市長定例記者会見(令和4(2022)年7月6日)

市長定例記者会見(令和4(2022)年7月6日)のお知らせ

冒頭のあいさつをする市長

冒頭のあいさつをする市長

柏崎ふるさと納税の新パンフレットを紹介する市長

柏崎ふるさと納税の新パンフレットを紹介する市長

以下の「定例記者会見」で、概要をご覧いただけます。

報道機関との質疑応答を追加しました。

市長記者会見インターネット録画配信

市長記者会見の録画映像を「YouTube柏崎市公式チャンネル」でご覧いただけます。

発表事項

柏崎産水産物ブランド化第6弾!―海士が採る笠島の海藻

柏崎は海に面していていろいろな産物がありますが、柏崎の水産物のブランド化を改めて振り返ってみました。第1弾は谷根川のサケです。谷根川のサケは、昭和53年(1978年)に地元青海川の方々が、さけ・ます増殖協会を作って増殖事業を始めたことから始まります。その後、行政としてもさけのふるさと公園を造り、増殖事業に取り組んでいます。

平成24年(2012年)には、柏崎のマダイを食材として全国ご当地どんぶり選手権でグランプリを獲りました。柏崎では新潟県内でも1位、2位を争うほどマダイが水揚げされていますので、マダイを使ったお茶漬けはじめ、いろいろなものを生み出してきたというのが第2弾です。

第3弾として、平成30年(2018年)には、海洋生物研究所の皆さまと漁協の柏崎支所の方々と手を組んでヒゲソリダイの完全養殖に取り組んできました。

第4弾として、柏崎信用金庫と新潟博報堂から協力していただき、海藻のまちかさしまの地域ブランドづくり事業を行いました。

第5弾として、高級魚アラです。先月の会見でも申し上げたように、マダイの4倍の価格のアラを、今年も市内の飲食店で提供しています。

そして今回は第6弾として、笠島の海藻です。行政としても改めて、伝統的な海士による漁法が残っている笠島に注目しました。笠島のモズクは非常に価値が高く人気のある品物です。笠島地域を中心に、春のワカメ、柏崎ではモゾクと言う夏のモズク、エゴ、冬のイワノリなどが海藻文化として残っています。笠島の場合は男性も女性も潜りますので「あま」を海の士と書いています。

資料の裏面には、柏崎のもずく辛子味噌と味噌汁、味付けエゴの写真を載せています。ぎおん柏崎まつりの海の大花火大会にお越しいただく市内外の方々に、柏崎の質の高くおいしい海藻を召し上がっていただこうということで、7月25日に市役所の西側ピロティで、市内の事業者の方々が柏崎の海藻を販売するイベントを開催します。市役所の西側ピロティを使うイベントは初めてですので、そういった面でもご注目いただきたいと思います。

(主管:農林水産課 電話番号:0257-43-9131)

JA柏崎枝豆出荷調整施設で枝豆の直売をします

お米だけではなく園芸にも力を入れていこうというのが新潟県の農業施策です。柏崎市も枝豆とタマネギに力を入れています。おととし、枝豆の保冷施設を造らせていただき、たくさんご利用いただいていますし、出荷も順調に伸びています。

今回、JA柏崎と社会福祉法人ロングランが共同で、市内平井のカントリーエレベーター敷地内で、7月20日から8月20日まで枝豆を直売する予定です。おいしい枝豆を地元の方々にも味わっていただきたいというJAの思いと、障がいをお持ちの方々にいろいろな体験をさせてあげたいという社会福祉法人ロングランの思いが一致して、農福連携が実現しました。売り切れ次第終了となりますが、農福連携の柏崎の枝豆をぜひご利用いただきたいと思っています。

社会福祉法人ロングランに関しては、市役所の応接室にも堀井銀次さんの絵をお借りして展示させていただいています。7月は堀井銀次さんの花をテーマにした絵が飾ってあります。

