市長定例記者会見(令和4(2022)年9月7日)

市長定例記者会見(令和4(2022)年9月7日)のお知らせ

冒頭のあいさつをする市長

冒頭のあいさつをする市長

スクリーンに投影した柏崎市公式SNSに使用する緊急度を伝えるマークの説明をする市長

スクリーンに投影した柏崎市公式SNSに使用する緊急度を伝えるマークの説明をする市長

以下の「定例記者会見」で、概要をご覧いただけます。

報道機関との質疑応答を追加しました。

市長記者会見インターネット録画配信

市長記者会見の録画映像を「YouTube柏崎市公式チャンネル」でご覧いただけます。

発表事項

H.E.Pチャレンジ―マイカーだけじゃない!? 新たな移動スタイルにチャレンジ!

これまで柏崎市役所はノーマイカーウイークなどに取り組んできましたが、それに健康や公共交通の利用促進の観点を加え、CO2の排出抑制に努めます。H.E.PはHealth、Environment、Public transportationの頭文字からできています。

健康に関しては、かしわざき健康サポートカンパニー、めざせ!かしわざきウオー王(キング)、健康づくり宣言などの取り組みがありますが、なるべく歩くことによって特にマイカーの利用を控えていただきたいと思っています。歩くのは難しくとも、マイカーではなく公共交通機関を使い、少しでもCO2の排出削減、抑制につなげたいと思っています。

公共交通に関しては、特急しらゆきのプレゼントキャンペーンや路線バスの通学割引キャンペーンがあります。特急しらゆきのプレゼントキャンペーンは、W切符を購入して応募いただくと、60人に旅行券をプレゼントするというものです。路線バスの通学割引キャンペーンは、10月1日から2月28日まで1つづり300円引きで販売するというものです。これは毎年行っていますが、学生の方をはじめ、非常に好評です。私共の大切な線路である信越本線をなんとかご利用いただこうということも含めて、H.E.Pチャレンジに公共交通の利用促進の観点も含めています。

ノーマイカー、健康への取り組み、公共交通機関利用の中で、温暖化を防ぐという意識喚起につながれば大変ありがたいと考えています。

(主管:環境課 電話番号:0257-23-5170)

Asian International WaterPolo Pre League2022を開催

元ブルボンウォーターポロクラブ柏崎ジェネラルマネージャーで、現シンガポール水球テクニカルディレクター兼男子代表監督の青柳勧さんとブルボンウォーターポロクラブ柏崎および柏崎水球事業実行委員会が連携して、現在水球の男子アジアリーグの立ち上げにご尽力いただいています。これがAsian International WaterPolo Leagueで、令和5(2023)年に立ち上げる予定だと伺っています。それに先立ち、9月23日にプレ大会をアクアパークで行います。観戦は無料です。これに伴い、シンガポール女子代表が9月15日から、男子代表が9月19日からアクアパークで合宿を行います。練習の様子は観覧デッキからご覧いただくことができます。オリンピックは終わりましたが、このような新しい試みが出てきましたので私共も応援していきたいと思います。

(主管:水球のまち推進室 電話番号:0257-20-7010)

100歳を迎える皆さんをお祝いします―百歳表敬訪問

おととし、昨年はコロナの影響でお伺いできませんでしたので、3年ぶりになります。日にちは9月19日です。今回は柏崎地域振興局の局長と一緒に5人の方を表敬訪問して、内閣総理大臣、新潟県知事、私からのお祝い状や記念品を贈呈させていただきたいと考えています。3年前は7人ほどお伺いしましたが、皆さん本当にお元気でした。100歳のお元気な方を訪問させていただくのは私自身も楽しみです。お元気でいつまでも長生きしていただきたいと心から願っています。

(主管:介護高齢課 電話番号:0257-21-2228)

賑わいが戻ってきた2022柏崎の海―昨年度に比べ海水浴場の入込状況は21%増

全ての海水浴場を合計した入込状況は前年比121.7パーセントで、入込数は305,210人でした。コロナ前の令和元(2019)年が573,660人ですので、半分ちょっとまで回復したというところです。この50万人という数は、柏崎の海水浴の入込としては最大ではありません。かつては海水浴客だけで100万人を超えていた時代もありますが、レジャーの多様化の中で海水浴客も減ってきているのが実態です。いずれにせよ、柏崎の観光にとって夏のシーズンの海水浴客は非常に大きな影響を与えるものですので、コロナの中で徐々に回復の兆しが見えてきたというのはありがたいと思っています。

