市長定例記者会見(令和5(2023)年6月1日)

市長定例記者会見(令和5(2023)年6月1日)のお知らせ

写真:市長が記者に向かって冒頭のあいさつをしています
写真:高級魚アラのポスターを指しながら市長が説明をしています

以下の「定例記者会見」で、概要をご覧いただけます。

報道機関との質疑応答を追加しました。

市長記者会見インターネット録画配信

市長記者会見の録画映像を「YouTube柏崎市公式チャンネル」でご覧いただけます。

発表事項

露店数は昨年の3倍以上!―「えんま市」を開催!

新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年、3年ぶりにえんま市が復活しましたが、出店者を県内のみに限定したため、出店数は139店舗でした。今年はコロナ以前のように、全国から出店していただき、出店数は約450店舗になる予定です。全国でもかなりの規模だと承知しています。

ニコニコ通り、えんま通り、ピッカラ通りなどで開催します。昨年は新型コロナウイルス感染症対策で人の流れが良くなるように、道路の中央にカラーコーンとバーを置きました。皆さんから好評でしたので、今年も設置したいと考えています。

また、JR東日本からご協力いただき、柏崎駅から出雲崎駅までの各駅を停車する臨時列車柏崎えんま市号が午後9時27分に発車します。飲食なども制限なしの完全復活のえんま市を皆さんにもお楽しみいただきたいです。

(主管:商業観光課 電話番号:0257-21-2334)

エネルギー・食料品価格などの物価高騰に対し総合的に支援します

エネルギー価格や食料品価格など、物価の高騰が続いています。市は国から交付金をベースに、市民の皆さん向けや市内事業者向けの支援を考えています。総額は4億1,873万円余りです。内訳は市民の皆さん向けの支援が2億3千万円余り、事業者向けの支援が1億8千万円余りです。

まず市民の皆さん向けの支援です。電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金給付事業は、住民税非課税世帯の方々に対する支援で、対象は8,200世帯を想定しています。住民税非課税世帯1世帯当たり一律3万円を給付します。給食材料費負担軽減事業補助金は、それぞれ私立保育園、認定こども園、幼稚園、小規模保育事業所の園児に対して、給食材料費の高騰相当額を支援します。
低炭素型設備機器導入補助事業3,040万円は、一般家庭のエアコンの買い替えを支援します。今は環境性能が非常に高くなっているエアコンが売られています。カーボンニュートラルの世界、社会に近づけるべく、省エネ基準達成率100パーセント以上の住宅用エアコンの買い替えを対象とします。市内に本社がある店舗から購入する場合は本体購入費の2分の1、上限を8万円とします。市内に本社がない店舗から購入する場合は本体購入費の3分の1、上限を5万円とします。1世帯1台のみ補助します。昨年の冬にも行い好評でした。単に電気工事店などを支援するだけでなく、低炭素社会に資する機器を推進する目的もあります。
また、児童、生徒の学校給食材料費高騰に対する支援も行います。対象は5,370人です。食材費高騰により令和5(2023)年度から学校給食費を30円値上げし、このうち保護者の負担を20円としていましたが、保護者の負担を軽減し10円とします。

次に事業者向けの支援です。原油価格・物価高騰等緊急対策事業は、障がい福祉サービス事業所および救護施設の37サービス事業所、また介護サービス事業所の147サービス事業所が対象です。1事業所当たり250万円を上限に補助します。
光熱費負担軽減事業補助金は私立保育園、認定こども園、幼稚園、小規模保育事業所の光熱費高騰に対する支援です。
また、医療機関の光熱費高騰に対する支援も行います。対象は病院、診療所、歯科診療所など72施設です。病院は令和3(2021)年度と令和4(2022)年度の電気・ガス料金を比較して増加分の3分の1を上限に、診療所や歯科診療所は1施設当たり5万円を上限として補助します。
省エネルギー設備を導入する事業者への支援も行います。照明器具をLED照明へ転換の場合、補助率3分の2で、製造業は200万円、製造業以外は100万円が上限です。空調施設を入れ替える場合、補助率2分の1で、製造業は100万円、製造業以外は50万円が上限です。
新潟県の中小企業等原油・原材料価格高騰等対応設備導入緊急支援事業の市としての上乗せ補助は、通常枠の補助制度を活用した場合に、県の補助を使って発生した自己負担額の3分の1を、上限20万円として支援します。特別枠の補助制度を活用した場合には、自己負担額の2分の1を、上限25万円として支援します。

