市長定例記者会見(令和4(2022)年11月2日)

市長定例記者会見(令和4(2022)年11月2日)のお知らせ

東京2020オリンピック・パラリンピック選手村ビレッジプラザで使用した木材から制作したベンチの説明をする柏崎木材協会の太田会長

東京2020オリンピック・パラリンピック選手村ビレッジプラザで使用した木材から制作したベンチの説明をする柏崎木材協会の太田会長の写真

除雪管理システムの画面を指す市長

除雪管理システムの画面を指す市長の写真

以下の「定例記者会見」で、概要をご覧いただけます。

報道機関との質疑応答を追加しました。

市長記者会見インターネット録画配信

市長記者会見の録画映像を「YouTube柏崎市公式チャンネル」でご覧いただけます。

発表事項

東京2020オリンピック・パラリンピック選手村ビレッジプラザで使用した木材をベンチに!

オリンピック・パラリンピック選手村ビレッジプラザで使用された柏崎市石曽根地内の市有林から伐採された木材を、柏崎木材協会の皆さんからベンチに加工していただきました。オリパラのレガシーとして木材でベンチを作ったということで、作業工程を後ほど柏崎木材協会の太田会長から説明していただきます。設置場所は市役所、総合体育館、元気館、ソフィアセンター、アクアパークです。東京2020オリンピック・パラリンピック選手村ビレッジプラザに柏崎の木材を使うということで、当時の委員長を務めていた森元首相からお声掛けをいただいたことを覚えています。

柏崎木材協会の太田会長から、ベンチ作成の経緯などをお話しいただきます。

 

柏崎木材協会 太田会長:約4年前に柏崎市石曽根の葛又というところで切り倒されて、長岡で加工されました。柏崎市の材料はオリパラ選手村の、主に選手の足元を支える床材として利用されました。オリパラ終了後に解体され、今年2月、構造材のまま柏崎に返ってきました。当初から、約5立方メートルの角材をなんとかベンチに加工して、市民の皆さんから親しんで使っていただきたいという思いがありましたので、ベンチの構想をしました。当組合も熟練した技術を持った人がたくさんいますが、地元を振り返ったとき、未来の建築士やデザイナーの卵がいる新潟工科大学の学生とのコラボレーションを考えました。そこでいくつもシミュレーション、模型の制作を繰り返し、形を決定しました。かなりの日数と時間を要しました。返ってきた角材にはビスが残っていたので、製材するに当たり、刃が何枚も駄目になるというトラブルも発生しました。そんな苦労の中で、本当に自慢したくなるクオリティの高いベンチとスツールができたのではないかと思っています。市民の皆さんに座ってもらうには本当にいいベンチだと思います。それぞれのベンチに個性があり、木目や赤身・白太(しらた)の部分でかなり違ったかたちで見えますので、市役所以外の建物も回ってベンチ、スツール全11組を写真に収めながら確認していただければと思います。

少し話が変わりますが、今年4月から柏崎地域つなぐプロジェクトと題して、地域の材を地域の人により知っていただき、知っていただくことによって使ってもらえる機会をより増やそうという取り組みを始めています。地域は地域の人が守っていくという大前提の中で、地元の山を見れば荒れた木がたくさんあります。この木をなんとか生かして使っていただき、新たに植える、新たな命を山に返していくという取り組みをしなければならないというところで、地元の地域森林組合、私共の木材組合、市農林水産課、長岡地域振興局に植木組が加わり、会議を重ねながらいろいろな取り組みを始めています。

先月の市長定例記者会見で発表のあった森林ウォーキングが11月5日にありますが、つなぐプロジェクトとしてサポートしながら、市民の皆さんからオリパラに出た材のふるさと、里山を見ていただきたいと思っています。木の命をつなぐというのは本当に身近なものですが、みんなでやっていかないとつながらないプロジェクトです。木を大事に使いながら、地域をよりいい方向へ向けていただくために、皆さんのご協力・ご支援を引き続きお願いしたいと思います。

 

市長:材は杉だということです。太田会長からもお話しいただいたように、オリパラのレガシーが、このようなかたちでそれぞれの公共施設に生かされています。杉材の温かみ、温もりといったものが市民の皆さんに伝わるだろうと思っていますので、森林組合の方々と共に木を大事にする、森を大事にするということで、私たちも市政を進めていきたいと思っています。