番神自然水族館は開設から5年目になりますが、今年は天候が一部不順だったこともあり、23回しか開催できませんでした。参加者数は490人です。コロナ前の令和元(2019)年は25回開催で428人ですので、たくさんの方々からお楽しみいただいていると承知しています。

セントラルビーチも数字は昨年比で下がっていますが、今年はぎおん柏崎まつり海の大花火大会の準備のため、7月11日から8月5日まで閉じざるを得ませんでした。その中でも多くの方々からお楽しみいただけたものと喜んでいます。

海水浴場は8月15日で閉めましたが、翌16日に残念ながら県外からお越しのお孫さんとおじいちゃんが命を落とされるという大変痛ましい水難事故が発生しました。これに関連して、8月15日までのライフセーバーの人数などをお伝えします。ライフセーバーは市内の方が31人、市外から来ていただいている方が38人、計69人の体制で全15の海水浴場の対応をしました。常駐のところもあれば巡回監視のところもありますが、延べ人数は380人でした。救護実績はライフケアー柏崎から報告を受けています。軽症が189人、重症は0、救急車の要請が1件です。軽症はいわゆる擦り傷や切り傷がほとんどです。

(主管:商業観光課 電話番号:0257-21-2334)

TwitterとFacebookの緊急度を伝えるマークを作成しました

中央海水浴場で、海水浴場閉鎖後である8月16日に起こった痛ましい事故に関連して、TwitterとFacebookの緊急度を伝えるマークを作成しました。海水浴場としては閉鎖していましたが、そこに県外からお越しいただいたお孫さんとおじいちゃんのお二人が亡くなられてしまいました。中央海水浴場は遊泳禁止となっていましたが、今後、この遊泳禁止などの情報をいかに早く、正確に皆さまにお伝えしたらいいのかを考え、Twitter、Facebookでマークを使って迅速にお知らせすることとしました。

スクリーンに映した例をご覧ください。例えば8月10日、中央海水浴場は遊泳禁止ということをお伝えするTwitterで、大事なお知らせのマークを付けています。検索またはフォローしていただければ情報は入ってきますので、今までより迅速に皆さまに情報が伝わるのではないかと思っています。

ホームページでは、市内15全ての海水浴場の遊泳可否をお知らせします。事前にご確認いただいた上でお越しいただきたいと考えています。

Twitter、Facebookに付けるマークは緊急、注意、大事なお知らせという3つのカテゴリーに分けました。緊急は、文字通り地震や津波や竜巻、大雨、原子力発電所に関わるもの、緊急のマークを付けてTwitterやFacebookで短い文章でお伝えします。注意は、熱中症の予防、防災訓練、クマの出没などです。大事なお知らせは、遊泳禁止、電車の運休、花火大会の開催や中止などです。これらを使い、今までよりも迅速に情報発信していきたいと考えています。

(主管:元気発信課 電話番号:0257-21-2311)

行事予定

イベント

定例記者会見の質疑応答

報道機関から受けた質問項目は、以下の通りです。

  • H.E.Pチャレンジに関する質問
  • Asian International WaterPolo Pre Leagueに関する質問
  • 中央海岸での水難事故に関する質問
  • Twitter、Facebookの緊急度を伝えるマーク作成に関する質問
  • 安倍晋三元首相の国葬に関する質問
  • 原子力規制委員会に関する質問
  • 原子力発電所の再稼働に関する質問
  • 避難委員会に関する質問
  • 東京電力に関する質問

H.E.Pチャレンジに関する質問

記者:ノーマイカーウイークをやっていて、それに健康面や公共交通も合わせるということだが、実施期間は共通なのか。

市長:はい。基本的には10月の1カ月間とさせていただきます。公共交通機関の促進に関しては、10月31日以降も対象となっていますが、H.E.Pチャレンジとしての期間は1カ月です。

Asian International WaterPolo Pre Leagueに関する質問

記者:来年度に水球男子アジアリーグが新設予定ということを今日初めて知ったが、どのようなリーグで、現在の準備状況などの正確な情報があれば伺いたい。

市長:青柳さんが、柏崎を離れる時にこういうものを作りたいというご自身の考えは伺っていましたが、具体的な情報については担当からお話しします。

水球のまち推進室長:ブルボンウォーターポロクラブが日本国内ではなかなか強化ができないという状況が以前からありましたので、ホストタウン事業でセルビア・モンテネグロとつながっている柏崎として、ホストタウン事業をステップにアジア圏との交流拡大にシフトしたいと考えています。現在はシンガポールの青柳さんと連携し、シンガポール、シンガポールの合宿後に柏崎で合宿を行う韓国、中国、インドネシア、フィリピン、オーストラリアの代表とどういうことができるのかを現在協議しているところです。具体的にこういうリーグをやりますということはまだ正確には決まっていません。