(主管:財政管理課 電話番号:0257-21-2364)

ユネスコ無形文化遺産登録記念の綾子舞記念公演を開催 一般観覧席の申し込みを開始

昨年11月、柏崎の綾子舞も風流踊の1つとしてユネスコ無形文化遺産に登録が決定しました。それを記念して7月15日にアルフォーレで公演をします。副題は「AYAKOMAI―鵜川から世界へ―」で、ユネスコ無形文化遺産登録決定後では初めて、アルフォーレという大きな舞台でお披露目します。

今回の公演のポイントは、風流踊のユネスコ登録の実質的な窓口になっていただいた文化庁主任文化財調査官の吉田氏から、綾子舞がユネスコに登録された理由、綾子舞の意義や価値をお話しいただくというところです。高原田、下野の2つの座元からも公演をしていただきます。市内外の多くの方々から、改めて綾子舞の魅力を感じ取っていただければと思います。

(主管:博物館 電話番号:0257-22-0567)

水害対応総合防災訓練を住民と市職員が連携して実施

6月18日に水害対応総合防災訓練を行います。西山・二田地区の住民避難訓練を行います。南部地区は地域の行事があり不参加です。

併せて市職員の災害対応訓練を行います。災害想定は、梅雨前線の影響で総雨量が130ミリを超え、別山川で避難判断水位に達したという想定で行います。今回、私と副市長も出張中という想定で、外から対策本部などに指示を出して訓練します。本部と西山町事務所での情報共有訓練、市長と副市長は出張先からのリモートによる指示という想定です。

(主管:防災・原子力課 電話番号:0257-21-2316)

極上の白身―市内飲食店で幻の高級魚アラを提供

アラは高級魚として知られています。網で漁獲された魚よりも釣り魚のほうが価値が高いと言われています。県内の他の地域では網による水揚げが15トンですが、柏崎は伝統的な桶流し一本釣りで1.5トン水揚げしています。

その味は非常に評価が高く、柏崎の市場にも上がりますが、市以外にも柏崎産のアラが流通しています。市としては、市民の皆さんに、地元でこんなにおいしい魚を食べられる、水揚げされていると知っていただきたく、市内24店舗のご協力をいただいて6月23日から7月30日まで提供していただきます。ヒゲソリダイに続いてアラのGI登録・ブランド化を目指していきます。昨年も申し上げましたが、白身魚はなかなか味が変わらないと思われるかもしれませんが、私自身も自分でさばいて3日間寝かせて、刺身にしていただきました。ヒラメよりも少し脂身があり、しかしトロや大トロのようなギトギトしたものではなく、適度で上品な脂と甘みを感じられました。非常においしい魚です。

天然物のマダイが1キロ当たり千円で取引されているのに対して、桶流し一本釣りで釣られて神経締めで処理されたアラは、1キロ当たり4千円で取引されています。

(主管:農林水産課 電話番号:0257-43-9131)

自然を満喫! カヌーまつりin栃ヶ原ダム

柏崎市には国営土地改良で国によって造られたダムが3つあります。鵜川の市野新田ダム、西山町別山の後谷ダム、高柳の栃ヶ原ダムです。容量は、栃ヶ原ダムが一番大きいです。

カヌーまつりは、本来は認められていませんが、農林水産省から特別に許可をいただいて子どもたちにこのダムの意味、国営土地改良の意味を説明しながら、栃ヶ原ダムの周りの高柳の大自然を味わってもらうイベントです。こども自然王国が中心になって頑張っています。ぜひとも皆さんにも体験していただきたいと思います。