(主管:農林水産課 電話番号:0257-43-9131)

雪に強いまち柏崎に向けて今年度の道路除雪計画を策定

除雪計画は資料のとおりです。機械除雪延長がそれぞれ微妙に増えています。除雪路線区分の緊急確保路線が64.519キロメートルで昨年比マイナス10.3キロになっていますが、これは西山地区で今年度から新交通システムを動かし始めて路線バスが廃止され、その部分が減じたということですので、実質的な生活に支障をきたすような減ではありません。除雪出動基準は変更ありません。除雪機械台数、除雪事業者内訳も資料のとおりで、ほぼ前年並みのです。非常に厳しい人手不足ですが、頑張っていただいています。そういったところを補完するという意味も含めて、今年度から除雪管理システムの運用を開始します。スクリーンを使って除雪管理システムの説明をします。

 

道路維持課長:今年度から運用を開始する除雪管理システムで確認できる除雪の状況の動画を紹介します。本動画は、令和3(2021)年1月1日午前3時59分、柏崎市米山台3丁目と4丁目の境にある市道柏崎6-32号線の除雪状況です。前日の午後11時30分ごろから作業を始め、午前5時過ぎに作業を終了しています。当日の積雪は10センチ程度です。本路線は三種路線のため一車線を確保する計画ですが、積雪が比較的少ない場合は車道を数回往復して全幅を除雪しています。車庫や間口などには極力雪を残さないように機械を操作していただいています。

 

市長:ご覧いただいたように、本年度から、163台の除雪車全てにGPSやドライブレコーダーを搭載し、事務処理を総括的に行う除雪管理システムの運用を開始します。このシステムにより、除雪状況が分かりますし、当然のことながら降雪・積雪状況も分かります。GPSを搭載していますので、本部で今除雪車がどのように動いているかも分かります。DXという大げさな言葉を使うつもりはありませんが、少しでも人手不足を解消することも含めて、合理的な除雪、市民の皆さんにより分かりやすく納得していただけるような除雪体制にしたいと思っています。市議会の議長、副議長とのミーティングの中で、これを市民の皆さんにオープンにするのかという質問がでましたが、今のところ予定はありません。除雪路線はすでにインターネットでオープンにしています。

近年の降雪状況についてお話しします。ここ5年の中では、柏崎総合高校の地点で一番降雪が多かったのは平成29(2017)年です。その次に令和2(2020)年です。この5年間で最も少なかったのは令和元(2019)年です。過去5年間の市関係の除雪経費は、おおむね7億円から8億円ですが、一番降雪が少なかった令和元(2019)年は2億円程度でした。

(主管:道路維持課 電話番号:0257-21-2283)

首都圏で「仕事と移住」のセミナーを開催します

人口減少が著しく、少しでも食い止めるため、ぜひU・Iターンをお願いしたいと思っています。11月22日に、東京表参道の新潟館ネスパスで仕事と移住のセミナーを開催します。移住したいけれども仕事はあるのだろうかという疑問に対し、素晴らしい企業、素晴らしい仕事が皆さんを待っていますということで、市内企業9社の皆さまからもご参加いただきます。また、私共の移住・定住をお手伝いいただいている移住・定住推進パートナーチームの皆さまからもご参画いただいて、同じような世代の方々や、移住を経験した方々からも相談に乗っていただけますので、多くの方々からご参加いただきたいと思います。チラシが地方転生物語というドラマチックなネーミングになっていますが、しごととくらしののぞき見というかたちです。私も顔を出させていただき、多くの方々から柏崎への移住・定住をお考えいただきたいという試みです。

柏崎市に移住・定住していただくと、総額いくらぐらいもらえるのかということを1枚の資料にまとめました。柏崎に移住して、定住していただくと、最大で総額89万円支援します。このような支援策があることを、ネスパスでも皆さまにお伝えしたいと考えています。

(主管:元気発信課 電話番号:0257-21-2311、商業観光課 電話番号:0257-21-2335)