今回の農福連携、絵画作品など、いろいろな意味で障がいをお持ちの方々が活躍できる場を、私共も提供させていただきたいと考えています。

(主管:農政課 電話番号:0257-21-2295)

柏崎産「タマネギ」「枝豆」を味わう!「柏崎食の地産地消フェア」を開催

先ほど申し上げたように、県は園芸に力を入れています。柏崎は園芸の中でもタマネギと枝豆に力を入れていますので、食の地産地消フェアを通して、さまざまなお店で提供される地元のタマネギや枝豆を使った特別な料理などをお楽しみいただきたいと考えています。

(主管:農政課 電話番号:0257-21-2295)

米山サービスエリアで「米山プリンセス」を販売

北陸自動車道米山サービスエリアで、私共が誇る一級品のコシヒカリ米山プリンセスを販売させていただくことができるようになりました。7月4日からすでに販売を開始しており、非常に好評だと伺っています。ご承知のように、米山プリンセスは非常に高いお米ですが、食味値が85点以上というおいしさを保障しています。この大変評価の高い米山プリンセスが米山サービスエリアでも販売できるようになり、非常にありがたいと思っています。

(主管:農政課 電話番号:0257-21-2295)

拉致問題を考える 巡回パネル展・映画「めぐみへの誓い」上映会を開催

今年、令和4年(2022年)は、日朝平壌宣言から20年の節目の年です。柏崎の拉致被害者である蓮池さんご夫妻、お子さんたちが帰って来られてから早くも20年が経ちました。しかし、残念ながら拉致問題の完全解決はいまだになされていません。その中で横田滋さんがご逝去されたり、ご家族の方々も高齢化したりと、拉致被害者を抱える地元自治体としても非常に憂慮しています。そして何よりも、ご家族の方々が一番心配されているのは、この問題が風化すること、忘れられてしまうのではないかということだと思います。自分の子どもや母はまだ帰って来ていないのに、世の中は、政治は、この問題にしっかり対応しているだろうかという不安が重なり20年の年月が経っています。

私共も、戻って来られた拉致被害者の方々の自治体である佐渡市、小浜市と3市の連絡会を継続しています。今年も3市で会議を行いますが、柏崎市としても単独で拉致問題の今年中の完全解決を目指しながら、市民の皆さまにも拉致問題がまだ完全解決していないことを意識していただくために、今回「めぐみへの誓い」の上映会を開催します。会場はソフィアセンターです。定員は決まっていますが、入場無料ですので、多くの方々からお申し込みいただきたいと思っています。

(主管:人権啓発・男女共同参画室 電話番号:0257-20-7605)

鉄道写真家 中井精也と行く!柏崎と信越本線満喫ツアーを開催

テレビなどでもお馴染みの鉄道写真家の中井精也さんから柏崎にお越しいただき、柏崎の信越本線を題材に写真の撮影教室を行うイベントを開催します。柏崎にとって信越本線は非常に重要です。先般の県知事選挙のときにも、花角知事の応援演説として信越本線の確保ということを申し上げましたが、市民の皆さまからも信越本線の重要性や価値といったものを写真の中からもう1回感じ取っていただき、情報発信していこうというイベントです。定員は40人です。現在30人の申し込みがあり、すぐにいっぱいになると思います。

長らくお休みされていたホテルシーポートのレストランが7月から週末だけですがオープンします。シーポートは、信越線を見下ろして海をバックに、米山大橋や米山という柏崎を代表する景色が見える絶好の撮影ポイントでもあります。そこでの食事や近辺での撮影という非常に魅力的な内容も含まれています。

(主管:企画政策課 電話番号:0257-21-2321)

ぎおん柏崎まつり・海の大花火大会 郊外5地域で花火を打ち上げます

ぎおん柏崎まつり海の大花火大会は7月26日に開催します。郊外でも、7月25日に西山町地域、北条地域、黒姫地域、高柳町地域、米山地域の5箇所で、大きい花火ではありませんが、それぞれの会場で45発ずつ打ち上げる予定です。これは、ぎおんの花火を見に行きたいけれどなかなか見に行けないというお年寄りも非常に多いので、そういった方々のために行うものです。