参加者には市認証米コシヒカリ・米山プリンセス2合をプレゼントします。参加費は2,500円ですが、かなりお得だと思っています。じょんのび村の入浴券も付いていますので、併せてお楽しみいただきたいです。

(主管:農林水産課 電話番号:0257-21-2300)

行事予定

6月4日(日曜日)、アラを釣る中心メンバーを含む新潟県漁業協同組合柏崎支所の方々が、4年ぶりの第4回柏崎港おさかな祭りを開催します。午前9時から午後1時30分です。いつも直売や浜汁が早々になくなる非常に人気の高いイベントです。何よりも漁協組合の漁師さんたちが直接魚を売るので、非常に元気のいいイベントです。ぜひ柏崎港観光交流センター夕海の柏崎港おさかな祭りにお越しいただきたいと思います。

また、新緑と合わせて雨に濡れたコケの美しい高柳の貞観園、スポーツのキッズチャレンジ、サンセットウオーキングなど、お子さんやシニアの方々を中心とするイベントもあります。

イベント

スポーツ

定例記者会見の質疑応答

報道機関から受けた質問項目は、以下の通りです。

  • えんま市の新型コロナウイルス感染症対策に関する質問
  • 電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金給付事業費・事務費に関する質問
  • 水害対応総合防災訓練に関する質問
  • 高級魚アラに関する質問
  • 東京電力に関する質問
  • 3つの検証の総括についての知事発言に関する質問
  • 旧庁舎跡地に関する質問

えんま市の新型コロナウイルス感染症対策に関する質問

記者:えんま市を完全復活と言ったが、まだ新型コロナウイルス感染症は終息していない。出店者の方へのチェックなど、新型コロナウイルス感染症対策はどのように考えているか。

市長:出店者の方々には世話人会議でいまだウィズコロナであることはお伝えしています。道路の中央にカラーコーンとバーを設置して人の流れを一方通行にする対応も、新型コロナウイルス感染症対策の一つとご理解いただきたいです。昨年は店舗同士の間隔を3.5メートル空けていましたが、今年は店舗数が多いので物理的に3.5メートルは確保できません。出店者の方々にはまだウィズコロナであると認識を持って商売していただきたいと思います。飲食に関しても、対策の一つとして、フォンジェ地下1階、駐車場2階、モーリエ駐車場2階を飲食スペースとして用意しています。

記者:出店者の方にはウィズコロナの認識を持ってもらうだけということか。検温などの対応は考えているか。

市長:特に検温などは行いません。来場者の方向けには、飲食スペースに手指消毒液などを設置します。

記者:「コロナ以前の規模」とは、以前と同じ規模を指すのか、それとも以前の規模よりも大規模になることを期待しているのか。

市長:以前の規模よりも大規模ということはありません。最盛期では500店舗を超えたときもあったと思いますが、コロナ前は450店舗ぐらいだと思います。

記者:昨年は店と店の間隔を空けていたが、今年は空けないのか。また、エリアの規模はコロナ以前と変わらないのか。

市長:間隔を空けてしまうと450店舗も入りませんので、今年は空けません。エリアの規模も変わらないです。

電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金給付事業費・事務費に関する質問

記者:市民向け支援の電気・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金給付事業は、対象が8,200世帯で1世帯当たり3万円を給付するとある。計算すると2億4,600万円必要になるが、事務費も含めて1億8,733万7千円の想定というのは、申請しない世帯もある程度見込んだ上での数字ということか。