柏崎の魅力を発信!「2022“よい仕事おこし”フェア―コロナに負けるな!大商談会」に出展

よい仕事おこしフェア実行委員会の事務局は、日本でおそらくナンバー2の城南信用金庫が務めています。私共も3回目の参加になります。東京ビッグサイトで行われます。柏崎市の米山プリンセスは非常に好調で、昨年の倍以上の収量を確保し、今まで以上の品質も確保していると承知しています。この米山プリンセス、シモダ産業の越後バナーナ、柏崎ユーエステックのポータブルオゾン発生器を市として出展します。株式会社サイカワも単独で出展し、柏崎勢が勢揃いして、このよい仕事おこしフェアに参加します。6日には、信金の理事長、商工会議所の会頭、シモダ産業の副社長と私がステージに登壇し、柏崎にはこんな仕事があります、こんなものを作っていますということを多くの方々にPRをします。そして、柏崎の可能性に目を向けていただきたいと思っています。

(主管:商業観光課 電話番号:0257-21-2335)

常盤台地区雨水調整池工事を活用した校外学習を実施

米山台川という河川が鵜川に流れ込んでいるところで浸水が起こるということで、浸水対策で雨水調整池を建設中です。池を掘って、その上に蓋をするのですが、その蓋に剣野小学校の4年生の皆さんから絵を描いていただきました。雨水調整池は、普通であれば少し殺伐とした風景かもしれませんが、お子さんたちに絵を描いていただくことで少し明るい雰囲気になるだろうという期待も込めました。また、お子さんたちにも、なぜ調整池を造るのか、浸水や浸水対策なども学んでいただきたいという校外学習です。柳橋町地区に雨水調整池整備も予定しています。

(主管:建設課 電話番号:0257-21-2260)

綾子舞のユネスコ無形文化遺産登録勧告に関して

先般、500年の伝統を誇り、柏崎の民俗文化財である綾子舞がユネスコの無形文化遺産への登録を勧告されました。正式決定は11月下旬から12月頭になると思いますが、風流踊りの一つとして、新潟県では魚沼の大の阪と一緒に登録を勧告されたというかたちです。非常にうれしい話で、正式決定が待たれるところです。

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イベント

スポーツ

定例記者会見の質疑応答

報道機関から受けた質問項目は、以下の通りです。

  • 道路除雪計画に関する質問
  • 仕事と移住のセミナーに関する質問
  • 綾子舞の無形文化遺産登録勧告に関する質問
  • 柏崎刈羽原発の配管欠損に関する質問
  • 小・中学校の統合に関する質問
  • 国道8号柏崎バイパスの整備事業に関する質問
  • 旧鯨波公園跡地に関する質問
  • ヨウ素剤の配布率に関する質問

道路除雪計画に関する質問

記者:除雪管理システムは、常時市職員が見ていて機械などを投入するところを指示するというイメージでよいか。

道路維持課長:除雪計画では、除雪を担当する事業者と機械を指定していますので、このシステムを使って除雪場所を指示するということはありません。機械のエンジンがかかっていれば、市役所のパソコンで今どこを走っているかを確認できるシステムです。

記者:リアルタイムで局所的に降雪があり、除雪が朝の通勤時間帯に間に合わないときでも、弾力的に事業者に入ってもらうことはできないということでよいか。

市長:基本的に除雪路線は決まっていますので、除雪路線以外の部分については、急な対応はできません。計画路線であれば可能です。

記者:除雪管理システムのデータは今のところ市民にオープンにされないということだが、今スクリーンに映している画面を市民が見られないという理解でよいか。

市長:はい。

記者:除雪の映像も鮮明で、これを公開した方が市民の理解を得られるのではないかと思うが、オープンにしない理由は何か。

市長:初年度ですので、まず運用が実際にうまくいくかどうかも含めて検証します。また、市民の皆さんにオープンにするためにはコストの問題もあります。

記者:会津若松市では3、4年ほど前から除雪車の移動のデータを市民に公開していて、除雪車がいつ来るのかという市民から市役所への苦情がかなり緩和されたという話もある。なかなか難しいと思うが、何年ぐらいで市民へのオープン化を目指すというような長期的な計画はあるか。

市長:長期的な計画は今この時点ではありません。会津若松市のような先進地の事例を見ながら、コストとの兼ね合いも考えながら検討を進めていきたいと思っています。

記者:このシステムを入れることで何が大きく変わるのか。事務処理の軽減などの部分で基本的に市役所内部が良くなるということか。市民に関係することはあるか。

市長:市民の皆さんに今の段階で直接関係することはないだろうと思います。しかし、除雪事業者、オペレーターの人手不足や高齢化が進んでいる中で、デジタル化が進むことによって手書きの報告書が作成不要になるなど手間が省けますし、私共も一目瞭然で全体の除雪状況を把握できるようになります。市民の皆さんのメリットに関しては、今後どのようにこのデータなどをオープンにしていくかというところが今後の課題だと承知しています。