中央海岸での水難事故に関する質問

記者:8月16日の水難事故に関して、当時、遊泳禁止の放送は海の家が行い、市は問い合わせがあった場合に遊泳禁止ということを伝えているということだったが、その時の市の対応として問題はなかったと考えているか。

市長:今の状況の中では、残念ながらあれができる限りのことでした。事故の後、情報発信に使用するマークの作成も含めて、他に何かないか考えました。具体的には、海側にある防災行政無線だけを機能させることができないのかということですが、それは難しいということでした。また、海水浴場近くに防災行政無線がないところもありましたので、非常に難しいと思います。

自分でTwitterやFacebookやホームページを確認しにいけば分かりますが、見ていない方は海に行っても遊泳禁止なのかどうかは分かりません。旗を立てても見えないかもしれません。そういったことを含めると、海水浴場開設期間、それ以外の期間も含めて、市民の皆さんや遊びに来られる市外の方々への周知は非常に悩ましい問題で、今回のことに関しては今私たちができる限りのことをやったと考えています。

記者:当時の対応としては特に問題なかったということでよいか。

市長:課題は残っていますが、あの当時としてはできる限りのことをさせていただいていました。

Twitter、Facebookの緊急度を伝えるマーク作成に関する質問

記者:今回の事故は8月15日までの海水浴場開設期間の過日に起きたが、市内海水浴場の遊泳禁止の可否をホームページに掲載する期間はいわゆる海水浴場の開設期間なのか、それ以外の期間にも発信するのか。

市長:いつから始めるかなどは決定していませんが、ゴールデンウイーク頃から海に来て遊ぶ方もいらっしゃいますので、風が強く波が高い日などは海水浴場開設期間以外にも情報発信していきたいと考えています。

記者:海水浴場の開設期間が一般市民や市外から来られた方に周知できていないという問題があると思う。事故のあった8月16日に現場に行ったが、例えば海水浴場の開設が終わったという看板があるわけでもなく、海の家は営業していた。そうなると、特に市外から来た方にとっては開設期間中かどうか、またライフセーバーの巡回の有無などが分からないと思うが、その辺りを改善される考えはあるか。

市長:今ほど発表したTwitterやFacebookによる発信も含めて、通知していかなければいけないと思っています。また、それぞれの現場に看板を立てることができるかどうかは今後検討しなければいけません。

暖かい日差しがあるような日には、1月、2月でも海で遊ぶ方はいらっしゃいます。海だけでなく山も同様です。米山も八石山も黒姫山も山開きは皆さんにお知らせしますが、山じまいということはやっていません。これらを考えると、非常に難しい問題です。柏崎市だけの問題ではありませんが、このような痛ましい事故が発生した以上、速やかに対応を考えていきたいと思います。少なくとも今できることは、TwitterやFacebookなど即時性のある媒体を使って告知することだと思っています。

記者:全国的にコロナの影響でライフセーバーの確保が課題になっていると思う。柏崎中央海岸も人数が足りないということで今年は巡回になっていたかと思う。ライフセーバーの確保に向けて、市として何か取り組む考えはあるか。

市長:今ご指摘いただいたように、はっきり申し上げて人手不足です。昨年から市の消防職員にも出てもらっている状況です。これだけ巡回や常駐をしているのは、県内の海水浴場の中でも柏崎はトップクラスだと思います。いずれにせよ、消防職員を含めてなんとか人材を確保しているのが実態です。

記者:改善策や状況を打開する策を出すのは難しいか。

市長:これは市長就任以来の懸案事項です。毎年ライフセーバーの方にどこから来たのか伺うのですが、おととしは沖縄からという方もいらっしゃいましたし、東京からという方も多いです。全国的にもライフセービングをやっている大学が少なくなってきています。柏崎市にはライフセービングやプールの巡視などを専門としたライフケアー柏崎という会社があり、定期的にライフセービングの確保に努めているにもかかわらずこういう状況ですので、今のところなかなかこれ以上の手はないのかなと感じています。