財務部長:はい。事務費の割合は、事業費の9パーセントを見込んでいます。

記者:園児の給食材料費高騰相当額の支援の期間はいつまでか。

財務部長:年度末までです。

記者:事業所向けの運営経費も1年分か。

市長:はい。令和3(2021)年度と令和5(2023)年度の毎月の電気・ガス料金の差額を支援します。

記者:一般財源から212万2千円出しているが、国の交付金を充てられない市独自の事業があるのか。

財務部長:金額がオーバーしために一般財源を充てています。私立保育園および私立認定こども園・私立幼稚園、小規模保育事業所への運営経費の補助です。

記者:他市町村にはない市独自のものはあるか。

市長:他市町村の状況は承知していません。柏崎市は、住民税非課税世帯への支援など、メリハリをつけて必要なところに必要な支援をします。LED照明への転換やエアコン普及など、物価高騰対策とカーボンニュートラルの推進という2つの意味を持たせるような、意味を持ったお金の使い方を心がけています。

水害対応総合防災訓練に関する質問

記者:市長と副市長は出張を想定しているとあるが、どこからリモートで参加するのか。

危機管理監:出張先までは設定していません。実態は西山地区から参加していただきます。ただし、市外にいるという想定はしています。

市長:タブレットかパソコンを使用して、ZOOMで参加します。

高級魚アラに関する質問

記者:おととしから市はPRしているが、売上が上がった、認知度が広まったなどの成果を感じることはあるか。

市長:売上は承知していませんが、認知度が非常に上がったと承知しています。その証拠に、市場での取引で市内の業者が競り落とせず、市外、県外に流れていくことが多くなっています。柏崎市産の桶流し一本釣りで釣られたアラに、非常に高い評価をいただいていると理解しています。

記者:6月4日に行われるおさかな祭りでは、アラのPRなど特別なことは行うのか。

市長:用意していますので、ぜひ早めにお越しいただきたいと思っています。

記者:市内業者が競り落とせる量は減っているという話だが、市内の提供店舗数が去年の倍ぐらいになっている。これだけ市内に提供できる理由は何か。

市長:市民の皆さんに、柏崎でこんなにおいしい魚が漁獲されることを知っていただきたいと思いますので、市場と協力しながら競り落としてもらいたいと考えています。

記者:提供店舗数が増えた理由は新型コロナウイルス感染症の影響か、それとも認知度の向上か。

市長:市職員の積極的なアプローチと、お店の協力も非常に大きいと承知しています。

東京電力に関する質問

記者:5月17日に原子力規制委員会が追加検査の4項目を継続する決定をした。その後、文書紛失の問題や、運転員の栓の閉め忘れが原因で原発の部屋の中で海水が漏れた問題もあった。そのたびに市長はコメントを出しているが、改めて一連の問題および東京電力の対応についてどう考えているか。

市長:市長に就任して7年目ですが、いろいろな課題が出るたびに、ボーンヘッドという言葉、軽率さという言葉、虚しいという言葉など、いろいろな言葉を使ってコメントしてきました。免震重要棟の問題辺りから始まって、例えば洞道のケーブル火災、最近ではパソコン、ランドリー建屋の火災など、原子力規制庁、規制委員会が事案の数々をPP(核物質防護)案件として考えるのかどうかはご承知だろうと思いますが、セキュリティーやセーフティーに関係するしないにかかわらず、重なっています。ですから、私としてはなかなか言葉が見つからない、どのように評価してよいのか分からないところです。先般コメントしたように、本当に東京電力が原子力発電所の再稼働を担うことができる会社なのか、もしかすると他の会社があるのではないかということを自問自答し始めました。良い、悪いは、私の中で決まっていません。さらに規制委員会絡みの話を申し上げるならば、追加検査を一発で決めることができず、さらに継続となってしまいました。ではこの審査はいつまで継続するのだろうか、いつ合格と言えるのだろうかという漠然とした不安はあります。これは、県による3つの検証の終わり方、結論の付け方に対しても同様です。本当に表現が見当たらないというか、他の言葉がなかなか出てきません。

記者:昨日、県内の原子力安全対策に関する市町村研究会の代表幹事をしている長岡市の磯田市長が、記者会見で、東京電力ではない発電の体制や仕組みを国は考えたほうがいいのではないかという印象を持ちますという話をされた。市長にとって、東京電力に代わる組織はどこにあるのかというのは、どのくらい具体性を持って考えているのか。具体的な問題として、東京電力に代わる発電の主体を考えるべきだということか。