仕事と移住のセミナーに関する質問

記者:首都圏でどれだけの人に来てもらえるかが重要だと思うが、若者やU・Iターンを考えている人からイベントに来てもらうためにどのような働きかけをしているか。

市長:柏崎ファンクラブという非常に大きな分母がありますので、私共がぜひお越しいただきたいと思っている20代から40代の方々を対象に、ファンクラブに登録していただいている方々などへ連絡を差し上げます。また、私共と提携している有楽町の移住交流センターなどでもこのイベントの周知を図っていきたいと考えています。

記者:このイベントは移住・定住推進パートナーチームの提案があって実現したものなのか。また、柏崎市の企業が参加して実施するのは初めてか。

市長:移住・定住推進パートナーチームからいろいろな提案をいただいています。その一つとして、市の元気発信課が従来考えている、メールだけのやり取りではなく実際に顔を合わせて柏崎の魅力を発信する、市役所の職員だけではなく、柏崎の企業経営者からも柏崎の企業の魅力、仕事の魅力を話していただくというものがありますので、移住・定住推進パートナーチームと元気発信課の共同提案とお考えいただきたいと思います。

柏崎の企業の方々が参加するのは初めてではありません。過去にもいろいろな企業から移住・定住や就職の相談などの話をしていただいています。

綾子舞の無形文化遺産登録勧告に関する質問

記者:綾子舞がユネスコ無形文化遺産に登録される見通しになったことについて、改めて市長の受け止めを伺いたい。

市長:綾子舞は国の重要無形民俗文化財で、柏崎市が誇る500年の歴史を数える伝統芸能です。鵜川にある高原田、下野という2つの集落座元が500年という年月を重ねてきた綾子舞が、このたび世界から認めていただけるステージを得ました。正式決定は11月下旬以降になると思いますが、まず勧告をいただいたというのは大変誇らしく思います。改めて両座元、そして両座元を支えていただいた地域の方々、後援会の方々、保存会の方々に感謝を申し上げたいというのが私の率直な感想です。

記者:正式決定以降、記念イベントや舞台の催しなどは考えているか。

博物館長:決定後は、今のところ、12月下旬ごろをめどに催しを開催できたらというところで座元と協議中です。決定前にはなりますが、11月13日にはアルフォーレに魚沼市の大の阪を招いて公演する予定です。

市長:来年度は大規模なお祝いを、市を挙げて行いたいと考えています。

柏崎刈羽原発の配管欠損に関する質問

記者:10月27日に東京電力が発表した、7号機のタービン系の配管に直径6センチの穴が開いていたということについて、市長は心配が大きいという見解を出されたが、改めてこの問題について東京電力から何らかの説明があったのか。また、現時点での受け止めを改めて伺いたい。

市長:昨日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の稲垣所長に市役所にお越しいただき、7号機タービン系の円形の欠損の部分、杭の部分に関しての説明をいただきました。私は、配管部分にある6センチの円形の欠損の部分に関して、切り取ったような、真円に近いような形で欠損しているということを指摘して、どうしてこういうことが起こるのか、また、他にもこのような心配はないのかということを主に尋ねました。

所長からはより具体的な説明をいただきました。もちろん専門家ですので、私の認識違いがあるかもしれませんが、直系3メートルの配管だそうです。人が入って確認できるような大きさです。しかし、この欠損箇所に関しては、流れるところの手前にメッシュのようなものがあって、人が入って点検できないところだという説明でした。結果的に、循環水ポンプを動かして、停止した後に設備周りを点検したところ、循環水ポンプからつながる放水路側の循環水系配管の下部に円形状の欠損直径約60ミリがあることを確認したということです。どうして水が一定程度流れた後に欠損が起こったのかを伺ったところ、引き込まれる力で欠損が生じたのではないかという所長の話で、詳しい原因の究明はこれから行うということでした。今回の欠損は放水側ですが、取水側、これから冷やすための部分に欠損があったとすると、大きな問題になり得ると思うので、そういったところも含めて確認してもらいたい、また、7号機のみならず、このような中に樹脂でコーティングをされている配管が他の号機や他の部分にもあるか、それは何カ所あるか、数と場所も含めて知らせてもらいたいということを話しました。所長も了解したということでした。説明を受けましたが、私としてはギザギザの形ではなく、しっかりと切り取ったかのような円形の欠損があるというのはどう考えてもおかしいと申し上げて、原因の調査をお願いしたところです。柏崎刈羽原子力規制事務所にも電話し、副署長が出られたので、所長に私の意志、考えも伝えてもらいたいという話をしました。