7月26日の本番のぎおん柏崎まつり海の大花火大会に関しては、コロナ禍以前と同規模の協賛金を確保しました。さらに、ふるさと納税の中からの市長におまかせ部分の1,000万円を加えて、通常1回のみの尺玉100発同時打ち上げをもう1回行います。三尺玉も打ち上げます。また、昨年お子さんたちを中心に募集したデザイン花火も打ち上げます。今ほど申し上げた郊外5地域での花火も含めて、通常よりもゴージャスな花火を上げさせていただくこととなりました。有料観覧席も売り切れてキャンセル待ちだけの状況と承知しています。3年ぶりのぎおん柏崎まつり海の大花火大会にご期待いただきたいと思います。

(主管:商業観光課 電話番号:0257-21-2334)

ふるさと納税パンフレット『縁』をリニューアル

今まではふるさと納税のパンフレットの表紙は写真でしたが、今回はイラストで表現させていただきました。男性と女性が焚火を囲んで、アウトドアでおいしいコーヒーのようなものを飲んでいる周りに、笹団子、越後姫、新道の柿、卵、米山プリンセスや新之助などのお米、柏崎の風景があります。裏には越後バナーナ、お酒、銅器、タイ、味噌、ガラス製品、ゴルフ場の体験もあり、満遍なく広く柏崎の魅力を伝えるイラストになったと承知しています。海のもの、山のもの、里のもの、伝統、技術、真心が加わった人のものいっぱいというかたちで、ふるさと納税のパンフレットをリニューアルしましたので、多くの方々にご紹介いただき、ふるさと納税にご協力いただければありがたいと思っています。

(主管:元気発信課 電話番号:0257-21-2311)

ワクチン接種のご検討はお早めに

4回目接種は、高齢者施設等では6月21日から始まり、個別接種は7月1日から、集団接種は7月20日から始まる予定です。私も4月に誕生日を迎えて60歳になりました。3回目接種が2月下旬でしたので、4回目接種の案内が来ました。8月に4回目接種の予約を行いました。

県は、1回目から3回目の接種をまだしていない方に対して、万代メディカルクリニックと長岡市のエールワクチンセンターに「ワクチン接種加速化センター」を開設しています。

市内の3回目接種の状況をお知らせします。65歳以上、60~64歳、50歳台は90パーセントを超える接種率です。30歳台、20歳台は7割前後で少し止まっている気がします。もちろん接種義務はありませんので、私たちが呼び掛けるしかないのですが、ワクチン接種を検討される方は早めにご検討いただきたいと思います。国もワクチン接種の実施期間を9月末までとしていることから、柏崎市も10月以降の接種予定はありません。

小児接種の状況をお知らせします。5歳から11歳の約44パーセントの方々から接種をしていただいています。保護者の方々、ご本人と相談しながら検討を進めていただければありがたいと思っています。

(主管:健康推進課 電話番号:0257-20-4211)

行事予定

7月16日、中越沖地震の日が近づいています。今年も市民一斉の訓練を行います。今年は16日が土曜日ですので、前日の15日に行います。

番神の自然水族館は非常にお子さんたちから好評です。初日の16日はすでに予約でいっぱいになったと伺っています。子どもたちが海に入って魚やカニを追いかけ、捕まえ、観察するイベントです。

海で水球in柏崎も開催します。志水祐介さんからも出ていただけるということですので、皆さんからお楽しみいただきたいと思います。

イベント

  • 2023かしわざき高校生対象企業説明会
    (主管:商業観光課 電話番号:0257-21-2335)
  • 市民一斉地震対応訓練
    (主管:防災・原子力課 電話番号:0257-21-2316)
  • 番神自然水族館
    (主管:商業観光課 電話番号:0257-21-2334)
  • 雑誌リサイクル市(第2回)
    (主管:図書館 電話番号:0257-22-2928)

