事業など、再生可能エネルギーに力を入れていると思うが、あらためて柏崎市での再生可能エネルギーへの期待と可能性をどのように考えるか伺いたい。

市長:柏崎市には世界最大の出力規模を持つ原子力発電所があります。当面の間、原子力発電所は必要ですが、同時に、これからの時代は再生可能エネルギーを環境エネルギーとして、柏崎の新しい産業として組み立てていきたいと申し上げています。そういった意味で、3年前に地域エネルギービジョンを掲げました。そうしたところ、INPEXや今ここでは申し上げられませんが、他社からも地域エネルギービジョンに協力したいという声があります。

また、西山地区を中心に、風力発電の計画が進められています。それぞれ簡単にうまく進むとは考えていませんが、地域エネルギービジョンに注目していただいている事業者が非常に多くなっている実感があります。さらに、菅総理がカーボンニュートラル2050を掲げられたことも大きな追い風だと考えています。国の大きな動きや流れを大切にしながら、私共が組み立ててきた原子力発電所との当面の間の共存と、再生可能エネルギーを環境エネルギーとして組み立てていくということをさらに強力に進めていきたいと考えています。

記者:INPEXに平井地区を選んだ理由と、どれぐらいの規模を予測しているか伺いたい。

また、町内会長には、住民の反応などを伺いたい。

INPEX 君波氏:平井地区の道路を挟んで300メートルぐらい山側に入ったところに、当社の東京ラインと呼ばれるパイプラインが走っています。平井が操業停止してからもパイプラインは残置してありますので、その幹線パイプラインから反対にメタンガスを引き込んで水素を作るということで、平井地区を選定しました。重なりますが、平井地区は枯渇したガス田で、そのCCUSであるEORと呼ばれる原油ガス二次、三次回収法が実証でき、水素を作ることだけでなく、CO2によってさらなるエネルギー回収をしようということで平井地区を選ばせていただきました。

菅首相の2050年カーボンニュートラルの話があってからブルー水素発電事業を検討し、柏崎市にもお願いして、当社の事業説明をしたところです。1月からメーカーと詳細検討していますので、規模はまだお答えできる状況ではありません。

平井町内会長 佐藤氏:まだ施設の詳細や概要がわかりませんので、具体的なことが決まったら町内にも説明をお願いしたいと思っています。今は情報があまりないので、賛成や反対だということは考えていませんし、正直わからないというのが実情です。先ほども申し上げたように、水素という言葉に不安を感じている方も実際にいるので、不安を解消していただくような丁寧な説明をお願いしたいという程度です。具体的なことはこれからだと思います。

記者:ブルー水素製造・利活用実証試験に対する自信を伺いたい。

INPEX 君波氏:現在実際に神戸で、あるメーカーが水素でエンジンを起動させて、その動力で発電しています。その水素を作る過程が一番シビアで、また、その水素の立方メートル当たりの単価が問題だと思っています。これから詳細検討に入りますが、平井で実証してサイクルとして成り立った時に、さらなるスケールアップを将来的なプロジェクトとして考えています。早ければ2023年の末に稼働を目指していますが、2023年から10年、20年規模で取り組んでいこうと思っていますので、自信はあります。

先般の大雪などによる被害に関する質問

記者:先般の大雪などによる柏崎市の被害状況を伺いたい。

市長:国に対して豪雪に対する緊急要望書を提出させていただきました。具体的な数字は書き込んでいませんが、総務省に対して豪雪に伴う特別交付税の増額配分について、国土交通省関係では市道除雪費補助の臨時特例措置について、内閣府に対して原子力災害時における避難経路の確保について要望書を提出しました。具体的な被害に関しては、後ほど資料をお渡しします。

記者:現在の除雪費と、これからの見通しを伺いたい。

市長:市道関係では6億に至っています。詳しくは後ほど資料をお渡しします。

東京電力の原発再稼働に関する質問

記者:今後の再稼働に向けた動きは、2021年の上半期に大きな動きが出てくるのではないかという話だったが、今回の件でその辺りのスケジュール感はどのように考えるか。

市長:期待感を含めて上半期と申し上げましたが、今回の件で少なくとも数カ月単位で遅れる可能性も大きくなったのではないかと思います。

記者:この件で、自民党新潟県連の小野幹事長が今年中の再稼働はあり得ないというようなことを東京電力との面会で話されたが、市長としても今年中または今年度中の再稼働はあり得ないという認識か。

市長:以前小野先生と話をさせていただいた時には、そのような話はされていませんでしたし、報道を通しての発言でしか承知していません。IDカード不正使用と安全工事一部未完了の件で反応された発言だろうと思いますが、発言の本当の意味なども含めて、直接伺っている部分とニュアンスが違うので、その部分に関してはお答えできません。

今年の前半というスケジュール感は、数カ月単位で遅れる可能性が出てきたと申し上げましたが、原子力規制委員会の検査は終わっていますので、年内、できれば年度の前半プラス数カ月の中で結論付けられることを期待すると申し上げるだけです。

記者:つい先ほど、柏崎商工会議所が東京電力に、IDカード不正使用や安全対策工事一部未完了に関して、大きく失望したという強い言葉を使いながら再発防止の確立や地域への説明を申し入れたが、商工会議所からこのような声が出ることをどのように感じるか。

市長:申し入れするという話は伺っていましたが、内容はまだ拝見していません。今まで50年間原子力発電所を推進してきた団体である商工会議所が、失望したという言葉を使われたのであれば、そのような厳しい意見が出されること自体の重みを東京電力には十分感じ取っていただかなければならないと思います。

原子力災害時の冬季避難訓練に関する質問

記者:市長は先日、原子力災害を想定した冬季避難訓練を見学され、具体的に実効性のあるものを今後重ねていく必要があると話されたが、具体的にどのようなところが今後訓練で必要だと考えるか。

市長:鵜川地区市野新田という、原子力発電所からおおむね5キロメートル~30キロメートル圏内にある小さな集落を会場に避難訓練を行いました。今度は、山間部でもさらに大きな集落や原子力発電所からおおむね5キロメートル圏内の会場でも訓練が必要だと思います。海に近い地域でも雪で困ったという意見もいただいていますので、国、県とも相談しながら、規模感も含め、冬季間のみならずあらゆる場面を想定した避難訓練を積み重ねていかなければならないと考えています。

記者:原子力発電所からおおむね5キロメートル圏内の住民の方々が今回の大雪を受けて要望書を提出された。原発再稼働の賛否は置いておいて、住民が大雪で車庫から車が出せないというところもあったが、除雪に関してどのように感じるか。

市長:今回要望書を出された方々の中には、国道に面したところに住んでいる方もいらっしゃいます。除雪車が除雪をして、車庫の前に大きな雪の塊を置いていってしまい車が出られなくなったという事例も伺っています。

要望書を出された地区の方々のところへ行き、話を伺ってきました。確かに例年に比べて多く雪が降り、除雪車の雪で車庫から車が出しにくくなりましたが、スコップでどければ出られる状況になったという方も多くいらっしゃいます。

もちろんいつもの冬、冬以外の状況から見れば避難しにくい状況だったと理解しますが、全く避難できないという状況でもなかったのではないかと思います。もしできないという状況だったならば、自衛隊のヘリや船舶の利用などを国、県とも相談しながら、避難計画の実効性をより一層高めていく努力は続けていきたいと考えています。

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更新日:2021年02月15日