記者:原子力規制事務所に伝えた市長の考えというのを改めて伺いたい。

市長:きれいに切り取られたかのような6センチの円形状の欠損が生じるというのは、素人ですが不自然である、おかしい。こういった箇所が他にないかということを含めて確認してもらいたい。そして、すぐに修理に向かうのではなく、原子力規制庁としてもしっかり現場で確認してもらいたい。原因を確認してから作業をお願いしたいということを申し上げました。

記者:東京電力の記者会見での発表から、所長に直接説明を受けるまでに数日あったが、確たる原因の説明はあったのか。それとも会見での発表と同じで、こういう見立てもあるというような説明だったのか。

市長:同じような説明だったと思います。ただ、私自身は負圧か何かで欠損して抜けた部分がどこかに残っているだろうと思っていますし、抜け方がきれいな円になっているのはおかしいのではないか、周りがギザギザになったり、さびによる腐食であったにしてもボロボロになったりするのではないかと申し上げて、その点に関しては所長から原因調査を進めるという話がありました。

記者:調査の段階にあるので、確たる原因とは言えないということでよいか。

市長:はい。圧力の変化によって中のほうに引き込まれたのではないのかという説明以上のものはありませんでした。

記者:きれいな円形というのはおかしいのではないかとおっしゃったが、人為的なものではないかという印象をお持ちということか。

市長:故意か故意ではないかは別にして、圧力の変化によって欠損したとしても、このようなきれいな切り口にはならないのではないかと思っています。例えば配管部分に円形状の圧力がかかった経過があって、経年劣化の中で腐食が生じ、圧力の変化で欠損したということぐらいまでしか素人の私としては想像できません。もちろん故意ではないと思いますが、人為的な何かがあったのではないのかという思いは持っています。

記者:原因究明を求めているということだが、やはりこの原因が判明して他の部分の点検も終わらないと再稼働は認められないという考えか。

市長:それは再稼働以前の問題です。今回の欠損部分は、熱交換を経た後、冷やした海水が海に放水される側の配管ですが、熱交換の前の部分で穴が開いていたとすると、素人考えで言うと6センチの穴が開いていればかなりの海水が落ちるので、熱交換が機能しないことになります。また、今回は7号機ですが、他にもこのような配管があるはずなので、しっかり確認して、まず原因を究明していただかないと再稼働うんぬんにはならないのではないかと思います。これは私だけではなく、原子力規制庁もそのような認識で調査を進めていると思っています。

記者:原因究明しないと再稼働にならないのではないかとおっしゃられたが、これは市長として再稼働は認めることができないという意味なのか、それとも一般論としてこの問題がクリアにならないと再稼働できないという意味なのか。

市長:再稼働の問題以前の問題だと思いますので、まずこの問題の原因が究明されて他にもないということが分かってから再稼働の問題になるだろうと思います。今の段階で、認めなければ再稼働しないとかするとかということではありません。それ以前の問題です。所長には、同じような事例が世界中の原子力発電所であったのか調べてもらいたいと申し上げました。それらを含めて、一定の納得感を得られてから再稼働の問題というものが出てくるのではないかと思います。基本的な部分をしっかりしてもらいたいという認識です。

記者:再稼働問題を論じる上での前提条件、当たり前のことという認識でよいか。

市長:もちろん当たり前です。6センチの穴が開いて、原因が分からないままはいどうぞという人は誰もいないと思います。

小・中学校の統合に関する質問

記者:先般、学区等審議会が答申を出されたが、中学校は市の方針とは少し違う見送りという答申だった。それについての所感を伺いたい。

市長:小学校も中学校も、学区等審議会の皆さまには7カ月程、月2回以上のペースで真剣に議論していただき、地元の方々のご意見をお聞きいただきました。民間人の立場ではありますが、非常に厳しいご指摘を受けるという事態もありました。そういったことを含めて、まずは学区等審議会の委員の皆さまに心から感謝を申し上げます。

