柏崎総合医療センターに研修医がやってきた! 研修医ってどんなお仕事?
柏崎総合医療センターに令和4(2022)年度、6年ぶりに2人の研修医が赴任しました。令和5(2023)年度は新たに4人が採用され、現在5人の研修医が働いています(令和6(2023)年3月まで1人は院外研修中)。
地域医療を支える医師、研修医の皆さんにお話を伺いました。
お話を聞いた皆さん
インタビュー
研修医の受け入れへの思い
病院長 相田 浩さん
相田:地域医療を守るためには医師を確保していかなければなりません。また「若い人材を養成し、次の世代を担う医師を育てる」という意思が私たちにないと、当院の未来にもつながりません。医療面の安心安全を確保していくためにも、次の世代を担う研修医の皆さんは貴重な宝であり、大切な戦力だと思っています。
副院長 長谷川 伸さん
長谷川:当院は柏崎・刈羽地区の大事な総合病院という位置づけでやっています。柏崎の地域医療を経験していただければ、将来どの病院や診療科を選んでも絶対に後悔しない研修ができると確信しています。そのためにも指導医という立場ですが、みんなと一緒に頑張っていきたいと思います。
研修医ってどんなお仕事?1日のスケジュールは?
相田:医学部を卒業し、国家試験を合格すると医師免許が取得できます。その後、総合力をつけるため、研修医として2年間初期臨床研修を行います。研修医は医師のライセンスを持っていますが、研修過程ですので単独で処置や治療を行うことはなく、必ず指導医がついているので、患者さんには安心していただきたいです。
研修医(2年目)堀 真瑛さん
堀:医師として全く知識がないわけではありませんが、現場での経験を積むための一歩目として初期臨床研修で学びながら働いています。
研修医(2年目)熊谷 守洋さん
熊谷:研修医は言葉通りで、研修する医師です。医師のライセンスはありますが、患者さんから研修させていただいている立場だと考えています。
相田:基本的に月曜から金曜日の午前8時30分から午後5時まで勤務しています。事前に組まれたスケジュールに従って研修します。内科であれば外来や入院が主ですし、外科であれば回診や手術などそれぞれの診療科で基本的なことを学んでいきます。当直業務や休日の日直業務にも月3回ほど入ります。働き方改革もあり、夜遅くまでやっていた昔とは違います。
医師を目指したきっかけは?
熊谷:結構幼稚ですが、ドラマやドキュメンタリーで描かれている医師の姿に憧れたのがきっかけでした。
堀:母から人の役に立ちなさいと言われたときにパッと思い浮かんだのが医師でした。高校生のときに病院のインターンシップに参加しました。やはり働く医師の姿はかっこよく、改めて医師になりたいと思いました。
高橋:高校生のときから生物学がとても好きで、人体や体の仕組みなど一番深く探求できるのはやはり医師だと思って目指しました。
古島:医師として働く父の姿に憧れ、物心ついたときから目指していました。
酒巻:両親が医師で診療所を開業をしており、幼いときからよく見ている一番身近な職業が医師でした。人の役に立ちたいという思いもありました。患者さんと生活習慣病などを一緒に治していく、病気と付き合っていく指導ができるパートナーのような存在に憧れたことも理由の1つです。
研修医(2年目)高橋 澄さん
研修医(1年目)古島 聖さん
研修医(1年目)酒巻 摩周さん
柏崎総合医療センターを選ばれた理由、赴任した感想を聞かせてください。
酒巻:埼玉県出身、新潟大学を卒業したという理由から、埼玉県と新潟県の病院を探していました。探していく中で柏崎総合医療センターの存在を知り、海外留学支援制度および新潟県イノベーター育成研修の2つを提供していたのが当院を選んだ具体的なきっかけです。大学病院のような高度な専門医療を提供している医療機関ではなく、いわゆる地域に密着した柏崎総合医療センターのような病院を希望していたこともありますし、何より見学をした際の雰囲気がとてもよかったため決めました。
古島:群馬県出身ですが、母の地元が柏崎市で、祖父母も柏崎に住んでいるため、もともと柏崎には馴染みがありました。群馬県から出てみようと考えてみたときに、1人で全く知らない土地に行くよりは、馴染みのある柏崎がよいと思いました。見学をしたときに医療体制も充実しており、雰囲気もとてもよかったです。
高橋:東京都の大学出身でずっと東京にいました。将来の夢は、患者さんから採取した細胞を顕微鏡で見て、どんな疾患なのか、細胞の特徴から治療を考える「病理医」になることです。そういう道を進むとなると患者さんと相対する時間は研修医のときにしかないと思いました。地域に密着したような病院で患者さんとの距離が近く、一般的な疾患がみられる病院を探し始め、愛知、岐阜、静岡、群馬、埼玉、新潟とみており、見学していく中で一番雰囲気がよかったため決めました。
堀:熱心な指導が受けられると思い当院を希望しましたが、思っていた以上に手厚く熱心に指導してもらっています。
初期研修プログラムの特徴は?
