令和5(2023)年度のアトム情報

このページは「広報かしわざき」に掲載した記事をもとに作成しています。

原子力発電所の安全を現地で確認(2024年3月号)

市は、県・刈羽村と合同で、定期的、または必要がある場合に、柏崎刈羽原子力発電所を訪れ、安全を確認しています。

確認する内容は、発電所の安全対策の取り組み状況や故障のあった設備、問題が発見された場所などです。

東京電力ホールディングス株式会社から説明や報告を受けて現場を確認し、必要に応じて市の要望や要請を伝えています。

現場確認の一例

写真:過去に火災が発生した場所を確認している様子

ランドリー建屋(5号機)の火災発生現場の確認【令和5(2023)年5月10日】

写真:油の漏洩があった現場を確認する様子

油の漏えいがあった低起動変圧器(3号機)の確認【令和5(2023)年9月8日】

写真:過去に破損した漏電率計の同型の機会を確認している様子

破損した導電率計と同型の導電率計(5号機)を確認【令和5(2023)年12月8日】

避難行動要支援者の避難(2024年2月号)

要配慮者と避難行動要支援者

要配慮者

高齢者や障がいのある方、妊婦・乳幼児など、災害時に特に配慮を要する方

避難行動要支援者

要配慮者の中で、自力での避難が困難な方や、避難に車いすやストレッチャーを必要とするなど、災害時に自力で避難することが難しい方

在宅の避難行動要支援者の避難

原子力災害時は、支援者や家族と一緒に自家用車やバスを使って避難します。

避難に福祉車両が必要なときは、県または市が手配します。

安全に避難するための体制
写真:車いすに座ったままの男性を、後部ドアにつけたスロープを利用し、乗せようとしています。

福祉車両を使った避難訓練

市は、在宅の避難行動要支援者を名簿などで把握しています。

災害が発生した時、地域の自主防災会や消防団、民生委員などと協力して、安否や支援の要否を確認します。また、円滑に避難ができるように令和3(2021)年度から福祉車両を使った避難訓練を行っています。

関連リンク

複合災害時の避難行動(2024年1月号)

自然災害と原子力災害が同時に発生。どう避難する?

まずは自身の安全の確保を

自然災害と原子力災害が同時に発生したときは、命の危険が高い方の避難行動を優先します。

自然災害の方が命の危険が高い場合は、PAZ・UPZ 共に、自宅や避難所など安全な場所で屋内退避をしてください。

原子力災害による避難は、安全に避難できることを確認後、防災行政無線などでお知らせします。

今いる場所に津波・土砂災害の危険があるとき

すぐに近くの避難場所に避難してください。

岡を超えてくる津波から逃げる人達のイラスト(左)、土崩れが発生しているイラスト(右)

地震との複合災害時

自宅に留まることが危険な場合は近くの指定避難所など、安全な場所に避難してください。

ただし、避難所までの道路が損傷し通行できないときは、安全が確認できるまでは無理に避難せず、屋内退避を続けてください。

地震発生時に机の下に隠れる家族のイラスト

暴風雪との複合災害時

視界不良などで、避難中の事故のリスクが高まります。

安全に避難ができるようになるまで、自宅などで屋内退避を行い、天候の回復を待ちます。

屋根の上に雪が降り積もり、強い風が吹いていることを表すイラスト

原子力防災訓練を実施しました(2023年12月号)

10月27日(金曜)~11月9日(木曜)に新潟県原子力防災訓練が行われました。

災害対策本部運営訓練、住民避難訓練、学校などにおける引き渡し訓練などの各種訓練を行いました。

今後もさまざまな事態を想定した訓練を行い、万が一の原子力災害に備えます。

写真:柏崎市役所災害対策本部会議室で行われた国・県・市との本部運営訓練の様子。インターネットを介して、遠隔会議を行いました

 

住民避難訓練

PAZの西中通・中通・二田地区、UPZの高田地区で実施。

基本的な避難方法である自家用車の他、バス、船舶、ヘリコプターなどの手段で市外の避難経由所、避難所までの広域避難訓練を行いました。

写真:砂浜に上陸した自衛隊のエアクッション艇に乗船する市民の皆さん。自衛隊員が誘導しています

 

学校などにおける引き渡し訓練

はらまち保育園、高田保育園、槇原小学校、新道小学校が参加。

保護者への引き渡しと、引き渡せなかった園児・児童の避難訓練を行いました。

写真:保護者に引き渡せなかった児童のバス避難の様子。小学校の教員が誘導しています子

 

放射線防護施設(2023年11月号)

原子力災害時に「無理に避難すると健康リスクが高まる方」が、搬送の準備が整うまで一時的に屋内退避する施設として「放射線防護施設」があります。

放射線防護施設は建物内の気密性を高め、空気をフィルターで浄化します。その空気を室内に送ることで内圧を高め(陽圧化)、外部の放射性物質を遮断するため安全に退避できます。