  • 西山ふるさと公苑「夏休み子ども体験教室」
    (主管:商業観光課 電話番号:0257-21-2334)
  • ぎおん柏崎まつり
    (主管:商業観光課 電話番号:0257-21-2334)
  • 中学校区ごとに開催―令和4(2022)年度 地域懇談会
    (主管:総務課 電話番号:0257-21-2333)
  • 親子わんだーランド 生き・活き・子育て!
    (主管:人権啓発・男女共同参画室 電話番号:0257-20-7605)
  • 夏季イベント投影「行こう!人気の惑星ツアー」
    (主管:博物館 電話番号:0257-22-0567)

文化

  • 柏崎コレクションビレッジ 夏季展
    (主管:商業観光課 電話番号:0257-21-2334)
  • 夏季収蔵資料展「アルバムの中の歴史―市民が遺したふるさとの記憶―」
    (主管:博物館 電話番号:0257-22-0567)

消防

  • 水難救助訓練
    (主管:消防署 電話番号:0257-24-1500)

スポーツ

  • 海で水球in柏崎
    (主管:水球のまち推進室 電話番号:0257-41-4020)
  • 第12回市民ウォーキング大会 サンセットウォーキング
    (主管:スポーツ振興課 電話番号:0257-20-7010)
  • 親子でチャレンジ!!スポーツin柏崎
    (主管:スポーツ振興課 電話番号:0257-20-7010)

定例記者会見の質疑応答

報道機関から受けた質問項目は、以下の通りです。

  • JA柏崎枝豆出荷調整施設での枝豆の直売に関する質問
  • ぎおん柏崎まつり海の大花火大会に関する質問
  • 中越沖地震から15年経過に関する質問
  • 柏崎商店街に関する質問
  • 柏崎刈羽原子力発電所に関する質問
  • 原子力発電所の複合災害と中越沖地震の教訓に関する質問

JA柏崎枝豆出荷調整施設での枝豆の直売に関する質問

記者:農福連携ということだが、社会福祉法人ロングランはどのようなことで関わるのか。

市長:例えば、販売のお手伝いをしていただくのだろうと思います。お金の収受や、袋に入れる作業、ラッピングなどの軽作業、接客を含めたお手伝いをしていただけると承知しています。

ぎおん柏崎まつり海の大花火大会に関する質問

記者:今回の花火の費用は1,000万円増えたということだが、総額はいくらか。

市長:6,000万円から8,000万円の範囲と考えていただければと思います。

記者:花火大会の整備などの費用も含めた総額が6,000万円から8,000万円なのか。それとも打ち上げる花火の金額が6,000万円から8,000万円なのか。

産業振興部長:整備を含めた全ての事業費は約1億2,000万円です。先ほど市長申し上げた部分は、花火代を含めた協賛部分ということでご理解ください。

記者:これは町内会だけでなく企業からの協賛も含めた金額として6,000万から8,000万ということでよいか。

市長:はい。

記者:郊外5地域で花火を打ち上げるが、打ち上げ場所を教えてほしい。

産業振興部長:お客さまが大勢訪れると困りますので、打ち上げの場所はお答えできません。

市長:ある程度広いスペースとなると限られますので、皆さんのご想像の範囲を出ないところです。

記者:デザイン花火は単独で上げる予定なのか。それとも、組み合わせてスターマイン的に上げるのか。

市長:スターマイン的にこの5つの作品を組み合わせて打ち上げられます。水球の花火などがどのように組み合わさるのか私も楽しみです。

記者:郊外5地域で花火を上げるのは、ぎおん柏崎まつりでは初めてという認識でよいか。

市長:はい。

記者:郊外5地域で花火を打ち上げる理由を改めて伺いたい。

市長:地域にお年寄りが多くなってきて、なかなか花火を海まで見に行けないという声が非常に多くありました。3年前は高柳の方々にバスでお越しいただいたこともありましたが、行きはよくても帰りの渋滞が大変でした。また、杖や車を押してお手洗いに行くことに対応できない部分もありました。規模は随分小さくなりますが、住んでいる地域の中で雰囲気だけでも味わっていただきたいということで、このように考えました。