記者:ライフセーバーを配置する期間は例年お盆までの1カ月程度と伺った。今回の事故は8月16日で世間的にはお盆期間中かなと思うが、今後、配置期間をお盆の1週間後の土日まで延ばすなどの考えはあるか。

市長:期間を延ばすということは、それだけの人材を確保しなければならないことになります。また、夏場にお越しいただく方が多いですが、最近は海開きのかなり前から海で遊んでいる方が多くいます。期間を前後に延ばすことを含めると、人員から考えて現在の期間でしか対応できないのが実情です。

記者:今年の海水浴客の人数は若干回復傾向にあるということだが、海のまち柏崎ということで今後さらに増やしていくためにどのような手を考えているか。

市長:行政も考えていますが、すでに民間の方々は迅速に対応しています。

海遊びという言葉はありますが、海水浴という言葉そのものは死語になりつつあると思います。また、若い女性は海に来ても海に入らない方も多いと浜茶屋関係の方々から伺っています。レジャーが多様化したことを含めて、ただ手をこまねいているだけではなく、民間の方々はサウナを作られたり、バーベキュー場を作られたり、それぞれの海水浴場の近くでいろいろな試みをしています。また、夏のシーズンのみならず、春から秋までシーカヤックやSUPなどで海を楽しむ方が多くなってきていますので、そういったことを今まで以上に応援していかなければならないと思います。

記者:この緊急度を伝えるマークや発信は来年の夏からということか。

市長:ゴールデンウイークぐらいから海で遊ぶ方はいらっしゃるので、必要であれば、マークを入れて、風が強く波が高いので海辺では遊ばない、近寄らないでくださいという発信はしたいと思っています。同様に川も、増水しているので川に近付かないでくださいということは季節を問わず、Twitter、Facebook、ホームページも含めて即時性のある媒体を使っていきたいと考えています。例えば台風などに関しては、来年ではなくすぐにこのマークを使って情報発信します。

安倍晋三元首相の国葬に関する質問

記者:9月27日に安倍元首相の国葬が予定されているが、市長は市内の小・中学校などに対しても弔慰の表明など、何か考えていることはあるか。

市長:市役所は西口の掲揚搭を半旗とします。小・中学校の設置者は柏崎市ですが、学校敷地内の管理者、責任者はそれぞれの校長ですので、私共から掲揚する、しないという指示は出しません。

記者:職員が黙とうなどをするという話などは出ているのか。

市長:そもそも9月27日という期日は知っていますが、何時から行われるのかは承知していません。国葬が行われるという国の方向性は承知していますので、私はそのときには半旗を掲揚しますが、閉会中の国会で審査が行われると承知していますので、国会での議論を見ながら、少なくとも市役所ではどのような対応をするのか、もう少し情勢を見極めたいと思っています。

記者:小・中学校については、半旗を掲揚する、しないという指示は出さないということだが、各学校の校長の判断で掲げるところもあるということか。

市長:そうなります。柏崎市としては、市長としてこの庁舎の西口の掲揚搭に半旗を掲揚すると申し上げているので、教育委員会を含めてみんな把握しています。最終的な判断は学校の敷地、学校そのものの管理者である校長の判断に委ねます。

記者:そうすると基本的には各小・中学校で半旗を掲げることになりそうか。

市長:掲げるところもあるかもしれませんし、掲げないところがあるかもしれません。

記者:掲げるところ、掲げないところの把握はしているか。

市長:まだこの話は教育委員会にも伝わっていないと思いますので、把握していません。

記者:さまざまな議論がある中で、今回半旗を掲げると判断した理由を伺いたい。

市長:国葬だからです。国葬を辞めるということであれば話は違ってきますが、国葬であることは決定していますので、私共としては国葬に対応するということです。

記者:閉会中に審査も行われるが、現時点でそのように表明されたのは国葬だからという1点だけか。

市長:そうです。国葬ということが国によって決定されたとするならば、少なくとも柏崎市は国葬に対応する、市役所の国旗掲揚搭に関しては対応するということです。

原子力規制委員会に関する質問

記者:原子力規制委員会が9月19日で設立から10年を迎える。市長は市議時代から保安院の分離・独立を主張していたが、分離・独立した規制委のこの10年間の活動をどう評価しているか。