市長:今の段階で具体的なところまでは至っていません。先ほど申し上げたとおりです。新潟県議会の自民党の県議会議員の中にも長岡市長と同じようなことをおっしゃっている方がいますが、歴代の市長、小林治助第5代市長以下私までは、24時間365日、54年間、どの自治体の長よりも、県議会議員よりも、原子力発電所について真剣に考えてきています。また、市民の皆さまからいかなる意見であろうとも伺う立場にある、あったということは間違いないですので、周辺自治体や県議会議員と歴代柏崎市長の言葉を一律に捉えていただきたくはないです。それだけ私たちは真剣に取り組んできている自負があります。しかし、そういう立場にありながら今この状況に至っているので、失望もしています。今までは、期待もしている、やはり東京電力にお願いするしかないだろうとコメントしてきました。福島の復興を考えても東京電力がやらなければいけない事柄だと私も考え、そのように発言をしてきました。先ほど申し上げたように、私が市長に就任してから、毎年いくつかの案件があって物事が止まってしまう、もしくは後退してしまうという事態が続いてきていますが、本当にどうなるのだろうかということを、具体的なところまで考えているわけではありません。

記者:例えば今後、東京電力に代わる組織を国が提示すれば、それがどういう組織かによるかもしれないが、東京電力よりもその組織のほうがいいと思うか。

市長:IF論で片付けられる課題ではないと思います。もし東京電力がこの再稼働案件、事業を代わるとなれば、結果的に再稼働の収益が得られず、東京電力そのものも、福島の復興事業、補償事業を行うことも含めて、会社として成り立たなくなります。今年の夏、次の冬の電力需給がどうなるのかを含めていますので、軽々に言える話ではないと思います。唯一私が言えるのは、それを決めるのはやはり国だと思います。国のエネルギー政策として、福島の復興を必ず成し遂げると言っています。そのために当事者の1つとして東京電力を機能させたいと考えています。株式の過半は原賠機構が持っていますので、実質的には国有会社です。国が今後のエネルギー需給や高騰を考えて、原子力発電所の稼働が経済にとって必要だが、東電は重要ではないと判断するならば、それは国の判断であって、1原発立地自治体の私どもが申し上げられることにはならないと思いますし、国はこの重い判断をしなければいけないのではないかと思っています。エネルギーが高騰している中、原子力発電所が動いている関西電力や九州電力が電気料金値上げの申請をしていない実態を考え、原子力発電所の稼働が電力料金の抑制につながるのが間違いない事実であり、経済界を含めて原子力発電所の再稼働が重要なのであって、東京電力が大事ではないという決断をされるならば、おのずと事業主体を考えければいけないことになります。しかし、短期間で事業主体を変えることはさらに混乱を招くだろうと思います。東京電力が抱える重い課題を含めて国がどのように判断するのか、1原発立地自治体の長としては本当に悩んでいます。それ以上のことは申し上げられません。

記者:GX脱炭素電源法が成立して60年超の運転も認められる方向になり、原子力基本法も原発を活用することになった。この法案の成立についてどう思われるか。

市長:40年プラス20年の60年、稼働停止期間を含めて60年オーバーという法律が成立したとなれば、アメリカなどと同じかたちになりますが、世界でも60年を超えて稼働している原発は今のところないはずです。世界で最長は、50数年経過しているアメリカとインドとスイスにある原発です。ヨーロッパやアメリカと日本が圧倒的に違うのは、地震の発生回数、頻度、また、福島の事故を経ているということです。60年オーバーになったという部分だけが多く報道されているようですが、私自身の大事なポイントは、30年を過ぎた原子力発電所は10年おきに規制庁、規制委員会のチェックを受けるという部分です。非常に厳しくなり、安全面に強くシフトしていると私は歓迎しています。こういった面と日本の国土の特性、島国でエネルギー需給が難しいことも含めて、柏崎市がずっと求めている海底直流送電と洋上風力の利活用、再生可能エネルギーがGX脱炭素電源法には含まれています。原子力の分野にも、再生可能エネルギーや送電網の充実にもバランスよくつなげてもらいたいと思っています。