記者:5地域の花火は、地元住民のみが対象というイメージなのか。

市長:外からお越しいただく方を拒むものではありません。ただし、それほど大きな地域ではなく、花火が見る場所がたくさん確保されているわけではありません。たくさんの方々が集中してしまうと違う心配もありますので、基本的には地元の方々にお楽しみいただきたいということが趣旨です。

記者:地元の方には場所は伝えて見ていただくのか。

市長:お伝えしません。地元の方々は、どこで打ち上げるのかおそらく知っていらっしゃると思います。

記者:26日の花火は何発上がるのか。

市長:15,000発です。

記者:例年は何発なのか。

産業振興部長:例年も15,000発です。今年はプラスした1,000万円をデザイン花火や、1発ごとに質の面で予算をかけています。

記者:例年と同じ15,000発だが、中身がゴージャスになるという意味でよいか。

市長:はい。

中越沖地震から15年経過に関する質問

記者:7月16日で中越沖地震から15年経つが、改めて市長としてこの15年間の所感を伺いたい。

市長:遠い昔のようにも思います。その当時は市長ではありませんでしたが、被害が非常に大きかった地域に住んでいた一住民としては、頭の中に焼き付いている画像がいまだに鮮明に残っています。地元の八坂神社のこども神輿を誘導して一緒に動いていた最中に地震が起こりましたので、その映像や子どもたちの声はまだ鮮明です。

6年ほど前に市長職を拝命して、今、中越沖地震を改めて考えていますが、えんま通りを中心に、形の上では復興してきれいな道路ができました。しかし、現状は畳まれたお店もあり、えんま通りの復興の中心になって頑張ってこられた方も柏崎から離れていることを含めて、復旧や復興という言葉がよく使われますが、15年前と同じ姿に戻ったのかと言われれば、なかなかそうはなっていないと思います。地震のことだけではなく、コロナを含めたこの15年間にさまざまなことが柏崎に起こっています。地震から立ち直った、復興したと言っても、前と同じようになったとは必ずしも言えないのではないかと思っています。決してそれは悪いことではなく、ある意味で新しい形態が生まれてきたのではないかと思います。そしてそれに対応する、例えば新しいえんま通りの商店街が出てきたのではないかと思っています。そういった意味で、先般のえんま市をたくさんの方々、特にお子さんが待ちに待って楽しんだ姿を見て、ワクワク感や楽しさという価値を提供する空間になってきているのではないかと思います。物理的に物を買うということが基本的には商店街なのかもしれませんが、それ以外のところにも何か価値が見出され始めてきて、悪いことばかりではないのかなと思っています。

道路や当時多く損傷を受けた集落排水、地域の神社、仏閣なども大きな被害を受けて、直せたり直せなかったりという部分もありますが、中越沖地震の後も非常に大きい震災が続いています。全国でも大きな被害を受けていますので、中越沖地震、その3年前の中越地震も、大きな災害として日本国民の方々が記憶を留めている災害ではなくなってきたということを考えるときに、改めて日本は非常に災害の多い国だということを毎年7月16日に実感しています。

記者:15年の年月が経ち、今見えてきている課題などはあるか。

市長:一言で申し上げるならば圧倒的な人口減少と少子化です。人口減少率は、新潟県が国内で下から1番目か2番目ぐらいです。柏崎市はそれにも増して人口減少が著しいです。お子さんの数は20年前に比べて半分以下になっています。少子高齢化は20年も30年も前から日本全国で言われていますが、中越沖地震後の15年の中で著しく進みました。それによって商業の形態も変わってきています。東日本大震災やウクライナ情勢も含めて、エネルギーの問題も図らずも変わってきています。この15年の間に非常に大きい流れがあり、それに対応していかなければ地方は生き残っていけませんが、まだ柏崎は大丈夫だろうという意識が私たちの中にもあります。私は、柏崎はもう瀬戸際である、ギリギリのところであると、あらゆることに関して申し上げていますが、それをこの15年の中で改めて強く感じ始めたと思っています。