具体的なところとしては、中学校に関しては令和6年の統合は見送るという答申をいただきましたが、私自身は当初からできる限り尊重すると申し上げていますので、この答申をひっくり返すようなことはするつもりはありません。同時に、詳しくは申し上げませんが、答申の意図はいろいろ書かれていました。生徒数が著しく減った場合、また、いろいろな状況が変化した場合にはまた統合についても、というような記載もあったと承知しています。そういったことを含めて、昨日、高柳地区で教育長と私で直接市民の皆さまからご意見を伺いました。4日には鯖石地区で同じように教育長と私で直接地域の方々のご意見を伺いますので、改めて地域の方々のご意見を承り、学区等審議会から出された答申をできる限り尊重しながら最終的な決定をさせていただきたいと考えています。

記者:最終結論の中で最も市長が重視するところは子どものためというところだと思うが、具体的には何を一番重視しようと思われているか。

市長:これはずっと一貫して申し上げていますが、子どもの教育環境です。もちろん少人数教育の良さもあるのは承知しています。しかし、一定数以下の人数となると、子どもたちの教育にはプラス面よりもマイナス面が大きいのではないかと心配するところですので、やはり一定数規模を確保したい、そして子どもたちの教育環境をより充実したものにしたいという1点だけです。

記者:一部の保護者や地域からはいろいろなことで反発があったかと思う。今回、地域との意見交換をする前に方針案を出されたと思うが、市民理解の醸成という面で市長はどのように受け止めているか。

市長:議会でも答弁申し上げましたが、まず方針案を出さなければ議論にもなりません。方針案を出して、それに対して皆さまからご意見をいただくというのが、学区統合や学校統合だけでなく、例えば第五次総合計画にしても基本案を皆さんに作っていただいて、それからパブリックコメントを求めるわけですので、決して間違った順番ではないと承知しています。第五次総合計画の後期基本計画を作る段階、3年ほど前からこの学区の問題、学校の問題に関しては記載していますし、昨年の広報かしわざき7月号にも学校規模の問題、児童数の問題、生徒数の問題も記載しています。住民の皆さんにとっては唐突感があったかもしれませんが、私共のとしては順を追ってやらせていただいたつもりです。文部科学省のデータによれば、方針案を出してから新しい統合学校ができるまでの年数は、うろ覚えで恐縮ですが、3年が一番多くて16パーセント、2年が次に多くて15パーセントという順番だったと思いますので、私共が方針案を出させていただいてから統合までの間は2年、総合計画で学校の適正規模を記載したときから考えれば3年となりますので、私共の説明の仕方が悪かったかもしれませんが、時間軸としてはそれほど性急なものだったとは承知していません。

記者:少子化が進むことはデータとして持っていたと思う。また、第五中の新校舎建設が5年ほど前だったと思うが、今回第五中が統合対象となった。その辺りの一貫性について市長はどのように考えるか。

市長:今、私は市長という立場でお話しさせていただいていますが、市長になる以前の考えは、第五中学校を果たして建設してよいのかというものでした。建設段階で、生徒数は分かっていました。そのことを含めて、市長になる以前に個人の立場で柏崎日報にも考えを投稿し、掲載されました。しかし、市長就任直後、第五中学校の竣工に私は市長として出たわけです。そして現在、全校33人、このままの推移でいくと3年後には全校で20人になるという実態がある中で、昨日も教育長が正直なところをお話しされていましたが、教育行政を考える意味で教育委員会、柏崎市共にもう少しよく考えるべきであったというのが市長としての感想です。

記者:昨日の高柳小学校での意見交換会は、9月18日に学区等審議会が開催した意見交換会とは少し雰囲気も違うという印象を受けたが、それでもまだ慎重な意見、反対する意見もあったと思う。今後、答申どおりに事を進められるとして、高柳小学校の区域の皆さまの納得を得る自信はあるか。