記者:柏崎刈羽原発の60年を超えた稼働については、10年ごとの規制委員会の審査に通るならばよいという考えか。

市長:今のところ柏崎刈羽原発に関しては6号機、7号機が審査に上がっているところです。1号機から5号機は上がっていません。6号機、7号機の再稼働が始まるかどうかは分からない状況です。再稼働されたとして、稼働停止期間のプラスというのは、国の法律がそのようになれば、私は原子力規制委員会のジャッジは信頼していますので、そのまま事業は進むのだろうと思います。しかし、まずは6号機、7号機が再稼働するかしないかという問題もありますので、東京電力自身の問題、国の規制委員会のジャッジ、県の3つの検証や総括の在り方も含めて、いまだ稼働停止期間のプラスが望ましいか望ましくないかは言えないだろうと思っています。

記者:5月17日に規制委員会で検査延長すると決定された際に市長が出されたコメントは、私が読んだ限りでは、検査が長引くことへの不安や懸念があるという印象が強かったが、文書紛失の件の直後から雰囲気が変わり、東電が原発を担うことへの不安や、東電に代わる組織はあるのか自問自答しているという内容が含まれてきている。東電が事業者としてふさわしいのだろうかと考え出したきっかけは、文書紛失の件か、それともそれより前か。

市長:検査が長引くことへの不安というのは批判と捉えていただいて結構です。しかし、規制庁、規制委員会に対する批判ではなく、検査を一発で通せない東京電力に対する批判であり、いまだ3つの検証の総括ができない県に対する批判であることはご理解いただきたいと思います。東電が事業者としてふさわしいのかと考え始めたきっかけは文書紛失の事案かもしれませんがずっとつながってきたものです。先ほど申し上げたように、市長に就任以来、さまざまな事案が重なってきていまだ続いている、この大事な時期に至っても続いていることを考えると、出したコメントにも書きましたが「事ここに至れり」、至れりというのは経過があってここに至ってしまった、このタイミングでこういったことが起こったことで、東京電力という会社はどうだろうかと考え始めたということです。

記者:直接的な引き金は文書紛失の件かもしれないが、積もり積もるものがあって、あれが1つの契機になったというようなニュアンスで考えればよいか。

市長:そうですね。その積もり積もったのが何だったかはもう数えきれません。最初の頃は、次に起こったらスリーアウトチェンジだという言葉を使ったと思いますが、スリーアウトどころかいくつ案件があったのか分からないぐらいになってしまっているので、そういったことが重なってきてというところです。

記者:具体的に東電以外で考えているところは今のところないとの話で、県の3つの検証が続いている今の段階での仮定に意味はないと思うが、もし仮に、東電が動かすことを前提に地元の合意を求めたとすれば、条件付き容認の立場の市長は同意するのか。

市長:今の段階で何か言われても何も言えませんので、この状況であればもちろん、はいどうぞとは言えません。

記者:それは規制委員会でも止まっているからか。

市長:規制委員会も止まっていますし、3つの検証も止まっていますので、言えません。

記者:原発容認の立場は変わらないか。

市長:原子力発電所再稼働には意義があると何度も申し上げてきました。今までは「東京電力による」原子力発電所の再稼働は意義があると申し上げてきましたし、原発の再稼働は柏崎にとっても日本にとっても意義があると思っていますが、枕詞である「東京電力による」原子力発電所の再稼働に意義があるのだろうかと思い始めたということです。