記者:市民の防災意識は強いままあり続けていると感じるか。

市長:中越沖地震の後、いわゆる自主防災組織が市内304町内会のほぼ100パーセントで組織されています。これは、中越沖地震から始まる防災意識の表れだろうと思っています。

記者:15年経って地域として何を得たと考えるか。

市長:304町内会の防災意識が格段に高まりました。それぞれの町内会がほぼ毎年防災訓練を行っています。北条地域をはじめとするコミュニティ単位でも表彰状をいただけるほど、コミュニティとしても防災意識が非常に高まってきました。しかし、先ほど申し上げたように、壊れたところをきれいにしたところで意識が止まった部分もあります。人口が減っている、お子さんが激減しているという厳しい現実に気付かない、もしくは見て見ぬふりをしているようなところがまだあるのではないかと思います。これは市民の皆さんの生活の中にも、経済界の中にもあるのではないかと思います。

記者:人口減少を止めるのが難しいと思うが、行政として何をやっていくか。

市長:人口減少を食い止めるため、IターンやUターンの促進、子育て施策の充実は必要です。同時に、市民の皆さんに、中越沖地震で壊れたところは直りましたがこの15年間で人口はこれだけ減っている、お子さんの出生数は半部以下になっている、各学校のお子さんの数はこうなっているということをお知らせして現実を見ていただく、意識していただく、その意識喚起をしていくのも行政の大事な仕事ではないかと思います。

記者:意識喚起という意味でも、中越沖地震の慰霊行事を15年の節目ということで行ってもいいのではないかと思うが、行わないと判断した理由を伺いたい。

市長:節目にかたちで慰霊をするよりも、今この厳しい現実でどう対応するのかを伝え、柏崎で頑張っていきましょうと実際にアクションを起こしていくことの方が重要ではないかと思います。えんま市もぎおん柏崎まつり海の大花火大会も、いろいろご意見やご批判もありますが、やる方向で柏崎の元気を取り戻していこうとしています。中越沖地震に関しては慰霊をすることも大事かもしれませんが、15年経ってこういう状況になっている柏崎で、何をすれば少しでも元気になるのかを市民の皆さんと一緒に考えて、行動していく方にウエイトを置きたいと考えます。

柏崎商店街に関する質問

記者:全国的にも地方都市の商店街は、かつての賑わいを目指そうにも目指せない現状がある。その中で、今市長がおっしゃった「価値を提供する空間」は、商店街という町の在り様としては1つの方向性と考えるが、それを進めるために行政としてできること、やるべきことは何か考えがあるか。

市長:商店街のことのみならず、私が常に申し上げているのは、意識を変えてもらわなくてはいけないということです。実際に商店街の方々もわかってらっしゃるはずです。昨日も商工会議所で少しお話しさせていただいたのですが、ネット社会になり、地元の購買率が数年前から7割を切ったということです。私も含めて、皆さんネットで物を買ってしまうので、地元で物を買わなくなっています。しかし、地元の商店街に何の価値もないのかといえばそうではありません。例えば、えんま通り商店街にはやまゆりというシルバー人材センターが出しているお店がありますが、特にお年寄りの方に人気で、たくさんの方々が買い物をされています。そこには地元の八百屋さんも出品しています。人とのつながりという意味で、やまゆりはまだ生きています。顔が見える商品を売る空間として機能していますので、それぞれ時代の変化の中でどういう商売を、どういう事業展開をしていけばいいのか、意識を変えていきましょうと呼び掛けていくのが私たちの重要な役割かなと思っています。