市長:原子力規制委員会の設立以前は原子力委員会と原子力安全委員会が大前提にあって、JCO臨界事故の後に原子力安全・保安院というものができました。原子力安全・保安院は、原子力専門の機関ではありませんでした。例えば、石炭やガスなどの安全規制を含めたものでしたので、私はそれではだめだと、私の言い方では原子力規制庁、規制委員会とはしなかったと思いますが、原子力規制委員会的なものにするべきだと申し上げました。もっと具体的に申し上げると、国家行政組織法の八条委員会が今までの保安院や原子力安全委員会的ないわゆる審議会的なものでした。審議会的なもの、つまり国家行政組織法の八条的なものではなく、原子力規制委員会を執行権がある国家行政組織法による三条委員会にするべきだと申し上げていました。これは福島の事故以前から申し上げていましたが、残念ながら福島の事故の後にこういったかたちで規制庁、規制委員会ができた、三条委員会になりました。

いつも私は100パーセントというものはないと申し上げていますが、規制庁、規制委員会の働きは、もちろん試行錯誤をしながらではありますが、100に近いほど非常に頑張っていただいていると思います。この規制庁、規制委員会を作らなければいけないのではないかと私自身が考えたのは、1997年から始まったプルサーマルの問題です。私は2002年か2003年にアメリカのNRC(原子力規制委員会)に伺い、アメリカ合衆国大統領から直接指名を受ける5人のコミッショナーのうちの1人にお目にかかり、規制委員会というものはどういうものなのかを伺ってきたことがあります。その方は、私はアメリカ合衆国大統領から任命を受けた者ではあるが、アメリカ合衆国大統領に相談することなく、誰に相談することもなく、この規制委員会の5人のコミッショナーだけで原発を動かすことも止めることもできる強い権限を与えられている。そのことに誇りを持っているという非常に強いお言葉をいただいて感銘を受けたことを覚えています。コミッショナー5人のうち、2人は共和党主義者、2人は民主党主義者、1人は私が伺った方で中立になっているということも含めてすごい組織だと思いました。日本の規制庁、規制委員会がそれと同様の組織になっているかというと、陣容、ボリューム的なものが足りない、与えられている権限などもアメリカのNRCなどに学ぶことが多いのではないかと思っています。これも前に申し上げたかもしれませんが、NRCを視察させていただいたときに、アメリカの原子力発電所を動かしている産業団体であるNEI(原子力エネルギー協会)だったと思いますが、そことNRCが定期的に意見交換しているということを伺って、なるほどと思いました。日本の場合は、どちらかというと一方的に規制庁が発電所を規制する立場になっていますが、アメリカの場合は、いわゆる企業団体が同等の立場で非常に激しい意見交換を随時行っています。これは素晴らしいことだと思います。こういったことが、今後日本の規制委員会、規制庁にも求められてくるのではないかと考えます。

記者:規制委員会に非常に頑張っていただいているということだが、そのポイントなどを伺いたい。また、東電から報告があって初めて問題を見つけることもあると思うが、改めて課題なども伺いたい。

市長:日本の規制委員会のみならずアメリカのNRCもそうですが、全てを網羅しているわけではないと思います。業者から申告があって初めて気付いた事例もたくさんあります。いくつかそういったことがあったからといって、日本の規制委員会がお粗末だという話には全くならないと思います。安全を守るため、安全を確保するため、安全をより向上させるため、常日頃意見交換していくということは非常に重要だと思っています。それが今後求められるだろうと思います。

頑張っている部分は、何の問題にしてもそれぞれの専門家の知見を取り入れて時間をかけてやっていること。そして歴代の規制庁、規制委員会の委員長は、政治には拘束されないという趣旨の発言をそれぞれされているので、その姿勢は立派だということで、そこに信頼を置いています。

記者:原子力規制委員会が政治に拘束されないということを評価されていたことに関して、地元の首長などが規制委員会の委員長や委員の方に会いたいと言っても消極的で、例えば泉田知事がずっと会いたいと言っていても会ってくれなかったなど、地域の声を聴いていないのではないかという評価もあるが、立地自治体としてどのように見ているか。

