3.【柏崎地域森林組合】組合長・石塚正好さん、従業員・中村貴洋さんへのインタビュー

このページは、令和4(2022)年1月1日に放送された、FMピッカラ新春特別番組「柏崎の林業のこれから」を基に作成しました。ダイジェスト版は、広報かしわざき令和4(2022)年1月号に掲載します。

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中村貴洋さんへのインタビュー内容

中村さんのプロフィル

蛍光オレンジの森林ウエアを着た柏崎地域森林組合の従業員、中村貴洋さんがマイクに向かって話しています。

中村 貴洋さん(柏崎地域森林組合 従業員)

高橋:実際に山に入りお仕事をされている、柏崎地域森林組合 従業員の中村 貴洋さんにお話を伺います。中村さん、あけましておめでとうございます。

中村:あけましておめでとうございます。

高橋:中村さんはお若いようですけれども、おいくつですか。

中村:41歳です。

高橋:柏崎地域森林組合に就職して何年目ですか。

中村:5年になります。

高橋:柏崎地域森林組合に就職した理由はなんですか。

中村:手に職をつけて、技術を極める仕事がしたかったからです。

高橋:一緒に働いている方々は、どのぐらいの年代の方が多いですか。

中村: 20~60代と幅は広く、40代が一番多いです。

中村さんの仕事内容

高橋:中村さんも若手の一人としてご活躍だと思いますが、柏崎地域森林組合ではどんなお仕事をされているのですか。

中村:間伐現場で、ザウルスロボという重機に乗って、作業道の開設をしたり、間伐の一連作業(伐採、集材、造材、集積、搬出)を行ったりしています。

高橋:ザウルスロボというのは、格好いい名前の機械ですね。

大きな木が倒れる途中です。

伐採の様子。チェーンソーで伐採された大きな木が倒れている途中です

伐採した大きな木を林業用機械で引き上げています。

集材の様子。ザウルスロボという林業用機械で木を引き上げています

林業用機械で伐採した木をつかみ、枝を落としています。

造材の様子。プロセッサという林業用機械で木をつかんで枝を払い、指定した長さにカットします

年間のスケジュール

高橋:年間のスケジュールを教えてください。

中村:基本的には、2月~5月が植栽、5月~9月が下草刈、9月~2月が地拵えです。支障木の伐採や間伐作業は、通年でやっています。

高橋:地拵えとはなんですか。

中村:木を切った後に、慣らして次の木を植えるための地盤を作る作業です。

高橋:大事な基礎になるのですね。年間のスケジュールをお聞きすると、冬も関係なく作業をされているのですか。

中村:はい、そうですね。

高橋:雪があっても?

中村:はい。

高橋: 大変ですね。

苗木を植え付けています。

植栽

成長した雑草木を刈り払っています。

下草刈

木を切った後の土地で、次の木を植えるための地盤を作っています。林業用機械が写っています。

地拵え

1日のスケジュール

高橋:1日はどんなスケジュールで動いていくのですか。

中村:出勤してまず、今日の作業に使う道具を準備します。それから、ミーティングをして、前日までの進捗状況、今日の作業予定、KYを確認して現場に向かい、作業を行います。

高橋:KYとはなんですか。

中村:KY活動とは、活動の危険を予知して、作業開始前に起こりうる災害を予想し、災害が起きないための予防対策を立て、話し合うことです。

高橋:これも大事な活動ですね。

仕事のやりがい

蛍光オレンジの森林ウエアを着た柏崎地域森林組合の従業員、中村さんがチェーンソーで木を伐採しています。

チェーンソーで木を伐採する中村さん

高橋:大変な苦労をされているお仕事だと思いますが、仕事のやりがいや魅力はどんなところに感じていらっしゃいますか。

中村:最近、SDGsで林業が注目を浴びるようになりました。林業が、地球温暖化防止に貢献し、健全な森を作ることで、暮らしをより豊かにしていくという実感が持てます。それが今のやりがいです。

高橋:市長、従業員の方々がやりがいを持ってお仕事をされているのは、うれしいですね。

市長:そうですね。非常にうらやましい仕事に就いていらっしゃると思います。
私が一番好きなのはやっぱり春の山ですが、初冬、冬の山も結構好きです。黄色く染まったブナやコナラが落葉したあと、冬枯れの木立を歩くと、本当に気持ちいいです。青空が木立の合間から見えます。そして、一人でコンロを持って山に入り、コーヒーを入れ、コーヒーを飲みながら周りを眺めるのが非常に好きです。そういった、気持ちをリフレッシュしてもらう環境、心が洗われる環境でお仕事ができること、また、それが中村さんもお話され、私も先ほど触れたSDGsという国連の指標を実践するために行われている仕事であることで、非常に興味・関心を持つ若い方が多くなっているのはありがたいです。
石塚組合長は若い人材を求めていらっしゃいます。柏崎地域森林組合には、女性も新しく入ったと伺いました。若い方が、コロナ禍でやりがいのある仕事として、森林組合にお勤めされていうことは、私から見ればうらやましいところもあります。

中村さんの前職

太田:中村さんは柏崎地域森林組合に入って5年と聞きました。転職する前は、どんなお仕事をされていたのですか。

中村:トラックの長距離運転手をやっていました。

太田:そうなんですか。

中村:初めは配管工、その後長距離運転手をしていました。職は転々としましたが、今までやってきた仕事が林業でも役に立っています。配管工時代に取得した重機の免許のほか、トラックの運転技術も、大型車で木材を搬出するときなどに役立っています。今までやってきたことが、偶然ですが全部役に立っています。

太田:すごいですね。

高橋:今までの経歴が役に立つ、どんな仕事をしていてもこれから林業に携わることができるわけですね。

中村さんが林業で取り組んでみたいこと

高橋:中村さんの今年の抱負や、林業で取り組んでみたいことを教えてください。

中村:東京2020オリンピック・パラリンピックに柏崎産の木材が提供されたとき、新聞やメディアでも紹介されました。2025年には大阪・関西万博があります。どんな形であれ万博に関わることができれば、面白いと思います。柏崎市ならびに林業も、もっとPRできると思います。

高橋:大阪・関西万博でも本当に関わることができるといいですね。こうした若い担い手の方も森林組合で力を発揮されているのですね。

石塚正好さんへのインタビュー内容

今後の課題

柏崎地域森林組合の従業員が木を取り囲むように集まり、説明を受けています。

市有林で行われた安全教育の様子

高橋:石塚組合長、柏崎地域森林組合としての今後の課題がありましたら、教えてください。

石塚:人材育成です。林業は機械化が進んでいますが、まだまだ人の手を必要とする業種です。農業と異なり、機械が平面を動くわけではありません。傾斜や環境など、いろいろな状況があります。そういったところで、人の手を必要とするところがあることを踏まえて、人材育成が課題となっています。日本の林業の3K「きつい」「きたない」「危険」を、オーストリア林業の「格好良い」「給料が高い」「健康に良い」に転換したいと思います。また、待遇改善、就労環境や意識改革にも取り組んでいきたいと考えています。
昨年はホームページを開設しました。若い人たちに、林業に関心を持っていただきたいというのが、私の考えです。SDGsの理念に基づき、次世代へ技術を継承できる森林管理をしていきたいです。

高橋:柏崎地域森林組合では、今年の4月から新しい人材は入るのですか。

石塚:3名内定しています。

高橋:すばらしいですね。新たな若手が入ってくれるということで、期待したいと思います。

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更新日:2022年01月01日