ものづくり産業に関しても、今回、EVシフトへの対応で勉強会を開催しています。ある意味で、これは製造業における環境エネルギー産業へのシフトチェンジを考えてくださいということをやらせていただいていますので、こういったこともある意味で行政の新しい仕事なのかなと考えます。

柏崎刈羽原子力発電所に関する質問

記者:最近あった火災警報の誤作動など、火災に関して住民に心配を与えるような事案が絶えず起きている。原発の防災に関して東京電力へ求める対応があれば伺いたい。

市長:それほど大きな事案であるとは思っていません。しかし、誤報も含めて、私共の消防が出動するような事案も、出動に至らないような事案も含めて、頻発していると思います。機械が古いのかと思って確認してもらったところ、新しいものでした。設備は新しいにもかかわらず誤作動が起こる原因は何なのか。火災報知器が誤作動して消防が出た日は、雷が鳴っていたので、素人ながら雷による誤作動かなと想像できますが、最終的に何が原因で誤作動が起きたのかはまだ報告を受けていません。電気系統はいざというときに原子炉内でも外でも非常に重要な役割を果たすので、その原因は細かい事案であろうともしっかり突き詰めていただきたいと思いますし、原因が分かったならば、早急に改善していただきたいと思います。また、古い機械は最新鋭のものにしていただきたいと繰り返し申し上げたいところです。

原子力発電所の複合災害と中越沖地震の教訓に関する質問

記者:中越沖地震の際は原発が被害を受けて、原子力の事故と地震との複合災害があり得ることの警鐘を鳴らした事例でもあったと思う。その後、福島の事故が起きて、実際に複合災害が起きたが、中越沖地震の教訓は避難の問題も含めて生きていると感じているか。

市長:市長になり、複合災害という問題は私なりに真剣に考えてきたつもりです。例えば、原子力災害と大雪のときはどうするのかということ。国・県からも、大雪のシミュレーションをしていただいているようですが、まだ足りないと思うのは、洪水が起こったときに避難経路は確保できるのだろうかという問題です。他にも、大風やいろいろな複合災害の時にどのように対応すればいいかは、エンドレスでいろいろなシミュレーションを重ねていく、いろいろな計画を作ってはまたブラッシュアップしていくということを重ねていくしかないというのが率直な思いです。

記者:現段階で、柏崎市の複合災害への対応は、住民が安心できるレベルまでできていると思うか。

市長:100パーセントを目指してできる限りのところを改善していると思っています。先般、中通・西中通地域で水害対応の避難訓練を行いました。私は西中通地域に行きました。春日地域の方々は、同じ地域の瑞穂中学校に避難することになっているため避難しましたが、春日地域の方が瑞穂中学校に避難しようとすると、よしやぶ川と排水路を超えていかなければなりません。大水のときに大水のところに向かって避難するのは非合理的です。水のないところに避難しなければいけません。そうした場合に、例えば県立翔洋中等教育学校に避難するというパターンはどうかとお話ししました。県立の施設を避難所に設定できるのかという問題もあって実現できていませんが、現場で訓練する中でこれはこうした方がいいのではなかということを1つ1つ重ねていくしかないと思います。今の段階で完璧なものができているかと言われれば完璧なものではありません。完璧なものというのは常に目指すものであって、今あるものではないと考えます。

記者:6号機の搬入建屋の下の杭が中越沖地震で壊れたことが判明した。直径1.8メートルがある杭が壊れているというのが15年経ってようやく分かるというのも少し衝撃であったが、市長の受け止めを伺いたい。

市長:それも確かに衝撃でしたが、地中にその杭が破断してしまった原因が、造ったときの基礎となったコンクリート基盤のようなものが残っていたこと、それを知らずに杭を打ってしまったということの方が、大きな問題だと思っています。今後、そういったことが起こらないように、構内の残置物が杭などに影響を及ぼしているようなところがないか徹底的に全部調べてもらいたいと思っています。

定例記者会見の概要と質疑応答(印刷用)

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更新日:2022年07月13日