市長:私自身は規制庁には数えきれないぐらい伺っていますが、偶然そこで委員長にお目にかかったり委員の方にお目にかかったりして名刺交換をしたことはあります。先ほどの産業団体と規制委員会の意見交換はあって然るべきだと思っていますので、それと同様に立地自治体を代表する知事レベルであれば、意見交換をしてもいいのではないかとも思います。ただ一方、知事も政治家ですので、政治家の意向などを排除する公平、公正なジャッジを行うということに関して、規制委員会がそれは難しいと判断されるならば、それも然りだと思います。少なくとも、私のような基礎自治体レベルの者が委員会の中で、もちろん求められれば行ってお話しさせていただきますが、私自身がそのようなことをするつもりはありません。知事レベルでも会ってもいいようにも思いますし、独立、公正、公平にという観点から見てそれは排除したほうがいいという規制委員会の判断であれば、それは尊重するべきものだと思っています。

記者:福島の事故の後、保安院をはじめとした規制側は規制の虜と言われ、業者側に取り込まれたということを国会事故調などで指摘されていたが、この10年を見て、規制の虜という部分において課題がクリアできたと見ているか。

市長:規制の虜という言葉もなかなか難しいところですが、確かに柏崎刈羽の問題、浜岡の問題、北海道泊の問題を含めて審査にかなり時間が掛かっています。浜岡でも7、8年ぐらい、泊でも10年ぐらいのはずです。果たしてこの年月が合理的な審査が行われている年月だろうかと考えると、クエスチョンマークが付きます。それが業者側の情報不足によって規制がなかなか進まないということがあるかもしれませんし、規制庁、規制委員会側の陣容が足りないから進まないのかもしれません。いずれにしても、3つの検証も含めて、適正な判断を行うためには適正な機関で判断に臨むというのが行政手続法の趣旨だと考えていますので、行政手続法の観点から考えると、7、8年や10年というのは長いのではないかと思っています。ただ、原子力安全・保安院では規制側に回った後に人事転換で推進側に戻ることができましたが、規制庁、規制委員会の場合はワンウェイです。経産省出身の職員はいますが、経産省に戻れないというルールで独立性が担保されていますので、前から比べれば非常に公平、公正、厳密な体制は整いつつあるのではないかと思います。

原子力発電所の再稼働に関する質問

記者:今月末で東電が核物質防護関連の不適切問題に関して改善報告を規制委に提出して1年になるかと思う。8月末に、政府が柏崎刈羽を含む原発の来年夏以降の再稼働を目指す方針を明らかにしたが、いまだに不適切な事案などが明らかになる状況が続いている。市長はたびたび懸念するようなコメントを出しているが、来年夏というスケジュール感は現実味を感じられるか、あるいはかけ離れていると感じられるか、立地自治体の長としてどのように感じているか率直な受け止めを伺いたい。

市長:一言で申し上げると、なぜそこまで遅れたのかという感じです。本来認可が下りていましたが、その後IDカードの不正使用から始まって核物質防護事案が出てきました。結果、今は核燃料の移動措置がなされていて再稼働ができない、やろうと思ってもできない状態になっています。今回の追加検査の結果がこの秋に出てくるので、条件を付けながらも再稼働の意義を認める立場として、粛々と進めていっていただきたいと思います。来年の夏となるのが早いのか遅いのかと言われれば遅いようにも感じますし、少なくとも早いとは感じられません。

記者:規制委の追加検査自体がその段階で終わっているのであれば粛々と進めるべきものだということか。

市長:進めるべきだとは思っています。私共と刈羽村はそのような心持ちで何度も皆さんともダイヤログさせていただきました。あとは県が、3つの検証が終わらないうちは再稼働の議論を始めないと言っているので、結果的にはその部分が国のGXとの関係、来年夏以降というお話があったところも含めると、唯一にして最大のポイントになると思います。

記者:市としては、というよりも県としてはそれが難しいのではないか、投げ出すというのが難しいのではないかということか。

市長:それは県に聞いてください。私個人は3つの検証そのものがおかしいとずっと申し上げてきていますし、3つの検証を検証してほしいと申し上げています。

記者:いわゆる追加検査の結果は秋に出てくるという市長の話があったが、追加検査の結論時期はまだ公式にいつまでという話が出ていないと思う。何か根拠などがあるのか。

市長:出てくるのではないかと推測しただけです。というのは、委員長も今月中の任期で交代されると伺っていますので、一定程度ご自分の代で検査結果を出されるべきではないかと思っているということです。