内閣府のシミュレーションによると、陽圧化した鉄筋コンクリートの建物に退避すると、屋外にいる時に比べ積算被ばく線量が9割以上低減できることが分かっています。

市内には、発電所から5キロメートル圏内にある社会福祉施設を中心に、13カ所の放射線防護施設があり、2023年度14カ所目として、中通コミセンの放射線防護化工事を行っています。

放射線防護施設のイメージ

放射線防護施設のイメージ図。外部からの放射性物質を遮断するための設備が備わっています。設備の一例の説明がこの後に続きます

出典:一般財団法人日本原子力文化財団(JAERO)原子力防災シミュレーション

非常用発電設備

商用電源が喪失した場合においても陽圧化装置などを稼働するための非常用発電設備

差圧計

屋内の空気圧を測定することにより、陽圧化装置の稼働状況を把握

陽圧化装置

  • プレフィルターで砂塵などを除去
  • メインフィルター(HEPA・活性炭)で放射性セシウムや放射性ヨウ素などを除去
  • 上記処理後の正常な空気を施設内に給気

気密性の確保

玄関出入口の二重扉化や壁および窓枠などの補強

 

新しい防災ガイドブック「原子力災害編」を配布します(2023年10月号)

令和5年10月に改訂した防災ガイドブック「原子力災害編」の表紙画像

配布時期

10月に各家庭に配布します。

主な修正内容

  • コミュニティ地区の統合(西山地区、野田地区)を反映
  • 一部地区のバス避難集合場所の見直し、施設名称の変更を反映
  • 安定ヨウ素剤の緊急配布場所を追加
  • 最新の地図データを反映
  • 国道8号バイパスの一部開通による避難経路の追加
  • 自分がいる場所(現在地)での取るべき行動を追加 など

原子力災害時の屋内退避(2023年9月号)

発電所からおおむね5~30キロメートル圏内のUPZ地区の基本的な避難行動は、屋内退避です。

屋内退避とは

原子力災害時に自宅などの建物内にとどまることを屋内退避と言います。

放射性物質が放出された場合、大気中を気体状の放射性物質が雲のような塊になって流れていきます(放射性プルーム)。この放射性プルームが大気中を流れている間、外部被ばくや放射性物質を体内に取り込まないようにするために屋内退避を行います。

屋内退避の効果

一般的な木造住宅であっても建物の気密性や遮蔽(しゃへい)効果によって被ばく量を半分程度にすることができます。

屋内退避のポイント

屋内退避の4つのポイントを示したイラスト。この後、説明が続きます

外気の遮断

放射性物質が屋内に入らないように、窓を閉めたり、換気扇を止めたりして、外気を取り込まないようにしましょう。

ペットを屋内へ

ペットも一緒に屋内に避難しましょう。

情報収集

防災行政無線やテレビ、ラジオ、携帯電話などから正しい情報を入手しましょう。

無理な避難・移動をしない

放射性プルームが放出されている間は、無理な避難や移動はやめましょう。

関連リンク

屋内退避の詳細は、内閣府ホームページをご覧ください。

緊急事態区分ごとの避難行動(2023年8月号)

原子力災害時に取るべき行動(避難行動)は、現在地(PAZ・UPZ)と緊急事態区分(発電所の状況)によって違います。

現在いる場所を基準に、市からの指示を聞いて、落ち着いて行動してください。

現在地の区分

  • PAZ(ピーエーゼット)【即時避難区域】:発電所からおおむね5キロメートル圏内の高浜、荒浜、松波、南部、二田、中通、西中通の7地区。
  • UPZ(ユーピーゼット)【避難準備区域】:発電所からおおむね5~30キロメートル圏内のPAZ の7地区を除く市内全ての地区。

緊急事態ごとの避難行動

現在地での避難行動とポイントをまとめた一覧。UPZは放射性物質放出前に帰宅・子どもの迎え。その後、状況により避難を行う。PAZは帰宅・子どもの迎え後、屋内退避をします。指示があった地域のみ避難を行う場合があります。

どこに避難すればいいの?

地区ごとに指定している避難経由所を目指してください。
避難経由所で避難所を案内します。

どうやって避難する?

原則、自家用車で避難します。

自家用車で避難できない方はバスを用意します。
最寄りのバス避難集合場所に集合してください。

家族と別々に避難したら?

避難先での合流を目指します。

市外にいる時は?