3つの検証の総括についての知事発言に関する質問

記者:前回の記者会見のときには検証総括委員会がまだ宙に浮いた状態だったが、同日に知事が会見され、総括は県でやるという判断が出た。県の判断についてどう思われるか。

市長:総括委員会は委員長をはじめ複数の議員の方々が再任されずに機能しなくなっています。県が3つの検証をお願いしている側ですので、お願いされた側が機能しなかったならば、お願いした側、つまり県がまとめをするのは妥当だろうと思います。それを批判する方々は、専門家がいないと言うかもしれませんが、元々3つの検証のそれぞれの委員会には、それぞれの知見のある専門家が含まれていて、それぞれの委員会から出された結論があります。総括そのものにそれほど大きな労力や時間を要するとは思いませんし、専門的な知見を経てそれぞれの委員会から出された結論をまとめるのが総括委員会の役目だろうと思いますので、早々に県から結論を出していただきたいと考えています。

記者:東京電力に代わる組織はあるのか自問自答し始めたと言っていたが、県の総括を早期にやってほしい考えは変わらないか。

市長:もう5年経ちました。5年経って結論が出ると思っていたら、まだ出ません。そして、今回県の総括がいつ出されるのかというスケジュール感を聞かされていません。東電がいろいろな案件を起こし、規制委員会の追加検査が継続になりましたが、県の3つの検証の総括とは関係ありません。県の責任で3つの検証を始め、3つのそれぞれの委員会から結論が出ているので、総括は県の責任で出していただきたいと思います。3つの検証が終わればそこから議論を始めると言っているわけですので、議論を始めていただいて、知事の考えをお聞かせいただきながら決断していただきたいと思います。

記者:核物質防護事案に係る改善措置評価委員会の第1回会合が今日行われている。開催についての受け止めと、期待などを伺いたい。

市長:その評価委員会は誰が設置したのですか。

記者:東京電力が設置した第三者委員会で、キャスターの方や地域の会の初代会長の新野さんなど5人が委員になっている。

市長:こういった第三者委員会的なものに評価をしていただきました、私たちは良くなりましたというような、よくありがちなアリバイ作りに使われなければよいと思います。東京電力そのものが、自分、上司、部下がやっていることを、それぞれ本当に正しいだろうか、規則を守っているだろうか、こういうタイミングで、今、東京電力は非常に厳しい立場にあるということを、社員一人一人、また、協力企業の方々にも意識が共有されているかどうかにかかっていると思います。形ばかりとは申し上げませんが、何かあるたびに第三者委員会的なものを作ってアリバイ作りのようにされるようなことはあまり評価できません。

旧庁舎跡地に関する質問

記者:新年度に入って産業団地や道の駅風の丘米山など少しずつ動き始めているが、旧庁舎跡地はまちづくりの中でどのように位置付けているのか。

市長:大きなスペースでもなく、大きな道路が隣接する交通至便でもありません。いわゆるまちなかです。周りは住宅地に囲まれて、高校・中学校・小学校がある、文教エリアでもあります。今回のコンセプトの中心は中央コミュニティーセンターの移設です。中央地区には約1万人いらっしゃいますが、そのよりどころとする場を作るのが一つのコンセプトです。もう一つは冬期間にお子さんや若い方々が利活用できるドームのようなものを造ります。運動やイベントができるスペースや、ギャラリーなどの文化的なエリアも造ります。駐車場も造りますが、国道からすぐに乗り入れられるロケーションではありません。どちらかというと地域の方々やお子さん、若い方々、スポーツ関係者などを中心にまちなかに賑わいを創出できるスペースの一つになると考えています。

記者:外から来た人がお金を落とすようなエリアではないという印象を持っているが、それなりに大きい金額の事業費を積まれている。投資に見合った費用対効果があるとよいと思うが、住民の福祉に重きを置いたということか。

市長:中央コミュニティーセンターは必要な施設なのでB/C(便益と費用の比)は考えていません。ただ民間の方々の力をお借りする事業手法は取り入れますので、運営などのコストも考えていくのがコンセプトだと思っています。

定例記者会見の概要と質疑応答(印刷用)

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更新日:2023年06月02日