市長:自信があるか否かと問われるならば、今の段階で正直申し上げて自信はありません。昨日出されたご意見の心情も非常によく分かるところです。そして私も率直に辛いと申し上げました。しかし、納得していただけるように、より良い選択にするように努力するのが私、また教育長をはじめ教育委員会の仕事だと考えています。今この時点で納得感が得られるのかと言われるならば、残念ながらまだですが、どのようにすれば少しでも納得していただけるような方策、最終決定をすればいいのかということは、この数日の中でいろいろな相談をさせていただきながら、お話を伺いながら頭を悩ませたいと考えています。

国道8号柏崎バイパスの整備事業に関する質問

記者:今月27日に城東―鯨波間が開通することに関してコメントを出されたと思うが、改めて開通による効果を含めた期待などを伺いたい。

市長:8号バイパス整備の当初の目的は、夏の海水浴客による8号線混雑の緩和、原子力発電所で働く方々の車両による朝夕の渋滞の緩和などのためと承知しています。私は当初から、もちろん渋滞緩和もありますが、原子力発電所に災害が起こったときに、非常に有用な避難経路となり得ると思っています。柏崎の人口は約8万人ですが、その75パーセントの6万人の方々が上越市、糸魚川市、妙高市方面もしくは西南方面に避難することになっています。それらを考えると、西方面に伸びる8号線バイパスは原子力発電所災害時の有用な避難ルートとなり得ますので、国会議員の先生方をはじめ、早い整備をお願いしてきたところです。おかげさまで、ここ数年で数十億円単位のお金がついてここに至りました。全面開通が待たれるところですが、いずれにしても今回の部分開通は非常にありがたいと思っています。率直な感想としては、あっては困りますが、原子力災害時の避難ルートとしてひとつの大事なルートを確保しつつあるという大きな期待を持っています。

旧鯨波公園跡地に関する質問

記者:旧鯨波公園跡地の活用方法のひとつとして、新たな産業団地という案を挙げていたと思うが、今後の方針を伺いたい。

市長:柏崎フロンティアパークが完売状態で、現在、柏崎市が関連する工業団地候補はありませんので、一定面積以上を有する旧鯨波公園跡地は非常に有用な土地です。工業、産業立地にもふさわしいと思いますので、今後、調査を行っていきたいと考えています。

ヨウ素剤の配布率に関する質問

記者:原子力防災訓練があり、例えば西山からの自家用車での避難者には、豊栄でヨウ素剤を緊急配布する訓練を実施していた。県も事前配布をすることにしているが、柏崎市のUPZ圏内の配布率は25パーセントという状況である。例えば、茨城県のひたちなか市は市として全員に配布するように取り組んでいると聞いている。市長は配布率25パーセントという数字をどう受け止め、市としてどのように取り組んでいくか伺いたい。

市長:25パーセントという数字はもちろん低い数字だと思っています。この原因が何に由来するものなのか、市民の皆さんから関心を持っていただけないという部分なのか、市・県・国の周知が足りないのかということを含めて、この数字を上げていかなければいけないと思っています。いざというときに重要なものだということは引き続きお話ししていかなければいけないと思っていますが、何よりもこれは国のエネルギー政策ですので、しっかりと国に音頭を取っていただかなければいけないと思っています。

質問とは違いますが、先週土曜日の原子力防災訓練では、私も神林まで行って住民の顔認識の生体認証も見てきました。非常にエラーが多く、認識されない方も多くいらっしゃいました。村上市の高橋市長も一緒でしたが、こちらの機械では認識されるが、あちらでは認識されないということをおっしゃっていました。私はずっと前からマイナンバーカードを使用するべきだと申し上げていますが、マイナンバーカードの普及率は私共50パーセントほどで、まだ100パーセントになっていません。それらを含めて、ヨウ素剤の認識、マイナンバーカードの重要性を伝えなければなりません。また、避難時にDXを使うのはいいですが、機能しなくなったときにしっかりアナログで対応できるようなシステムが必要です。ヨウ素剤にしても、個別に持っていても家を出るときに忘れてしまうこともありますので、どこで配布するのか、避難経由所で配布するのかということを含めて、その体制をどうするのか、一人一人の認識がなければ1人に複数配付することになってしまいます。そういった意味で、私が体験した神林での個人認証の精度の低さはヨウ素剤の配布にも関係してくる重要なことだと思いますので、改めてご指摘させていただきたいと思っています。

定例記者会見の概要と質疑応答(印刷用)

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更新日:2022年11月03日