長谷川:標準的なプログラムは1年目に必須科目を研修し、2年目に希望する科目を叶えてあげることを意識したプログラムになっています。当初、定員は4名でした。研修では総合診療が1番重要視されると思い、若い先生のニーズに応えられるような魅力のあるプログラムを用意するため、2つの新たなプログラムを追加しました。1つは総合診療の中の消化器内科に重点を置いたプログラムです。もう1つは臨床力やへき地診療などの総合診療をしながら、他の整形外科や脳外科も行う総合診療そのものに磨きをかけたプログラムです。いずれも定員1名ずつ設け、計6名の受け入れ態勢となりました。さらに今年度から当院を中心として他の病院でも研修をしてもらう、たすきがけ制度も始まりました。神奈川県の2病院と縁があり、1人ずつたすきがけの枠が設けられ、最大8名という枠を当院では用意しています。こういったさまざまな枠があることで若い先生、医学生に興味を持ってもらうきっかけになると思います。
研修してみてよかったことはなんですか?
熊谷:手厚い指導をしていただいています。ベテランの先生方の考え方は勉強になり、刺激となります。細々したことは直近の若い先生に聞いて、困ったときはその都度助けていただいています。また、私は呼吸器外科に興味があり、他の病院ですと2年目で自由に選択することが一般的ですが、1年目で先に他の病院で呼吸器外科、放射線外科を回らせていただきました。ありがたく感じています。
堀:私も神経内科に興味があったため、1年目に新潟病院で研修させていただきました。各専門の先生から専門的な部分をプラスで教えてもらい、ひとりだけでは学べないようなことをしっかり教えていただきました。
職場環境や多職種連携はどうですか?
堀:職場環境はとても良いと思います。一番印象的だったのはスタッフ同士がきちんとあいさつをすることです。看護師や放射線技師など他の職種の方もいろいろと教えてくれますし、アットホームな職場だと思います。働き方改革も先行して進められているのでプライベートをのびのびと過ごしつつ、研修ができています。
酒巻:新人の看護師さんとの合同研修があり、大学ではあまり交流のなかった看護師さんと一緒に多職種連携を学びました。このような機会が相談のしやすさなどにもつながると思いました。
プライベートについてはどうですか?
熊谷:柏崎に長く赴任している先生におすすめのお店を聞いて行ってみたりしています。まだまだ開拓しきれていないためお店巡りをしたいです。
堀:天気が良い日はサイクリングを楽しんでいます。海岸も近いので海に出かけたりします。ずっとやっていたソフトテニスのクラブチームに参加したりもします。
酒巻:新潟工科大学の図書館に行ったりしています。海も山もあるので夏になったら行ってみたいと思っています。
高橋:柏崎に来るにあたって一番期待していたのがお魚とお酒です。日本酒が一番好きで、食べたり飲んだりしています。土曜・日曜になると遠出したりします。柏崎の海にまだ行けていないのでお散歩がてら行きたいです。
医師を目指してよかったこと、うれしかったこと、大変だったことはなんですか?
堀:医学部の実習では、新型コロナウイルスの影響で、病棟に入って患者さんと接する機会があまりありませんでした。研修医として実際に患者さんと接し、元気になって帰る姿を見ると、この仕事をやっていてよかったなと思います。
熊谷:救急外来で処置をした患者さんに「何かあればまた相談してください」とお伝えしています。その後相談がないと処置が上手くいったんだと喜びを感じます。一方で経験が乏しいため、処置や治療方法の選択で迷ってしまうことに歯がゆさを感じています。少しずつ経験で埋めていきたい思っています。
これからの目標を聞かせてください。
堀:まずは一人前になることが目標です。今は指導医と相談し最終決定を行いますが、3年目になったときに自分自身で判断し、患者さんの診療をしっかり一人でできるようになりたいです。成長したら自分が今教わっていることを今後新しい先生方にも伝えていきたいと思っています。
熊谷:どの診療科に進むにしても最低限の知識を身につけて自分で考えて行動できるような医師を目指します。新潟県は医師不足なので、ジェネラリストになることを1つ軸として持って、ありふれた疾患については治療できるようになりたいと考えています。
酒巻:留学支援制度で奨学金をいただき、公衆衛生の大学院に進みたいと考えています。その大学院では地域や医療に関する社会の課題を発見して、解決するまでの一連の流れを学ぶので、学んだことを柏崎に還元したいと考えています。
古島:医師として一人前を目指すというのが一番ですが、社会人としても1年目ですので並行して成長していきたいと思います。
高橋:将来の夢である病理医は、患者さんと接する機会がなく、皆さんがイメージする医師とは少し違いますが、病理学の先には患者さんがいます。今の現場での研修を大事にし、現場を忘れない病理医になりたいと思っています。
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更新日:2023年07月03日