記者:秋に出るという情報が市長にきていないのか。

市長:情報はきていません。

避難委員会に関する質問

記者:先日、3つの検証のうちの1つの避難委員会が避難の報告書を出した。課題がかなりの数になっているが、どのように受け止めているか。

市長:私から見れば課題が大きいという部分、どうしてこういう発言をするのだろうというような委員の発言も含めて、私がうーんと思ったところに付箋を付けています。また、最後のほうにある例の避難ルートの問題、災害時避難経路阻害要因調査に関して、私が1年がかりでこの調査そのものがおかしいと申し上げていましたが、これに関しての記載は、非常に残念ながら私から見れば全く勘違いなところで話が終わってしまっています。避難路の問題にしても、元々は福島事故の検証ということから始まったものが、いつの間にか柏崎刈羽原発の避難経路を含めてというような話になってしまっているので、違うステージでしっかり考えていただかなければならないと思います。

いずれにせよ、例えば健康の部分に関しては、チェルノブイリにしてもスリーマイルにしても、健康に関する被害があったのか、なかったのかという調査はいまだ続いています。今回、3つの検証が終わったらという話もありますが、福島事故の検証ということに関してみれば、健康に関しては今後ずっと続けていくべき話だと思っています。ですので、私はこの3つの検証そのものが残念ながらナンセンスだと申し上げているところです。避難経路に関しても、順次充実させていく、どんどん改善していくことになりますので、これが終わったからどうこうというのは、私はうーんと思っていました。特にこの避難の検証の報告書に関しては、観点が違うのではないかというところが多々ありました。

記者:避難委員会の委員の皆さんは、抽出された課題を今後実効性あるものにしていってほしいと言っている。この実効性についてどうしていいかという問題はあると思うが、この避難について、プレイヤーの1人である市としてはどのように対応していくか。

市長:課題が何百も出てきていますので、それは一つ一つ解決していっていただかなければならないと思いますし、私自身は出されてない課題もあると思っています。何度も申し上げるように、3つの検証が終わったから議論だとか、終わったからもうこれで全て終わりということではなく、先ほどの健康被害なども含めて今後ずっと続けていかなくてはいけないことです。ずっと続けていかなければいけないものに対して、これが終わったら議論を始めるというのはナンセンスではないかと思っています。健康被害はある意味でエンドレスですし、避難計画もより100パーセントに近いものを求めていくのはエンドレスだと考えています。

記者:先日の会合で、委員の方々が最後に個人的な思いのようなものを述べる場面があった。その中で、今回出されたのは今後の避難委員会や福島事故を踏まえた避難の論点であり、それで実際に柏崎刈羽の実効性が高まるのかについて検証していく必要がある。ただ、その検証主体は県なのか、運用する自治体なのか、今回の避難委員会のような第三者的な専門家の見地からなのかという意見も出てきたが、その点について市長はどのように考えるか。

市長:今さらそんな意見が出てきても困るという気持ちです。私は当初から、これは福島事故に関係して検証する、過去あったことに対して行うのが検証なので、柏崎刈羽の避難に関しては最初から別枠でやっていただきたいと申し上げています。別枠で考え方を国・県にも伝えていますが、今回一緒になってしまって、結果的にこの検証にも含まれてしまったところがあります。私としては、県・国も含めて、今後、県と一緒に作った私共の原子力防災ガイドブックを順次ブラッシュアップしていかなければならないと思います。専門の方々の知見が必要ならば、国からも求めたいと思います。

いずれにせよ、原子力政策というのは国策なので、その観点から国が原子力災害特別措置法を改正してもらいたいと言っているわけです。今は順番が違って、事業者の責務があって、その下に国の責務があるかたちになっています。私は国の責務が一番だろうと思います。原子力災害特別措置法は国の責務が一番だという観点から見ると、実効性ある避難計画を作るには、国・県、地元自治体、そして専門的な知識を得て、今あるこの避難計画をより実効性の高いものに進めていくような別組織があればもちろんありがたいと思います。ただ、それができないからといって再稼働を全くしない、できないということではないと思っています。

東京電力に関する質問

記者:市長として東電のこの1年を振り返り、改善されてきているという実感はあるか。

市長:いろいろな事象が出てきていることを考えれば、まだまだ進んでいないのかなと思いますが、当事者の意識は確実に変わってきていると実感します。その証明の仕様はありませんが、少なくとも、今の所長は隠さずに全て出すとおっしゃっていますので、その姿勢、所長の言葉というのは信頼に足るものですし、そういった所長の言葉に意識が変わりつつあるということを感じ取っています。

定例記者会見の概要と質疑応答(印刷用)

この記事に関するお問い合わせ先

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更新日:2022年09月12日