帰宅できない場合は、今いる場所の自治体の指示に従ってください。
なお、市外であっても発電所から30キロメートル圏内(長岡市の一部など)はUPZ になります。

関連リンク

原子力災害対策重点区域と緊急事態区分(2023年7月号)

原子力災害対策重点区域

原子力災害の影響が及ぶ可能性がある区域は「原子力災害対策重点区域」として定められており、市全域が対象です。また、重点区域は、発電所からの距離に応じて2つの区域(PAZ・UPZ)に分けられています。

PAZとUPZを区域ごとに色分けした市の全体図

PAZ(ピーエーゼット)【即時避難区域】

発電所からおおむね5キロメートル圏内の高浜、荒浜、松波、南部、二田、中通、西中通の7地区。原子力災害時は、放射性物質が放出される前の段階で、市からの指示により予防的に避難します。

UPZ(ユーピーゼット)【避難準備区域】

発電所からおおむね5~30キロメートル圏内のPAZの7地区を除く市内全ての地区。原子力災害時は屋内退避を基本として避難に備えます。放射性物質の放出後、空気中の放射線量などにより、必要に応じて避難や一時移転を行います。

緊急事態区分

発電所の状況により定められた区分(緊急事態区分)に応じた避難行動をとります。
例えば、市または刈羽村で震度6 弱以上の地震が発生した場合は「警戒事態」となり、避難や屋内退避に備えて、速やかに帰宅します。

緊急事態区分ごとに、PAZとUPZの避難行動を示した表

関連リンク

原子力防災講座のご案内(2023年6月号)

市は、市内の企業、団体、グループを対象に、原子力防災に関するさまざまな講座を実施しています。

生涯学習「ふれあい講座」

万が一原子力災害が起きたら、どこへ避難して、家族はどこで合流するのか。避難方法や日頃の備えなど、原子力防災の基本を学べます。

生涯学習「ふれあい講座」の詳細ページ

問い合わせ先

文化・生涯学習課

原子力出前講座

放射線の基礎や原子力防災の基礎などを学べます。測定器による実習もできます。
(実施時期は5月~12月。)

申し込み・問い合わせ先

公益財団法人 柏崎原子力広報センター

原子力防災講座

写真:企業の従業員を対象に行った原子力防災講座の様子

避難先や避難経路など、テーマに合わせて、防災・原子力課の職員が企業や福祉施設などに出向いてお話します。テーマや内容はご相談ください。

申し込み・問い合わせ先

防災・原子力課

PAZにお住まいの方へ 配布済みの安定ヨウ素剤の使用期限が近づいています(2023年5月号)

県は、原子力発電所からおおむね5キロメートル圏内のPAZにお住まいの方に配布済みの安定ヨウ素剤の更新配布を行っています。

丸剤・ゼリー剤の使用期限が近づいているため、更新を希望する方は手続きをしてください。

(注意)PAZにお住まいで、今まで安定ヨウ素剤を受け取っていない方、原子力発電所からおおむね5~30キロメートル圏内のUPZにお住まいの方にも配布します。受け取り方法は、お手元の県からの案内をご確認ください。

配布対象

PAZにお住まいの次の方

  • 39歳以下
  • 40歳以上の妊婦・授乳婦・妊娠希望のある女性
  • 40歳以上で安定ヨウ素剤の受け取りを希望する方

(注意)安定ヨウ素剤の配布は無料です。

受け取り方法

配布対象のうち39歳以下の方

県から案内が届きます。

案内を確認し、以下の方法で受け取ってください。

  • 郵送
  • 薬局
  • 事前配布説明会
事前配布説明会
  • とき:2023年5月20日(土曜日)~5月21日(日曜日)の午前10時~午後5時
  • ところ:産業文化会館

来場予約ができます。詳細は県ホームページをご覧ください。

40歳以上で受け取りを希望する方

県ホームページをご覧いただくか、県感染症対策・薬務課(電話:025-280-5237)にお問い合わせください。

配布済み薬剤の使用期限

  • 丸剤:令和5(2023)年6月
  • ゼリー剤:令和5(2023)年8月

関連リンク 

令和4(2022)年度新潟県原子力防災訓練から見えた課題(2023年4月号)

写真:要避難者を車いすに乗せ、2人がかりでスロープを降りる訓練を行っています。

昨年10 月に行った新潟県原子力防災訓練を検証した結果、住民避難の問題点や課題が見えてきました。

課題と対策は以下の通りです。

各課題の問題点と対策の一覧
訓練内容 課題 対策
学校などでの保護者への引き渡し訓練

災害時に対応する教職員に対し、原子力災害の特殊性や避難方法の周知がさらに必要

学校などに原子力防災講座の開催を提案する。

PAZ・UPZの住民避難(一時移転)訓練

自家用車での避難時に、避難者が避難所まで迷わず到着できるよう、誘導方法の検討などが必要。

引き続き、自家用車での避難訓練の実施を新潟県に要望する。

広報活動訓練

避難指示などの防災行政無線の放送は、文章が長く最長で6分を超えたため、放送文の見直しが必要。

簡潔かつ明確に状況を伝えられるよう見直しを行う。

避難行動要支援者の避難訓練

車いすやストレッチャーが必要な方の避難は、支援者だけでは負担が大きい。近所の住民や自主防災組織、消防団の協力が不可欠だと分かった。共助のための体制構築が必要。

避難行動要支援者の避難訓練と自主防災組織などへの訓練参加要請を継続する。

この記事に関するお問い合わせ先

危機管理部 防災・原子力課 原子力安全係

〒945-8511
新潟県柏崎市日石町2番1号 市役所 本館3階
電話:0257-21-2323/ファクス:0257-21-5980
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更新日:2024年03月05日